2023年12月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

今後のイベント参加のこと

Twitter(頑なにこう呼ぶ)の方では少し言ったんですが、今後、少なくとも2024年に参加するイベントをコミティアに絞ろうと思います。
理由はいくつかあって、擬人化王国とコミティアの開催日程が近い場合(最悪隔週とかになる)に宅配搬入の都合や、単純に体力の回復具合、仕事の休みが取れるは取れるけど有給日数の残りをギリギリしながら気にしつつ……などの細やかなストレスを一切合切放り投げてみようと思ったためです。

おそらくではありますがもともといわゆるコロナ禍(この言い方なぜか微妙にずっと好きになれなくてCOVID-19とかたくなに呼んでしまう)でずっと溜まっていた細やかかつ無視できないものが、ここ最近の活動の再開とともに整合性が取れなくなってしまい、一次創作より二次創作に傾いていたりしたこともあってご覧の通りこのサイトもサイトと言いつつ映画感想ブログみたいになっています。みすでざにもよくわからない話をぽつぽつと投げているし。

ここらで少し活動量を減らしてもいいのかな、と個人的には思った次第で、なんとこの文章を書いている人間はこうと決めてからの行動力と速度が爆裂に速いことで有名だったりします。ここにそう決めたから、そうします。本当にそれだけ。とても元気にやっています。

つらつら

2023年11月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

映画感想:いいから飛行機に乗る人間は「ロスト・フライト」を観て衝撃防止姿勢の大事さを学べ。
そして姿勢を取れ。姿勢をとらなければ何も始まらないから。#映画感想

ベルト着用サインの重要性とそれを遵守する大事さと緊急着陸した機体からすぐに離れるべき理由が全部いっぺんにお出しされるので実質「ロスト・フライト」は飛行機の緊急時の安全ビデオと言っても過言ではない。明らかに過言。いやでも言い切れないよ?!な映画でした。

いろいろな映画にありがちな「実はこんな秘密が」とか「国家の重要ななにかが」とか「主人公の衝撃の過去が」とかそういうの全然なくて全部実直にこれがこうでこうだからこう!!!!!って話が進むので大変良かったです。
なんでいちLCCの危機管理担当が傭兵集団にコネクションがあるねん、と思いましたが公式サイト見たら「外部から元軍人の」というくだりがあったので着席しつつ、だからなんでいちLCC会社に元軍人の危機管理担当へのコネクションがあるねん、とは思ったけど真っ当な人間をやっていて良かったです。
みんな、新年なのに仕事してえらいね……という一般社会人(元旦は店が休みだから強制的に休みだが、大晦日も二日も仕事があるタイプの接客業)からの変な連帯感がありました。使っている端末がほとんどWindows端末(Dellとsurfaceはあった)だったのに現場にはiPadが配られていて、あの会社のIT部門のひとめちゃくちゃ大変そうだなって思いました。ファイル共有とかいちいち文字化けしてそうで大丈夫なのかな。あと機長さんの使っていたiPhoneはおそらくiPhone 13 Proです(気持ち悪い特定)、娘さんはPro Max使ってるあたり、かわいい(???????)一緒にApple Storeに買いに行ってくれ。かわいいから(??????????)
細かいところなんだけど新年前後のフライト、管制塔とのやりとりでも機体側と管制官の間でお互いに「Happy New Year!」とかが飛び交うのでちょと期待したがそんなことはなかったですね。あれも場所と人によるからね。かわいいね。

冒頭、サーフボード抱えて「遅れちゃう〜」って言ってた乗客の二人の後ろから「遅れちゃう〜」って機長が小走りで駆け込んでくるのギャグすぎてめちゃくちゃ笑っちゃった。LCCとはいえ機長は定刻で来てくださいな。おもろすぎて劇場じゃなかったら手叩いて大声出してた。
でもだんだん「余計なことをした人間から死ぬ」とか「誰もいないと思ったところで急に後ろからくる」とか、ホラー映画の文脈になってきたので実質ホラー映画だったとしても過言ではない。過言。はい。
PG12なのはあれですかね、首が…落ちるから………?直接見せないけど、引きずられていく遺体からぽたぽた血痕が等間隔で滴るさまとか良かったですね、映像での説明がうまい。

