創作が人間の救いであること、祈りであることを再確認する映画「落下の王国」を観よう。
あの世界に必要なのはオリロー(避難器具)です。すべてがネタバレ。#映画感想
前々から映画をよく観る人たちをフォローしている映画情報用アカウントで名前だけはよく見ていたものの、なにやらいろんな事情があるらしくて再上映がされず……で有名だった印象がある「落下の王国」。
この映画を観て自分が創作でやりたかったことを満足させられてしまい(※)、筆を置いたひとの話まで流れてくるもんだから一次創作もやる身としては少しばかり緊張しながら観たものの、結論から言えば創作に対してのアプローチが異なるので擦過傷で済みました。でもあれが致命傷になるひとがいるのもわかる。それだけなにか強いエネルギーを秘めている映画であった。
(※真偽は別として本当にそのひとがいたとするなら、あくまで映画を観に行っただけであって自分の創作したかったものを他人の作品で満足させようとしたわけではないと思うのでこの表現をしています)
俺たちは大人だからロイになにがあったのかをあの少ない情報からでもうっすらとわかってしまって、それがスタントを生業に選んだ人間に対してどのような意味を持つか、重みを持った事実であるか、というのもうっすらと想像がついてしまうし、俺たちも子供だったからアレクサンドリアが空想で時間を潰すこととその必要性がわかるし、アルファベットが読めなくて数字だと思ってしまって勝手に錠剤を捨てることもわかるし、だからこそアレクサンドリアにそれをやらせたロイに対してはしっかり怒らなければいけないし、あの時代にそうすることが難しかったのもわかる。先人の命と血で病院の安全はできているから。
ロイが物語の最後にあらゆる仲間たちをばんばん殺して行ったの、本当に自殺願望が強いことの現れすぎて「おまえ、おまえちいちゃい子に、なに聞かせて、やめい!!!!!」ってビンタしてたくらいなんですけど、ロイに届くのはアレクサンドリアのまっすぐな「立って」なんだよな………どうも上記の映画情報アカウントのタイムラインを見るにインド神話の下敷きがあるそうなんですけど全然わからないため、アセクシュアル・アロマンティック人間個体としては最後の最後で安易に愛だの恋だのを取らず千切って捨てたのめちゃくちゃ良かったです。
愛ってもっといろんな形があって、それはその当人間だけのものだから、子供が無邪気に憧れるような異性愛模範だけじゃないんだよな。それをあの時代の作品でやってくれてありがとう、の気持ち。アレクサンドリアのふん、ってするのかわいかったですね。やたらキッスをさせたがっていたりして、年相応(そうか?)のおしゃまなおませさんって感じで大変良かった。
子供に語り聞かせる物語がベースだから、容易に現実側と物語側を行き来する構造がメタ視点大好き人間には受け入れやすく、またここら辺の要素でめちゃくちゃ人を選ぶだろうな、と思いもするので安易に他人に勧められない映画トップに急に躍り出てきてしまい困惑しています。急な景気のいい爆発とか大好きなんですけどね………。
オウディアス総督の手下たちが出てくるとき、犬はいないのに犬(や狼に近い獣)の吠える声がするの本当に嫌すぎて「人間の悪意を人間でないものでえがくのがうますぎるだろ」って声に出るかと思いました。あと被っている兜に変に声が反射している、のではない範囲で子供の甲高い声みたいな声がするのも「人間の悪意をえがくのがうますぎるだろ」になりました。
人間が世界に絶望しているとき、そこから一旦希望の方向に顔だけでも向けさせるために必要なのって人間でないものの場合と、人間である必要があるパターンがあると思っているんですけど、今回は人間である必要があったパターンで、それって本来はカウンセラーとかそういう専門職なり専門知識がある人間があたる仕事なんだけどあの時代を考えるともう全然それは望めなくて、アレクサンドリアはまだギリギリ5歳だから今後の忘却に賭けて子供に対してやるにはキツすぎるカウンセリングが大回転して一旦ハッピーエンドに落ち着いた、って感じの話でわりかしギリギリとしていました、胃が。やらすな………ッッッt……こどもに………そんなこと……………ッッッッ!!!!
