No.101, No.100, No.99, No.98, No.97, No.96, No.95[7件]
つらつら
春コミ回顧録

2025年3月16日開催のHARU COMICCITY34に「九龍妖魔學園紀」で参加してきた前後のあれやこれや。基本的には自身のやらかしと反省がメインなのであまり楽しいものではないかもしれない。が、これを読んだら同人誌即売会へ参加する際のやらかしが若干軽減できると信じて書き記します。

【前日】
関東在住なのだが赤ブーはイベントの開始がいつも参加しているコミティアより1時間早くて、自分自身は早起きしたらなんの問題もないのだが売り子を頼んだ友人は昼夜逆転社会人のため友人が早起きできない。それにより行動を東京都隣接県民が二人して会場最寄りの東京ベイ有明ワシントンホテルに前泊する運びへ。

前泊自体は良かったのだけれど、予約するときにベッドが二つある=ツイン、広めのベッドが一つ=ダブル、というのを別タブで調べて把握していたはずなのにセミダブルの予約をしていて部屋が狭いしベッドが狭い。友人とは高校からの付き合いで進学した専門学校も一緒で家も近所の、いわゆるパーフェクト地元の同級生なので一つの布団で二人寝たりはよくやったのだが、部屋に入るまでツインを予約していたと思い込んでいたためここで自分へのデバフが入る。本当に自分のことが嫌になる(575)

また、ペーパーを切るなどの作業を終えていざ眠ろうとするも、まだ自分のペーパー作成をしていた友人が起きていることを除いてもなぜか全然寝付けない。部屋の空調がホテルによくある全館空調のため冷房にならない、暖房でも15度が最低温度というやつで、16度くらいまで下げているのに全然暑くて、結局一回も布団もシーツも体にかけずに終わる。
ベッドと壁の間に隙間があったので、ポケモンスリープのためにスマホをここに置いて隙間に落ちたら大変なことになるなと思ったのでヘッドボードに置いたら何一つ睡眠が計測されていなくて最低スコアを叩き出すなどした。でも実際にも全然眠れなかったから(体感五時間睡眠)正しいスコアだわ………もう知らない……………。

【当日】
天気(雨)のせいと、寝不足のせいと、おそらく体調の周期的なものの重ね技で翌日は朝から偏頭痛がある。つら。
朝食はとても良かったので、ありがたいことだ…ありがたいことだ……と念仏のように唱えながら、コーヒーが出てくるマシンでエスプレッソ一回淹れたあとに普通のホットコーヒーも一回分追加し、カフェインにカフェインを重ねがけする。普通に過剰摂取に近づくので世の中の人はやらないでください。偏頭痛処方薬セットを飲む。

ホテルの一階部分にデイリーヤマザキが入っているのだけれど、荷物を増やして雨に濡れるよりは会場入ってからのコンビニで買おう、と相談の上で決める。これは友人の出す配布物がローソンでのプリント登録を必要としており、ビッグサイト内のエントランスにローソンがあったからです。
だが自分の考えることはこの世の大半の人間も同じく考えることであり、またローソン自体の規模もかなり小さかったのでイベント特有のキャリーケースや荷物大きめになりがち人間が集結することで店内がめちゃくちゃなことに。これはかなりの反省点です。前日の時点で混雑を予想してイベント当日の食べるものとかは用意したほうがいい。当たり前のことを言いました。

一旦ローソン前で分かれて、それぞれがサークルチケットで入場してスペースで再会。
設営はもうコミティアで慣れたものなので楽勝ですわ……と本を置くスタンド を取り出したら、一番肝心の脚部分の板が入っていなくてスタンドにできず、面出し平積みで対応する。イベントのときに必要なのは書店勤務経験がある売り子の友人です。本当に自分のことが嫌になる(575、1日ぶり2回目)

いつもは複数種類の本があるのでレジアプリ(即売レジ )を使うが、今回は1種類かつ500円の明朗会計だったので特に何もせず。在庫の数を数えればいいの、本当に楽。友人だけをスペースに残す場合も「これがいくらで、あれが何円で、」とか伝言しなくていい。混乱が防げる。
念のためでお釣りの小銭は刷った冊数の全員が千円札で来たとしてもすべてお釣りを返せる分を用意。それほど必要なく、みなさん硬貨で支払ってくださる。ありがたいことだ………(3時間ぶり2回目)

開場と同時に友人だけをスペースに置いて、自分は人を傷つけても絶対に手に入れたいスペースを回る。いくつか開場直後不在のスペースもあったため、一旦自スペースに戻り。友人に頼まれていたグッズはきちんと得ました。友人はかまちが好きです。
訪ねたいけれどまだ到着されていないサークルさんなどの情報をちまちまSNSで得ながら、ちょくちょくスペースを開けては戻りを繰り返したことでおおよそのフォロワーと自スペースですれ違うなどをする。