俺は無機物のオタク飛行機部をちょっと駆け抜けてるので、なぜ緊急着陸時に燃料を投棄するか、また飛行機の燃料は両翼に積まれているということを知っているし、着陸して機体が停止した後に急いで離れる必要がある理由も知っているんですが、事前情報なしにあれを見たひとたちがちゃんとその辺を全部わかるのかという疑問を抱いたけど、すごく自然にさらっと短いセリフで提示されていて映画作りがうまい……になります。
回収できないくらいの余計な話が広がらなくて、その場その場の緊張感もしっかりあって、機長さんが初めて人殺しに加担した(その前に乱闘で首を絞めていましたが……)あと「あ〜〜〜〜〜〜〜〜」みたいに葛藤しているのも短いながらあって良かった。
最初は静かに語尾が消えていたファ………も中盤からしっかりとFからKまで発音されていておファック部お嬢様たちの可憐な言葉遣いが堪能できましたね。にこやかになりました。これはツイートもしましたが、俺は全然英語喋れん人なので、あんな状況で銃突きつけられてジェラルド・バトラー顔の人に「英語!喋れるか!!!」て叫ばれたら「ミ゜~~~~~~~~~~」って高音を喉じゃない場所から出すことしかできないのであの人は頑張りました。死んだけど。ハズフォールンシリーズでもあったな、あれ。あと余談ですが俺も接客時にお客様から「英語……話せる……?」って聞かれた時「リトル!!!!!!!」って元気に答えるからより他人事ではなかったのかもしれない……ちょとしか…しゃべれない……聞き取りは……ややできる……………。

現地(?)のひとの英語も多国語話者が最低限必要に迫られて学んだ英語って感じで大変良かったです。謎の言語部分に反応するオタクだから……それで言ったら冒頭のデレと貴重の出身地やりとりもアイルランドの人だから香港出身者とブリテンこき下ろし調で喋って許されるのか……?という感じでこれは笑っていいのかわからなかったところですが、ちょっとおもろかったです。俺は得てして考えすぎ人。

あと武装組織のリーダーが、身内を殺されて嘆くのに身内の枠を出たら何一つ人間に対しての態度してないの、一貫して井の中の蛙でよかったです。申し訳ないが機長一人で揺さぶれるのはせいぜいがその会社くらいであって、その会社もアメリカという国からはおそらく切り捨てられるし、アメリカという国は機長一人の命についてはその判断を迫られたら切り捨てるよ。
それを把握した上で「世界が俺に従う」といっているならあまりにも知っている「世界」が狭すぎるし、過去に複数回の成功体験があったからああいう身代金目当てのことを続けているのだろうし、政府当局へのつながりもあるのであればきっと累積の金額はそうとうなものだったろうし政府要人も何回か攫って殺しているんだろうなあ……そういう小さな痛手の積み重ねで現状を維持し、徐々に自分達へ都合のいい金や武器の周りを積み重ねていっている途中で肥大した人間の振る舞いがあってよかったです。
その中で「自分の身内の喪失が、他人にも同じように起こり得る(そしてそれを引き起こしているのは己である)」という認識が欠如してるの、ああいう治安と倫理の終わった地域を統べる位置にいる人間として必要不可欠な認識欠如要素なのでそのあたりも満面の笑みでました。細かいところの解像度が高すぎる。

全編通して一番頑張ったのは飛行機くん、次に仕事したのが黒電話くん(死んだ)、一番大事なのは飛行機に乗ったら安全のしおりを熟読し非常口の位置を確認し、非常時には乗務員の指示に従い、衝撃防止姿勢をとり、己の荷物については見捨てる覚悟をし、いざというときに己の身一つで走り抜けるというフィジカルの強さであるということが改めて確認できる、いい安全確認映画でした。生き残っていこうな。
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つらつら

