感想:「ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り」観たよ!という感想です。角の先から足の爪の先まで全部ネタバレだよ。俺はアウトローなのでそういうことをする。続きを読むもともとは確か3月に「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」を観に行った時だったか、その後に観に行った「トップガン マーヴェリック」(こいつまだ本編観て…いや劇場でやってるのがおかし…いやこの話はあとです)だったか、とにかく何かを観にいったときに吹替版の予告が流れていて知りました。映画、特に国外作品は基本的に原語で楽しみたい派閥なので字幕優先なんですが、吹替予告珍しいな〜と思っていたらなんだかんだそのあとチャンネル登録はしていないけど文化面の参照としておすすめに出てきたら見るという頻度で並走しているYouTuber三人組が吹替に抜擢されたとかやっていて、思わぬところからも目に入ってきたタイトルです。前説全部要らんなこれ。そもそものゲーム自体を知らないにせよ、こちとら魂の住民票はずっと中つ国にある生粋ファンタジー国の住人なので魔法とか人間以外の種族とか鳥人間とか(ジャーナサンさん…………)特に違和感なく受け止められるタイプ、RPGはゲームで少しドラクエを嗜むタイプ。この異世界、少なくとも現存地球世界との乖離をファンタジーだからという前提で受け入れられる人なら全員楽しめるんじゃないかな!という王道の話でとてもよかったです。俺のようにひねくれて「王道ファンタジーでもたとえば主人公サイドの人間がこじらせるとか、もっと世界が一回滅ぶとかしないかな………」みたいなフィクションへの期待値最悪人間性を持っている個体に対しても「そもうちはこういうスタンスでやらせてもらってるんで」という提示が早々になされるから「アッハイ」で受け入れられます。いろいろTLに流れてくる不可避の情報で「スーパーセクシーパラディン」という存在は存じていたんですが、思ったより出番が少なくて「えっっっっ?!」になりますし、そうなった上で「スーパーセクシーパラディン……………」になるのでそれも今までにない体験でめちゃくちゃになりました。俺が。地下世界でのあのかつての仲間っぽい人たち(無差別に人を襲う化物みたいな描写の後にめちゃくちゃ意思疎通ができる個体たちが出てきてやや混乱した。時間が経つと冷静になってああなれるんだろうか)との一人大乱闘はなんだったんですか!?最初から死んでるから死ねないのにもちもちまるまるおでぶドラゴンちゃんさんのお腹におさまったら永久に消化されて復活してを繰り返すんですか!?肉体がなくても「死」の概念から外れているってことですか?!とか最悪人間性好奇心がめちゃくちゃ刺激されてそれどころじゃなかったですけど、あそこのシーンだけ完全に主人公たちが置き去りなので俺も置き去りにされました。あの体験おもしろかったな………。これはツイートもしたんですけど、ゼンクがエドガンを助けようとした理由は間違いなく提示された通りなんですが、そこにほんの少しでいいからかつて「自我をなくし化け物になった親に襲われる子」だったゼンクが「自分がどうなろうと(少なくとも自我を失った不死の化け物ではないが)子を助けようとする親」のエドガンに個人的に思うところが一瞬でもいいからあって欲しいな、と思いました。他のサーイ人がどうあれ(ソフィーナも意外と根に持っていたので)、わりと主人公たちも過去のことにとらわれがち(エドガンは奥さんのこと、ホルガは元夫のこと、サイモンは言わずもがな。ドリックは捨てられた過去のことは割り切ってそうだけどそこに端を欲する現状を守りたい、守り切れていないことについて)だからゼンクにもその辺少し合って欲しいなあ、という願望です。個人的に魔法という人智を越えた力を期待される法則性のひとつが「解決できない事象もある」と明確に描写されるの好きなのでところどころにある「なんでもできるわけじゃない」に満面の笑みでした。「できないところをどう工夫するか」が全体に一貫したテーマでもあると感じたので、本当に最初から最後まで作品に一貫したルールとテーマがあってそこからブレることがない作品でよかったです。エドガンと奥さんの爽やかなイチャコラもめっっっっっっっっっっちゃくちゃ好きで好きで………ちょくちょく登場する青いトンボは奥さんの魂の比喩なのかなあとずっと思っていたんですが、そうでしたねあれね。手を離すんだよ………たとえそれがどんなに大事なものでも、手放して、見送って、自分を自由にしてあげる必要があるんだよ…というのをあの明るい本編を変にしっとりさせたりせずに描くのすごくよかったです。全推しカプにあのシーツの中でくすくすしてるシーンやってほしい。たまたまなんですけど「トップガン マーヴェリック」も大事にしすぎてほとんど修復不可能なまでに壊したものを手放すことで壊れきらない話(でもある)なので、二連続そんな感じのものを観たな………と思いましたが、断捨離とかが定期的に流行る現存世界において自分が納得した上でなら今までずっと手を離さずに握り締めたものを、ふとその手を緩めてしまっても現状は失われるけどあなた自身は失われないよ、というのを伝えるの大事なのかもしれない。ゼンクも「死んだ人間を生き返らせたら新しい人生(死んだまま継続される時間軸)が消える」って言ってたしな。ところでジャーナサンさんが何をしたっていうんだ。畳む #映画感想 いいね ありがとうございます! 2023.4.20(Thu) 09:03:58 つらつら