途中で印刷会社の印刷見本がすごいよ!!!とフォロワーさんから急にカラフルなレンガの塊みたいになっている印刷見本(小口染見本だったので紙の束の側面が原色バッキバキに染められており、本当にすごかった。平行しか存在しない世界のルービックキューブってこうだと思う)を見せられて「今行く!!!!!!」ってスペースを出るも普通にもう在庫がなくなっていたりする。それはそう。あんなカラフルな紙のかたまりが無料だったら全世界がそこに集中してもなにひとつ不思議ではない。

伏線回収というわけではないんですが、開場してからしばらくも偏頭痛薬の副作用(筋弛緩、ふわふわする、頭がぼんやりする)が抜けていなくて基本的に人間に対してある一定の熱量を超えない平坦さで対応していた記憶があります。せっかくお話かけてくださったのに当たり障りのない薄っぺらい対応しかできず………すみませ………本当に心残り。あれは普段の接客業で培った「何も考えていない反射だけで出す接客業務上の表面」だったので、あの、失礼があってはないと思うんですがそもそもの立ち位置から礼を欠いているというか、そこに俺の意思はありませんでした。いままで別の機会で会ったことがあるなら別なんですけど、そうではない場合は正面にいる人間からの反射で反応する怪異であった。あと差し入れもすっかり忘れてキットカット配り歩いていたので、受け取ってくださった皆さまありがとうございました。賞味期限は2025年8月です。

弊サークルの出しているもの、「皆守と葉佩の間に特定の関係性がありますがそのすべてを限定していません」のスタンスだからめちゃくちゃ手に取りづらいとは思っていて、正直会場であんなに部数が捌けると思っておらず「おわ〜」と思っていました。なんかもうちょっとノベルティとかつければ良かったのかな……の気持ちは「友人の作った無配があるじゃろがい」でねじ伏せておきます。

以下反省点。
・寝な。眠れる環境を何が何でも確保しな。はい。
・偏頭痛はどうしようもないのでこれは引き続き対処すること。はい。
・荷物を確認しなさい。はい。
・赤ブーはセルフ出荷が楽だよ。はい。(でもこれに関してはでっかめのキャリーで行ったので逆に空のキャリーを引いて帰るのもなんだったので普通に今回みたいな場合は使わなくても良さそう)
つらつら
日記:測量船「光洋」の一般公開に行ってきました。

2025年03月09日、千葉県船橋市にてAGB5002「しらせ」ことSHIRASE 5002がチャレンジングSHIRASE2025第1回 を開催し、一緒に測量船「光洋」も一般公開するというので行ってきました。
「平洋」は以前、ビッグサイトの隣で一般公開しているときに見に行ったことがあるんですが、「光洋」は竣工してからずっと機会がなかったので5002さんには申し訳ないけれど、どちらかといえばメインは「光洋」みたいな気持ちで行きました。

京成線新習志野駅からシャトルバスが運行されているので、9時50分発か10時ちょうど発のに乗れたらいいなの気持ちで現地に到着し10時発(9時50分が到着時点で満員だったので見送られた)に乗車。会場へぼんやりと運ばれていったところ、見えてきたオレンジの艦と、白い船と………「平洋」もいるやないけ!!!!!!!
バスの中だったので必死で飛び出す大声を抑えてことなきを得ました。

人の流れが一旦5002に向かっていたのでそのまま流されつつ先に5002を見学。なんか以前より順路短い…ですか……?と思っていたんですがこれは私が順路というか入ってよかった場所をすっ飛ばして道を進んだ可能性が非常に高いです。すでに単独公開している状態になってから一度、訪れたことがあるので今回かぎりのものがあるわけでない一旦それはそれとしてまた来ます!の気持ちであとにし、「光洋」へ。

まだ公開開始して1時間前後だったので「光洋」にも人があまりおらず、道ゆく間ずっと海保の人に「公開やってま〜す」「こんにちわ〜」「どうぞ〜」って声かけられてておもしろかったです。むしろ5002降りた人のこと、スーツ姿の後方さんが待ち構えて「あっちで!公開やってますんで!」って声かけてたもんな。それに捕まったもんな。本当は「光洋」だけでもせめて………!くらいの意気込みで行ったので、なくても一人で向かっていってたのですが。

乗船口は苦手なタイプのあの梯子と階段の中間のようなタラップを上り、うっかり隙間から海面を見てしまったので「フョエ」みたいな声が出ました。基本的に高いところが苦手です。あと乗船してからも船橋(せんきょう。船橋にいる船の船橋、ふりがなが必須)までの階段が長くて「すごいひたすら登らされてる……おもろ……全てが新しい………」になっていました。船体自体がおっきいので廊下とかも思ったより狭くなくて新しい船の色をしていた……。