あと侵入を想定していないのは当たり前すぎるんだけど処置室にあんな外から中見える窓、いります!?死やんけ!!!!!!!そこにあるの!!!!になり………怖いよね……夜の病院ね……………になりました。俺は別に夜の病院を知らないんですけど、こわいものとしてなぜか意識に刷り込まれているので………怖いよね………抱きしめてやりたい………聞いてるかロイ。お前だぞそれをやらんとならんの。おい。きいてるか。寝るな。寝てる場合じゃないぞ。Not time to sleepだぞ。聞いてるか。起きろ。
アレクサンドリアが本当に気まま〜に人の話聞かないあの年頃の子供全開なのめちゃくちゃ良かったから、ところどころに挟まる曇らせに「やめてください……」って本気のダメージを受けていたな………。
タイトル回収なのか、だいたいの人間が落ちて死ぬのなんなんですか?になったのはちょっとおもしろかったです。オタクはタイトル要素を作品内で回収されるのが好き(主語でか)あと愛の象徴だった弾丸を受け止めたロケットすら放り投げられて高いところから落ちていくのも好き。あれはあそこが真髄だと思っています。あんなちっぽけなものに愛だのなんだのとまるで命を賭けてもいいもののように言っていたのだ俺たちは。それとの決別。美しかったな。
アレクサンドリアが頭打って処置室にいるところにやってきたロイがめちゃくちゃしっかりした酒瓶からストレートでウイスキー(たぶん。色的に)煽ってたの馬鹿な大人すぎて「持ち込ませるなそんなもん!!!!」って思ったしちょっと笑っちゃった。しっかり酒飲んでんなあ、この大人………!!!!!!!
全体的に本当にすごく良かったし、評価が高くて根強いファンがいるのも納得だけど病院内の重大インシデントで気が散りすぎる映画、「落下の王国」。おすすめです。畳む
あの世界に必要なのはオリロー(避難器具)です。すべてがネタバレ。#映画感想
前々から映画をよく観る人たちをフォローしている映画情報用アカウントで名前だけはよく見ていたものの、なにやらいろんな事情があるらしくて再上映がされず……で有名だった印象がある「落下の王国」。
この映画を観て自分が創作でやりたかったことを満足させられてしまい(※)、筆を置いたひとの話まで流れてくるもんだから一次創作もやる身としては少しばかり緊張しながら観たものの、結論から言えば創作に対してのアプローチが異なるので擦過傷で済みました。でもあれが致命傷になるひとがいるのもわかる。それだけなにか強いエネルギーを秘めている映画であった。
(※真偽は別として本当にそのひとがいたとするなら、あくまで映画を観に行っただけであって自分の創作したかったものを他人の作品で満足させようとしたわけではないと思うのでこの表現をしています)
俺たちは大人だからロイになにがあったのかをあの少ない情報からでもうっすらとわかってしまって、それがスタントを生業に選んだ人間に対してどのような意味を持つか、重みを持った事実であるか、というのもうっすらと想像がついてしまうし、俺たちも子供だったからアレクサンドリアが空想で時間を潰すこととその必要性がわかるし、アルファベットが読めなくて数字だと思ってしまって勝手に錠剤を捨てることもわかるし、だからこそアレクサンドリアにそれをやらせたロイに対してはしっかり怒らなければいけないし、あの時代にそうすることが難しかったのもわかる。先人の命と血で病院の安全はできているから。
ロイが物語の最後にあらゆる仲間たちをばんばん殺して行ったの、本当に自殺願望が強いことの現れすぎて「おまえ、おまえちいちゃい子に、なに聞かせて、やめい!!!!!」ってビンタしてたくらいなんですけど、ロイに届くのはアレクサンドリアのまっすぐな「立って」なんだよな………どうも上記の映画情報アカウントのタイムラインを見るにインド神話の下敷きがあるそうなんですけど全然わからないため、アセクシュアル・アロマンティック人間個体としては最後の最後で安易に愛だの恋だのを取らず千切って捨てたのめちゃくちゃ良かったです。