観たよ!という感想です。角の先から足の爪の先まで全部ネタバレだよ。俺はアウトローなのでそういうことをする。
もともとは確か3月に「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」を観に行った時だったか、その後に観に行った「トップガン マーヴェリック」(こいつまだ本編観て…いや劇場でやってるのがおかし…いやこの話はあとです)だったか、とにかく何かを観にいったときに吹替版の予告が流れていて知りました。
映画、特に国外作品は基本的に原語で楽しみたい派閥なので字幕優先なんですが、吹替予告珍しいな〜と思っていたらなんだかんだそのあとチャンネル登録はしていないけど文化面の参照としておすすめに出てきたら見るという頻度で並走しているYouTuber三人組が吹替に抜擢されたとかやっていて、思わぬところからも目に入ってきたタイトルです。前説全部要らんなこれ。
そもそものゲーム自体を知らないにせよ、こちとら魂の住民票はずっと中つ国にある生粋ファンタジー国の住人なので魔法とか人間以外の種族とか鳥人間とか(ジャーナサンさん…………)特に違和感なく受け止められるタイプ、RPGはゲームで少しドラクエを嗜むタイプ。
この異世界、少なくとも現存地球世界との乖離をファンタジーだからという前提で受け入れられる人なら全員楽しめるんじゃないかな!という王道の話でとてもよかったです。
俺のようにひねくれて「王道ファンタジーでもたとえば主人公サイドの人間がこじらせるとか、もっと世界が一回滅ぶとかしないかな………」みたいなフィクションへの期待値最悪人間性を持っている個体に対しても「そもうちはこういうスタンスでやらせてもらってるんで」という提示が早々になされるから「アッハイ」で受け入れられます。
いろいろTLに流れてくる不可避の情報で「スーパーセクシーパラディン」という存在は存じていたんですが、思ったより出番が少なくて「えっっっっ?!」になりますし、そうなった上で「スーパーセクシーパラディン……………」になるのでそれも今までにない体験でめちゃくちゃになりました。俺が。
地下世界でのあのかつての仲間っぽい人たち(無差別に人を襲う化物みたいな描写の後にめちゃくちゃ意思疎通ができる個体たちが出てきてやや混乱した。時間が経つと冷静になってああなれるんだろうか)との一人大乱闘はなんだったんですか!?最初から死んでるから死ねないのにもちもちまるまるおでぶドラゴンちゃんさんのお腹におさまったら永久に消化されて復活してを繰り返すんですか!?肉体がなくても「死」の概念から外れているってことですか?!とか最悪人間性好奇心がめちゃくちゃ刺激されてそれどころじゃなかったですけど、あそこのシーンだけ完全に主人公たちが置き去りなので俺も置き去りにされました。あの体験おもしろかったな………。
これはツイートもしたんですけど、ゼンクがエドガンを助けようとした理由は間違いなく提示された通りなんですが、そこにほんの少しでいいからかつて「自我をなくし化け物になった親に襲われる子」だったゼンクが「自分がどうなろうと(少なくとも自我を失った不死の化け物ではないが)子を助けようとする親」のエドガンに個人的に思うところが一瞬でもいいからあって欲しいな、と思いました。
他のサーイ人がどうあれ(ソフィーナも意外と根に持っていたので)、わりと主人公たちも過去のことにとらわれがち(エドガンは奥さんのこと、ホルガは元夫のこと、サイモンは言わずもがな。ドリックは捨てられた過去のことは割り切ってそうだけどそこに端を欲する現状を守りたい、守り切れていないことについて)だからゼンクにもその辺少し合って欲しいなあ、という願望です。
個人的に魔法という人智を越えた力を期待される法則性のひとつが「解決できない事象もある」と明確に描写されるの好きなのでところどころにある「なんでもできるわけじゃない」に満面の笑みでした。
「できないところをどう工夫するか」が全体に一貫したテーマでもあると感じたので、本当に最初から最後まで作品に一貫したルールとテーマがあってそこからブレることがない作品でよかったです。
エドガンと奥さんの爽やかなイチャコラもめっっっっっっっっっっちゃくちゃ好きで好きで………ちょくちょく登場する青いトンボは奥さんの魂の比喩なのかなあとずっと思っていたんですが、そうでしたねあれね。手を離すんだよ………たとえそれがどんなに大事なものでも、手放して、見送って、自分を自由にしてあげる必要があるんだよ…というのをあの明るい本編を変にしっとりさせたりせずに描くのすごくよかったです。全推しカプにあのシーツの中でくすくすしてるシーンやってほしい。
たまたまなんですけど「トップガン マーヴェリック」も大事にしすぎてほとんど修復不可能なまでに壊したものを手放すことで壊れきらない話(でもある)なので、二連続そんな感じのものを観たな………と思いましたが、断捨離とかが定期的に流行る現存世界において自分が納得した上でなら今までずっと手を離さずに握り締めたものを、ふとその手を緩めてしまっても現状は失われるけどあなた自身は失われないよ、というのを伝えるの大事なのかもしれない。ゼンクも「死んだ人間を生き返らせたら新しい人生(死んだまま継続される時間軸)が消える」って言ってたしな。
ところでジャーナサンさんが何をしたっていうんだ。畳む #映画感想