まずは船橋(操舵室)でいつもの(いつもの?)レーダーとか海図とか電子海図とか操舵室からの眺めとかを堪能するなど。最初どうやらレーダーがついてなかったんですが、私以外の人に真っ暗なディスプレイを説明していた中の人に別の中の人が「つけてないの?」「他の船近いから見てもあんまりかな〜って」「いいじゃんつけちゃえば」のような会話がなされ、点灯する瞬間に謎に立ち会うなどしました。そういう基準でいいんだ………。

あとこれは以前、別のタイミングで「光洋」を見学したフォロワーさんから教えていただいていたんですが、たしかに船内神社やそれに類するもの、ない!!!!どうやら最近の船はあんまり船内神社を設置しない(そもそも船体に直接神棚的な構造物が設置されているわけでなく、乗組員のみなさんの自腹で地元の安全航海関係の神社のお札などをおいておけそうな場所に飾っていることが多い)方針のようで、ないんだ………になりました。
最近の船、海保に限ってもいろいろなものがデジタル化されたり小型化されていて、操舵室の余白が多い印象があるんですがそれにしてもすごいすっきりしている構造の操舵室でした。ポットとコーヒーメーカーはあった(そういうところを見るオタク)

操舵室後ろの部屋は「わ〜〜〜〜〜測量船〜〜〜」という感じの海上重力計とかがラックに仕舞われている例の部屋(測量船見学者にしかわからない表現)、その後はずっと一番下の甲板まで登った分だけ階段を降りてひたすら階段を降りて観測準備室にいくという順路でした。

観測室ではいつもの(本当にいつもある)カップ麺容器が海底の圧力でひしゃげて小さくなっちゃったの展示があり、ひっくり返してみたら「拓洋」って名前が書いてあったのでその場で俺がひっくり返るかと思いました。か、借りてる!!!!!!!!!
でも説明文にも書いてあったんですが、最近は容器が紙製になっているのでそもそも容器自体が手に入らないということで、なるほどね………の気持ち。観測準備室には100均の発泡スチロール製レンガが置いてあったので、カップ麺容器にこだわらなければ自前でできるんだね……ふふ………借りたんだ、先輩に。擬人化勢にそんなに優しくしていいのか?(自意識過剰)

「光洋」で聞いた主なへ〜のポイントを忘れないうちにメモします。
・昔の測量船は一隻でオールマイティになんでもやっていたが、いまは「平洋」が海底地形、「光洋」が海底地質調査による海洋公益の確保など役割分担がされている。
・役割分担がされているので載せている装備品も色々違うし、「光洋」は日本海と沖縄(わかるよ)あたりに出向くことが多い。
・HS11「じんべい」(『拓洋』を母船としていた)は「光洋」に、「平洋」に載っている黄色いやつは無人機(これは知っている情報だけど教えてもらったので)
・エナメル線がついているランチャーで発射する観測機器(名前忘れ)は使い捨て。別の機器は同じように使うけどちゃんと回収する。
・船からケーブルを伸ばして観測し、ケーブル長が3000mあるため、ケーブルの後ろに小さくて黄色い船状の構造物をくっつけてそこからレーダーを出し周辺航行船艇に「この船からケーブルがここまで出ているので間を横切るな」というお知らせをしている。横切られるとケーブルが切れるため。
・すべての観測は音でやっている。海底地形からの音の反射で把握している。
・採泥器も複数種類持っている。岩の表面を削り取るようにして採取する機器、名前がわからなくて写真画像を見た印象の「このあみあみのやつは……」って訊いたら一生「このあみあみで」「あみあみのやつで〜」って同じ言葉使ってくれて中の人がこっちのレベルに合わせてきてくれる優しさを浴びた。
・順路表示の紙の「こちらへお進みください」の下に「こっちだよ〜」(原文ママ)て書いてあって好きになった。一生健やかでいてほしい。
・展示品の解説してくれる中の人が急に「実は普段『平洋』の乗組員だからこっちの装備品があまりわからない」みたいなこと言い出して「お兄ちゃんから人手借りるんだ!?!!!」になったし、「助けて〜」って人を借りに行く末っ子、あまりにも末っ子。
・3000mあるケーブルは投入するときに4時間、回収(巻き上げ)にも4時間かかるし、人海戦術でケーブルを横並びになって送るらしくて「8時間労働発祥の地とかいけない感じ?」って思いました。ちがう、船はワッチ(交代制)だからそのへん大丈夫なはず。でも3ワッチ体制としても8時間の勤務の半分ケーブルの出し入れに取られるのエグない!?
・船の前に広報テントが出てたんだけど、テントに堂々と「横浜海上保安部」って書いてあって「借りたの!!??!!!」になった。一応、千葉海上保安部の船橋分室があるはずだが……?なんで横浜から………?
・うみまるくんは白くて綺麗で新しめ個体でした。かわいい。