映画感想:「ゴジラ-1.0」の端数の部分。
※観たのは2023/11/9です。
事前情報は劇場でかかる予告映像くらいで、特にゴジラシリーズ全般もあんまり知らず(なんなら怪獣映画は「モスラ」シリーズくらいしか知らん。あとガメラ)、「シン・ゴジラ」とモンスターバースの「ゴジラ」シリーズを履修している程度の人間の感想。#映画感想

今回のゴジラの造形、背鰭がウニみたいにとげとげしてて全体がむきむきむっちりで可愛かったですね。俺はすいませんがだいたいの特徴を総合して「かわいい」に収めがちなのでその辺が合わない人はこの辺でこの文章を閉じていいです。

エンドクレジットに推し官公庁たる海上保安庁の名前をありがとう!!!!!!!!!!!!!!ってエンドクレジットで一番良い笑顔出しました。いえあの、予告の時点でも海図だなこれ……みたいな投影がちらとあったので、欲を言えばその辺でちょろっと気配でも出てくれないかな〜、まあ戦後すぐくらいの話らしいので1948年(昭和23年)発足の海上保安庁はまあ出なくてもまあ………みたいな未練ですらない淡い気持ちでおりました。ら!!!!!!!!!!!ちょっと!!!!!!!!!!!!!!名前!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
本当にありがとうございました………途中、ゴジラに向かう最後の作戦会議で机の上に広げられた海図の左下端っこの方にめちゃくちゃ印鑑いっぱい押してあったのふふ……になりました。あれ、海洋情報部の展示で見たことあるなあ………、記憶が捏造されているのかもしれないけど、機密の度合いとかも基本は判子で示されるのでね……ふふ……………ともあれ、クレジットに名前ちゃんとありがとうございました。

あの世界、海上保安庁発足するのかな。もうなんていうか官公庁がそこそこあった一帯がだいたい壊滅しているんですけど大丈夫なのかな。そもそも海上保安庁の発足も北九州あたりでの密航や密輸入が度を越してきて(海軍解体により海上警察機構が公的には滅んだため)やばいね、ってなってGHQが「なんとかしんしゃい」て言ってきたところから始まるんですけど………。
あと海保のオタクを浅瀬でちゃぷちゃぷながらやっている身としては海保発足後も海軍出身者と海運(民間)出身者でソリが合わなくて大変だったみたいな話をよく聞くので、あの人たち全員海軍出身者だしそれが「民間」って言い張ってるのをなんともいえない顔で見ていた自覚はあります。あの…………あなた方を民間と言ってしまうと最後の方で来てくだすった曳船のみなさんの…立つ瀬が…………………でも水島くん以外、特に曳船隊の人たちがゴジラに敬礼してなかったのはよかったですね。

というかあの敬礼も全然意味がわからなくて「????????」だったんですが、あれは海軍のことを知ってたりするとなんかわかったりするんですか?最初から最後まで理不尽に踏みにじられた敵側だったじゃん……?それとも米軍の艦艇も沈めてくれたから?それなら人間最悪性がすぎるし政府に人のこと言えんが……それとも初代からシリーズを踏襲していたらわかるものなんですか?全然わからん……ゴジラ自体もビキニ環礁での実験で巨大化した?のか?という推測はできるけどそれより前に存在して元気にやっていたし、小笠原諸島とビキニ環礁だいぶ遠いですが……みたいなこう……たぶんこの辺は初代シリーズからの履修が必要な気配を感じています。なんというかこのあたりは俺があの作品におけるゴジラの意味合いと立ち位置を全然把握できていないからな気がする。
基本的にすべての怪獣事象は自然現象と同じだと思っていて、人間のことわりではまったく関係ないところから急に出てきて通過していく、その通過に人間が巻き込まれているだけという前提でいるのでこう…人間とゴジラ……みたいなところを把握するのにあまり良い視点じゃない自覚はあります。