愛ってもっといろんな形があって、それはその当人間だけのものだから、子供が無邪気に憧れるような異性愛模範だけじゃないんだよな。それをあの時代の作品でやってくれてありがとう、の気持ち。アレクサンドリアのふん、ってするのかわいかったですね。やたらキッスをさせたがっていたりして、年相応(そうか?)のおしゃまなおませさんって感じで大変良かった。
子供に語り聞かせる物語がベースだから、容易に現実側と物語側を行き来する構造がメタ視点大好き人間には受け入れやすく、またここら辺の要素でめちゃくちゃ人を選ぶだろうな、と思いもするので安易に他人に勧められない映画トップに急に躍り出てきてしまい困惑しています。急な景気のいい爆発とか大好きなんですけどね………。
オウディアス総督の手下たちが出てくるとき、犬はいないのに犬(や狼に近い獣)の吠える声がするの本当に嫌すぎて「人間の悪意を人間でないものでえがくのがうますぎるだろ」って声に出るかと思いました。あと被っている兜に変に声が反射している、のではない範囲で子供の甲高い声みたいな声がするのも「人間の悪意をえがくのがうますぎるだろ」になりました。
人間が世界に絶望しているとき、そこから一旦希望の方向に顔だけでも向けさせるために必要なのって人間でないものの場合と、人間である必要があるパターンがあると思っているんですけど、今回は人間である必要があったパターンで、それって本来はカウンセラーとかそういう専門職なり専門知識がある人間があたる仕事なんだけどあの時代を考えるともう全然それは望めなくて、アレクサンドリアはまだギリギリ5歳だから今後の忘却に賭けて子供に対してやるにはキツすぎるカウンセリングが大回転して一旦ハッピーエンドに落ち着いた、って感じの話でわりかしギリギリとしていました、胃が。やらすな………ッッッt……こどもに………そんなこと……………ッッッッ!!!!
あと侵入を想定していないのは当たり前すぎるんだけど処置室にあんな外から中見える窓、いります!?死やんけ!!!!!!!そこにあるの!!!!になり………怖いよね……夜の病院ね……………になりました。俺は別に夜の病院を知らないんですけど、こわいものとしてなぜか意識に刷り込まれているので………怖いよね………抱きしめてやりたい………聞いてるかロイ。お前だぞそれをやらんとならんの。おい。きいてるか。寝るな。寝てる場合じゃないぞ。Not time to sleepだぞ。聞いてるか。起きろ。
アレクサンドリアが本当に気まま〜に人の話聞かないあの年頃の子供全開なのめちゃくちゃ良かったから、ところどころに挟まる曇らせに「やめてください……」って本気のダメージを受けていたな………。
タイトル回収なのか、だいたいの人間が落ちて死ぬのなんなんですか?になったのはちょっとおもしろかったです。オタクはタイトル要素を作品内で回収されるのが好き(主語でか)あと愛の象徴だった弾丸を受け止めたロケットすら放り投げられて高いところから落ちていくのも好き。あれはあそこが真髄だと思っています。あんなちっぽけなものに愛だのなんだのとまるで命を賭けてもいいもののように言っていたのだ俺たちは。それとの決別。美しかったな。
アレクサンドリアが頭打って処置室にいるところにやってきたロイがめちゃくちゃしっかりした酒瓶からストレートでウイスキー(たぶん。色的に)煽ってたの馬鹿な大人すぎて「持ち込ませるなそんなもん!!!!」って思ったしちょっと笑っちゃった。しっかり酒飲んでんなあ、この大人………!!!!!!!
全体的に本当にすごく良かったし、評価が高くて根強いファンがいるのも納得だけど病院内の重大インシデントで気が散りすぎる映画、「落下の王国」。おすすめです。畳む