つらつら
映画感想:ドウェイン・ジョンソンが世界を救えなかったら、もう誰にも救えないってわけ………
人間に大事なのはフィジカル、盤石の基盤は肉体。そんで次に精神。いやわからん、の映画「レッド・ワン」を観ました。以下すべてがネタバレ。#映画感想

元旦にクリスマスの映画観てるの?!というのはさておいて、ドウェイン・ジョンソン好きなので観るかい……と軽い気持ちで観たらあらゆる要素が次々襲いかかってきて情報量の多さに「うわ〜〜〜!!!!!!」ってなりながら最後泣いて終わりました。すごい良い映画だった。映画ってこうだよ、というのと、人間の善性、信じようぜの映画だった。

神話だなんだいっても結局ベースは生きている人間の文明の延長なので、本編を通して思ったよりもギミックがあっさりめなのかなという気はしましたが何せこれは「ワイルドスピード」とか「ブラック・アダム」ではないので良いんです、ね、クリスマスだからね、全部良いんですそのくらいの塩梅で。
個人的にはガラスドームに入っちゃった魔女さんのこと連れて帰ってあげてよ!て弟(クランプス閣下)に思いましたが、その辺はまあ元カノって言ってたし、まあ…そこは個人個人のあれなので………はい…なんも言いませんはい………クランプス閣下の乗り物、系統がLotR実写版のモルドールデザイン系統ですごく好きでした。でもエンジン部分の脇に人の顔そのままついてるのデザイン的に何故かツボってしまってめちゃくちゃ腹筋に力が入った。いえ、自宅で観ている配信映像なので存分に笑ってかまわないんですけれども。

クランプス閣下、ドイツ語圏の人が喋ってる英語でよかったな〜〜!!個人的な好みの話ですが俺は英語を第一言語としていないひとが発音する英語発音(「r」のニュアンスとか)に興奮するのでめちゃくちゃはしゃいだ。大喜びする。最高。えっ、どうしてクランプス閣下が悪い方なんですか……どう考えても良い人がいきすぎて悪い方にいったパターンじゃんこれ……俺も信号無視する人間とかポイ捨てする人間とか普通に嫌いですし………になり、わりと考え方としては魔女やクランプス閣下側なの新年初ウケでおもしろかったです。
でもそれを正直に直接的に罰したところで意味がないし、人間社会が人間個体の集合である以上なにをどうしたって折り合いをつけて「バチがあたれこの(とうてい人様の耳目に触れさせるわけにはいかないことば)」とか吐き捨てつつ生きていくしかないんですよね。彼ら彼女らはおそらく神話に登場する半神存在である以上、人間ではないものとして区別されてしまい、それゆえに属している高潔さが良い方を向くか悪い方を向くかの違いで神と言われたり悪魔と呼ばれたりする側なので、そうなのだな、そうなのだろうなあと思いながら観ていました。
あの辺はもう少し噛み砕くと魚の肝を食べるかどうかの好みが別れる、みたいなほろ苦い味がする。

なんでサンタクロースに牛乳とクッキーを用意するのかの理由づけすごい好きだったな〜!
サンタクロースがクリスマスの夜に世界中の子供にプレゼントを本当に配るんだよ、という大前提を絶対に崩さないという意気込みを感じる細やかな伏線の散りばめ方と気持ちのよい回収を見せてもらえて大変に𝑯𝑨𝑷𝑷𝑰𝑵𝑬𝑺𝑺...そしてその間にほんの少しずつ覗く大人側の「子どもたちへの責務を果たせない自分」に対しての忸怩たる思い、大人であっても本来見えるはずの子供の姿が見えなくなった、与える役目を与えられた側からの目線の描写、新鮮でしたね。そうか、あのひとたちは子供の姿を見る必要があるのか。そうか。そうだな、俺たちはもらってばっかりで、そうか、気づけていなかったな、というのがすんなりと納得できるのは話の作り方が上手いなあ。

道路に急に置かれていたグランドピアノがヤマハでちょっとふふ……になり、そのピアノが演奏している曲はそれでも人間の文化の中でしか生まれ得なかったし、そもピアノという楽器だって何故か急に与えられたりしていない人間の文化の中のものであり、とかく神話だなんだいいつつそれらはすべて人間の社会の中にしかないんだよ、という寂しさがずっとあったり、だからこそサンタクロースという非現実的な文化が広く世界中に受け入れられているのだろうし、誰だって誰かから救われたいし与えられたいんだよな、というところ、噛み締めました。良い映画だった。

職場の映画観る同僚さんからも「グラディエーターを観ろ、とにかく観ろ」と圧かけられているのもあるので、今年もいっぱい映画を無理ない範囲で観ていこうと思いました。良い映画だったな〜〜〜〜〜すきです!!!!!!!!!
畳む

