散る散る満ちる。

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No.30

短歌:一次創作、あるいはなんでもないもの
詠みためたもの、うたよみんやTwitterやmisskeyに投稿したもの。気が向いたらまたまとめて別に投稿する予定です。

日本語の一番最初はあいから始まる 猫の瞬く最微速見る(最微速についてはこちら
人生はいつなんどきも今までを切り売りしていく商売であり
「髪の毛は長いと意外に便利だよ」笑った君と髪が燃えてる
わりと今にやけているにはそれなりの理由があるが君のことでは
この海か空にひとすじ凛とした傷をつけたら散ってもいいかな
刑場に行けば我らの栄光の証があると君が言うから(付記:革命)
海を知るこのあしもとは永遠にあの砂浜を踏むことはない
言い訳と詭弁と理由と弁明と君の傷とのあわいはどこだよ
君を詠むための言葉が足りないのとらえどころがないからでなく
恋とかいう心の臓に溢れてる口に出せない血潮の色して、
天国も地獄も君の主観であって、君の奈落に僕はいなくて
その愛をただ一色で映すには、もったいなくて黒点を指す
個々人の名前はいずれ数になり乗員乗客総数となる
星光る声が呼ばない夜を知る 三角定規で平行線引く
いつかまた海に焦がれる時が来る 今はそれまですくすく往けよ
僕の中の怪物が君を食べようとして火を吐いた夜だよ
物言わぬ潮風に旗靡かせて さんざめいている 君が手を振る
海なんかもう何年も来ていないみんなそこから産まれてきたのに畳む

一次創作,短歌