つらつら
文学フリマ東京39に行きました。
タイトル通り、文学フリマ東京39 に行ってきました。イベントへの一般参加が久しぶりすぎて、入場の動線や「チケットとリストバンドの引き換え………!?」(これはサークル参加でも発生する事象ではある)とか、一般入場者をぐるっと入り口から遠くへ迂回させるやつとか、リストバンドをつけるスペース(コミティアは自スペースで装着するように指示がある)がそこまではっきりないとか、終始「おわ〜〜〜〜〜!!!」って言ってました。本当に声に出ていた。

大好きWebメディアサイト「デイリーポータルZ 」さんが出店するというのを急に知ったので急に決めた参加であり、前日まで連勤をこなすなどしていたため体調が基本的に低迷しており、服用した酔い止めの効果もあいまってふわふわのふわで人混みに負けて一時間で帰りました。

そもそもイベントへの一般参加が久しぶりなのと、文フリという初対面のイベントへの想像がつかなかったこともあって会場の混雑や動線の悪さ(後述)などに揉まれたのもありつつ、目的としたスペースは訪れることができたのと、歩きながら気になったスペースで気になった本を買うというイベントならではの体験もできたので、滞在時間は短いながらとても内容の豊かな参加になったと思います。

あとは本当に体調だけ………!サークル参加する時は当日が早起きなのもあって前後に休みを取得してから挑むのでそのへんの塩梅が全然わかっていませんでした。次回以降があるとしたら反省点です。
前日も夜まで仕事であったのでお金をおろしたりするのも全部今朝やったし……もうちょっとお札を両替していけばよかった………ぎりぎり手持ちの千円札でやりくりできたので幸いでした。

エッセイとか小説などがメインなのかな、と勝手に思っており(私の思う文芸のそこはかとない浅い印象がバレる)、実際に訪れてみたら詩歌のスペースがかなり多くて嬉しいびっくりの連続に見舞われるなどしました。自分も短歌を詠むくせに詩歌を文芸と認識していなくて(シナプスがつながっていない)なんとなく独立した意識でいたんですが、そうか、短歌の外側の大きな枠は文芸でも機能するのか。

文芸フリマが「作り手が「自らが《文学》と信じるもの」を自らの手で販売する」(公式サイトより引用)である以上、地球の所属が太陽系であるように短歌の所属を文芸としてもよいのだな……という新しい発見を得ることができたのは大きかったです。

前述の動線の悪さはあくまで主観での印象でありますが、スペース間(出店側が座っているいわゆる「机の内側」、背中合わせになって荷物とか置いてあるところ)が広めに取られており、そのわりに対面するスペースとの間(実際に一般参加者が通れる通路部分)が狭いためスペース前で立ち止まるとその通路がほぼ塞がるという事象がそこかしこで起きていました。

フォロワーさんとご一緒していただいたんですが、フォロワーさんが気になるスペースに立ち止まった隣に自分が立つと完全に道を塞ぐため一旦その島から出る必要などにたびたび見舞われ、会場内にいくつか確保されている大きめの通路に面しているスペース島ならまだしも、島中のスペースなどはけっこう立ち止まってもらうのが難しいのでは……と普段机の中にいる身としては勝手にじりじり焦燥感を抱いたりしていました。

どうやら文フリは以前までビッグサイトでの開催ではなかったようなので(イベントが存在することは知っていたのですが、前述の理由でぼんやりとしか観測しておらず開催場所も把握していない)、これは今後もし同様にビッグサイトでの開催の場合に改善されたらいいなあと思うところです。
実際、島の端スペースにサークル参加者と親しげな雰囲気の集団が固まっていることで通路を圧迫する場面に遭遇して確実にそこで流れが滞っていたりするのを見たりしたので……あの人の波を乗りこなすのは大変ですよ………。

総評としてはお天気もよかったし、今後への学びも得られたし、おもしろそうだなと思っていた本も実際に手に取れたし、気になった本への出会いを信じて買うもできたのでとてもよかったです。あとは、体力だけ本当に。がんばろうな。

ダメなオタクなので欲しいと思った本の在庫をスペースの方に訊いた際に「ありますよ!こっちの別の本とセットですけどいいですか?」と嬉しい予想外に遭遇したとき「えっ、こっちもついてくるんですか、助かります!!!!!」って元気よく答えたの本当にダメなオタク仕草が出たなという反省でこの感想文を締めます。
オタク、すぐ助かるから…………でも嬉しかったので…………。
短歌,つらつら
第2回カクヨム短歌・俳句コンテストの予選突破していたことに今日気づきましたの話。
応募するだけして、特に連絡もなかったのでそれはそう!と思って特に結果を確認していなかったんですが、今日なんとなく見にいってみたら予選突破作品に名前があってびっくりしたという話です。
いつかページは消えるかもしれないのでスクショを撮りました。へへ。これからなにかの肩書きに使える時は使おうと思います。

第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト
https://kakuyomu.jp/contests/tankahaiku_...

応募作品「いまこの瞬間、宇宙の旅」
https://kakuyomu.jp/works/16818093078914...

つらつら
映画感想:愛と憎が表裏一体紙一重であることを「トランスフォーマー/ONE」で学べます。
思い出せ、すべてのかつての俺たちの愛を。新手の教材の宣伝みたいになるしかできない。すべてがネタバレ。#映画感想

TFシリーズは実写版だけ観ては登場する無機物にキャッキャしている、あの世界観における人間の命の軽やかさをスナック感覚で楽しむ最悪人間性を持っている俺ですが観てきました。もうすんごかった。推しから最悪のファンサを受けた(ファンサか?)過激派のオタクが闇堕ちするのは当然、みたいな話をされているのと並行で、隣にいるかけがえのない友人とのどうしても修復不可能な決別を描かれていてもうどうしていいかわからなかった。どうして。

あまりのことに思わずTwitterでも先走ったのですけれど、オライオンパックス(プライマル)はさあ、なにか悪意を持って自らの大切にしたいものを害してこようとする勢力が越えてはならない一線を越えたときにそれを押し返せはすれどそれ以上は深追いをせず、必要な忠告(それは必要である暴力や戦闘を伴う)をした以上はやり返すことをするつもりがなくて、それで良かったんだよな。
でもD-16は根っこのところがそうではなくて、でもそんな根っこのところを曝け出し合うほどの自由が彼ら彼女らにはなくて、生まれる前から奪われて生まれた後も奪われるだけ奪われて、消費されていくしかなかった彼ら彼女らがその空っぽの胸中に核を取り戻したときに初めてわかるのだよな、そんな深い深い魂の素質の部分の話なんて。

あと書いていて気づいたんですけど、つまりメガトロンだけ自分の生まれながらに持っていたコグを取り戻していないんですね?そんなことある?彼だけが偽りの核をその強大な力として持ち合わせているということ?なん………………………なん…っっっっだそれ…………………………最後のコグが定められた主のところに戻るような描写を屁理屈の根拠とすると、本当に奪われてはいたけれど失われてはいなかったコグを、メガトロンだけが自らのものを取り戻せずにいるってこと…………????おい……おい……………そんな………………………。

でも実写版のあらゆるメガトロンとオプティマスプライムの間にある執着が「なんでそこまで(笑)」から「どうして…………………………」に変わったので本当に良かったです良くないが?!!!!!!!!センチネルプライムの声をあてた俳優さんが好きなんですけど、ずっと楽しそうで本当によかったです。「グッドオーメンズ」のチャラけた大天使の演技大好きだったのでその路線がたくさん見られて𝑯𝑨𝑷𝑷𝑰𝑵𝑬𝑺𝑺...でした。話を逸らしました。いやほんとうに。どうして。

ただ考えるとコグがなくても個人個人(個体個体?)の性格や考え方に違いがあり、けして画一のものではないのを見る限り、彼ら彼女らの性格の由来となるものはおそらくコグ自体には宿っておらずそれ以外の金属生命体としての仕組みにあるのであって、変形を司るコグの有無があそこまでの格差を生み出すのであればコグそのものはより深くて強いアイデンティティを彼ら彼女らにもたらすあくまで仕組みの一つなんだろうな。
他人のコグを入れちゃっても適合するわけだし………あの辺ちょっとびっくりしたけど金属生命体という人間とは違う生き物の生態が垣間見えてとてもよかったです。あとあの鹿っぽい生き物もよかったですねえ!あの荒れ果てた地上で生きるのに最適化されたかたちがあれなのかな。美しいな。

そう、地上に出たとき、あのとき全員が地上の風景をみて「美しいな」と思ったんですよね。思ったんですよ、D-16も。でも彼はもうたぶん同じ景色やあのような情景に出会っても二度と「美しいな」とは思わないんだろうな。思ったとしてもそれ以上の破壊願望がそれらを塗り潰してしまうのだろうな。彼はあれから積極的にそういった感情の動きに自らも強い自制と蓋をしていく行為を強いていくはずなので。あーあ、どうして………。

でもわかるよ、ずっと信じていたものが一瞬で崩されて、ずっと信じていたものが急に失われてじゃあちゃんと地面に足をつけて生きていってくださいねと急に提示されてどうしたらいいのかわからない気持ちは。ずっとルールに従って、たまに隣の友人のバカに巻き込まれて毎回毎回後悔するけれど本当に憎たらしくはなくて、人が好くて、だのに、だのに………となったとき、直感的であれ規則を破ること、自分の信じているものが揺らいだときに次の地面を見つけられることが少しだけ経験でわかるオライオンパックスの方がほんの少しだけそういう事態に対して自分を保てているの、本当に皮肉で、D-16はきっとそれも憎たらしくなってしまったんだな。自分にないものを持っている存在というもの。D-16だって自分というものを持っていなかったわけではないし、だからこそあんなにもセンチネルプライムに対して果敢に立ち上がり立ちはだかり続けていて、あのときの彼自身はその胸中を除けばたしかにプライムとして認められる素養だってあったはずなのにね。本当に表裏一体で紙一重のところにずっといたんだね。

ところでビーが本当に始終うるさくて最高に可愛かったです。あれが実写版におけるあのビーに………?!ビッグヤバトロンのくだり本当にやばすぎて劇場で大声出るかと思った。あの世界観における一粒の清涼剤……でもあのビーも結局は戦士として同じ生命体を屠る存在になっていくのだよな……ああ…………どうして…………どうしてあのエネルゴンがまた湧き、流れ出る青く美しい星があんなことに……いや全部センチネルプライムのせいなんですけど……………。

エアラクニッドさんの複眼が個別に動いて一列なの、えっちでだめだと思いました。うわ〜〜!!!!!!!!!!!!
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つらつら
映画感想:地球上のあらゆるものごとは地球が先、人間が後を「ツイスターズ」で味わおう。
使える映画チケットが今月末までだったことに昨日気がついて慌てて予約したんですが、そんな慌ただしさの中で予約する映画じゃなかったです。全てがネタバレ。#映画感想

竜巻の映画である、ということと、竜巻を追いかける科学者やそれ以外の人間集団がいる、ということと、人生がお祭り騒ぎ続行中になった直接的原因映画「トップガン マーヴェリック」に出ていた俳優さんが出ているために決めました。竜巻の映画、本当にただそれだけなんですけれど、そもそも自然現象ってたまたま発生する場所に勝手に人間が繁殖していっただけなので、自然現象を人間側がどうこうできるわけもないと思っているんですが、ただ俺たちが常日頃あまり意識はしないものの地震や台風に備えているようにやってくるときは本当に突然で、出会ってしまえば根こそぎ失ってしまうから「防ぐ」と言う意味合いで立ち向かう必要はあると思っています。という思っているを抱えたまま観たら作中で完全に同じことをやっていて「だよなあ……」ってなりました。

ケイトが本当に雄弁に表情で語る人間で、あの悲惨な事故(事故?なんだろう、事故でいいのかな、もっと違う言葉が相応しいような気がする)から逃げ出すようにニューヨークにいて色味のないスーツを着て職場ではまあそこそこうまくやっているけれど本当のところはずっと遠くにあって、そこにふと現れたかつてのチームメイトからレーダーの話を聞いたときの少しだけ見開かれた瞳にさっと美しい光が照り返るあの表情、本当にすごい。
冒頭で起きたできごとを起因にして自分をずっと苛んできて重くのしかかっている何か、自分で「永遠」と決めてしまった苦しみがありながらも揺れ動いた心があの一瞬で全部わかる。そしてそれは正面にいたハビにも明確に伝わったはずで、ハビはきっとケイトのそういうところが好きだったんだろうな………と最後まで観ると思います。ハビ……良い人間だよ…………。

いやしかし竜巻、無理すぎませんか?あまりにも。自然現象として到底勝てない。勝てないけどそこに生きていくしかなかったらそこで生きていくしかない。日本だとまあまあの頻度で地震があるので建物だって耐震基準とかあって、もちろんそれすら上回ってしまうこともおおいにあるけれども、耐震基準のしっかりした町営住宅に住んでいた祖母が北海道胆振東部地震の震度6強地域にいて建物が無事だった経験を持つ人間としては構造がしっかりしていればある程度(本当にある程度。過信には至らず、常に備えは必要だと思うけれど)、ある程度の安心材料として機能するんだなという認識はあって、でも竜巻は違う。全然違う。そう言うの関係なく全部根こそぎ持っていく。どうした重力、お前もっとなんかしっかりせえよって思う。怖い。本当に怖い。本当にすべてが失われる、文字通り、すべて。

それだけの恐怖を描いていながらも、人間が自然現象の圧倒的な力に対して抱く美しいと思う感情を否定しない物語のバランスが絶妙で好きです。好きなものだから知りたい、メカニズム解明したい、の欲求の先に人間の善性が乗っかると竜巻を消滅させたいになる。そうでない場合のことは作中でははっきりとは描かれなかったけれどうっすらと匂わせるだけには十分な情報が与えられる。不動産って本当に嫌われる要素を抱えた商売ですね、人間が地に足をつけて生きていく限り。スコットたちはあれからどうしたんだろう、いつか自分たちの中に決定的になかったもののことに気がつくんだろうか、ハビをチームから失って。

ケイトやタイラーのように恐ろしい威力を持ったものに対して向き合っていきたいと、恐怖の前に思った人間たちがいるからこそ得られる情報というのは確かにあるだろうし、そこは常に危険である最先端なのでもちろん危ないことも多々あるのだけれど、我々は直接的に知り得ない彼ら彼女らの行動によって救われているところがあるのだろうな。あぶないことはあんまりしないでほしいけど、他人の人生には何一つ口を出せる部分はないからな、人間全員が。そういう意味ではケイトのご母堂、かなりケイト本人の意思を尊重して言いたいことがいっぱいあるだろうに人間対人間の関係を維持しようとしていて本当に良かったです。この文章を書いている人間は家族といえど他人なので人間同士の間に必要な最低限の敬意を持て、という家庭環境で育ってきたので、あの振る舞いはグッとくるものがありました。粗雑だったりするわけじゃないんだよね、本当に大事だから心配だけれど、その心配や「家族である」という関係性の要素は、その人を尊重するときに場合によっては引っ込めておかねばならないんだよね。
自分は一生自分の肉体から別の命の個体を抽出することないんだろうなと決めてしまっているのでわかりませんが、俺は自分の親しい友人やなんかがケイトの状況にあったら本当にものすごくものすごく心配するし、毎回毎回世界中のあらゆる神様やそれに類するものに無事を祈るけれど、たぶんどこかでずっと覚悟をしているし、お腹の底の方にはずっと力が入っていることになるんだと思う。あのご母堂はずっとそれをやってきているんだな、ろくに連絡もよこさない自分の娘に対して、ずっと。本当に良い。

タイラーのチームも本当に良くてさ……ベンも含めて……。一見はやりのYouTuberでライブ配信者で、自前のグッズもやたらあったりして、ドローンなんかも駆使していて、竜巻のなかで花火を打ち上げたりするようなめちゃくちゃチーム(やっていることは本当にシンプル無茶で苦茶です)なんだけどお互いへの敬意と尊重があって、さっきからずっと人間対人間の敬意と尊重の話してるな、俺。いやでもとても大切なことで……。
好きなところはブーンがタイラーに「いま考えてるから撮るな」と言われて素直に引くところと、ベンが最後に自分のカメラを置いて避難誘導に駆け出すところと、ブーンが持ってるなんか変なガジェットです。あの撮影用ガジェットがあることで一瞬で「こういう機器を使うことも厭わないです」という姿勢を見せるのあまりにもノンバーバル言語がうますぎる。
ベン〜〜〜〜〜!おっかなびっくり水溜りすら爪先立ちで避けながら恐る恐るだったベン〜〜〜!!!!!あのときのケイトの後ろ姿を撮る気持ち、わかるよ……そんでそのカメラすら置いて住民の非難誘導に走るベン………好きだ…………………………エンドクレジットの端々に挟まれる記事、あれはベンが書いたんですよねたぶんね、そうやって彼ら彼女らのことを伝えていこうと決めたのだ……ベン……メガネの予備は作っておきなよ……メガネ必要人間、失うと視界の全てを失うから…………。

ケイトとタイラーも同じものを見ている同士で本当に良かったですね。頭が良い人の会話は聞いていて心地よい。最初は意図してそう描かれていたのであったように「なんやこいつ……」の気持ちが強いくせに、ロデオ会場からひとびとを避難させるとき絶対にタイラーはその人の背中に自分の手を当てているんですよね……気遣いの…当たり前としての気遣いのふるまい………!!!!その前も犬を探すことを優先するし、そのときはブーンだってカメラを置いている。チームの役割分担が本当に自然にそれぞれの得意なことで分けられていて、全員に善性がある。良い。あのあたりからハビとタイラーの対比における表面上の風向きが変わりだすの構造としてうまいなあ。
でも一概に竜巻に巻き込まれて失った土地をいくらかの金銭で手放すという判断も完全に悪いわけではないのだよな……ああいうときにまとまった金額ってどうしても必要になるし、保険だなんだはあったとしてその支払いが充分で即時に行われるかというとそのときにならないとわからないし、それでいえば売買時の契約内容によるけれどある程度の金額をポンと出してくれる不動産屋さんはその場その場で適切であることもあるんだろうという想像はできます。ただ、自分の生まれたところが定住することを前提として文明を発達させてきていた場合、その土地を簡単に離れられるかと言う課題はもちろんある………この辺はもう行政の話なので触れませんが、作中でもたぶんそういった余白のために(尺のためにと言ってしまってはあまりにもだから)不動産側を徹底した悪とは描かなかったのじゃないかな。わかりませんけれど。

ところでタイラーくんはちゃんと空港のロータリー道路の修繕費用、払いましたか?あそこだけ急な行動力が爆発するから最後の最後で大爆笑しちゃった。大好きです。

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