これは某所でも言ったんですが、生き残ること・生き延びること・誰も死なないことをテーマの中心に据えているのは良いのですが、だからといってじゃああれだけ壊滅的な被害を受けたそこに巻き込まれたヒロインが生き残っていて、それ以外の無名のひとたちが生き残っているかどうかを完全に不明にする意味ってなに……?になりました。全然わからん、俺はゴジラのこともこの作品のことも全然わからん。
常々、人の生き死にの軽率さはフィクションでしか許されないから……!って大喜びで手を叩いてますけどあれは生命が軽んじられるのを楽しむことで「現実ではこんなこと一個もやっちゃなんねぇ……」って強く決意を新たにする運動みたいなところがあるので、あの最後の首筋のアザ?みたいなのの意味とか意味深な続編にいけそうな余白とか、全然こう………ときめかない………ときめくに足る要素が全然なくて……もうちょっと考察の余地の断片をくれ……情報をくれ………………。
本編の考察を深める余白がある作品も多々ある中で、今回の場合はその余白がいわゆる工業製品における無駄なバリみたいな意味での引っ掛かりしかなくて「ヒロイン生きてるならなんかもっと生き残ってもよかったろ市井の人たちがよお!!!!!」ってなりました。でもあんなミッション・インポッシブルみたいなことさせられてたヒロインすごいね。頑張ったよ、あれできるのトム・クルーズくらいだと思ってた。そんなことはなかった。話がそれました。

ヒロインと主人公が軽率に恋愛でくっつかなかったの、恋愛感情じゃない人間同士の生き残りあいだ〜って嬉しくなってたんですけど、中盤で結婚の話が出てきてて「うへ……」になりました。あの、異性との結婚が人生のゴールの一通過点になってる世界観はわかるんですけど、別にそうしなくても今まで生きてこられたのをいまさら……?みたいな、これはおそらくを通り越してほぼ確信的に俺が世間一般で言う(異性)結婚によるあらゆる法的な何かの庇護下に入らない立場だからですけど、なんかこう……うん、まあこれは俺の話なので良いです。別にあの昭和の世界でそれをやれって言うわけじゃないしね。あのときは、そして今に続くまでずっと、近しい感情のある男女は結婚を視野にいれるもんだんだよな……うん。怪獣映画を観にきて人間がごちゃごちゃやってると「はよゴジラ出てきてくれ」になってしまうのは悪癖です。よくないです。はい。あとそれで言ったら敷島の家の表札が「敷島」だけで、お隣さんの太田さんちが「太田澄子」ってフルネーム表札なのも「おわあ」になりました。敷島の家は敷島とそれ以外(でも「敷島さんのところ」に内包され、無視される「大石」典子)で、太田さんちは太田さんしかいないのだ…………太田さんも最後の良心を見失ってなくてよかったね…表に出す感情のバランスがすごくよかった。

終盤で急に水島くんがハシゴ外されて「俺も乗せてください!!!!!」って叫ぶシーン、大変よかったですね。あのときまで水島くん自身は「戦争帰り」という共通言語を持った人たちに「いさせてもらっていた」ことを急に突きつけられるのでその傷つき、よかったです。
あと敷島が「俺の戦争はまだ終わっていない」って言うの、「ゴールデンカムイ」で見たやつだ……になります。結局、あの人たちは戦争に行って帰ってきたと言ういくつかの境界線を跨いでいるけど、残ってた(残らざるを得なかった)ヒロインや太田さんはずっと日常の延長に戦争があって空襲があって……をやってきていて、たしかに「あの日」「あの夜」などの区切りはあるのだろうけどここからここまで、という境界線を明確にするのは難しくて、その辺の齟齬……齟齬だ…………になりました。ここでいう境界線というのは例えば「引き揚げ船に乗った」とか「日本についた」とか「飛行機が離陸した」とかそういう明確な自分ごとの事象(自発的な行動)によって起こったものを言います。「戦争帰り」という共通言語、めちゃくちゃ概念としてはいいな、と思うんですけど自分では真正面から取り組もうとは思わないですね……。

そんで最後のさあ……曳船さんたちがいっぱいくるじゃん………あそこで全然大型の船がいないのよね……でっかい船、だいたい徴用されて沈んでるか引き揚げやってるからいないんだろうけど……その辺がぐっときてしまい、ぐっときて………そんで全員に明るい希死念慮があって、ぐぅ………となります。何かの大義名分のために死ぬことへの気持ちよさ、憧れって人間どうしても抱いてしまうし、それを強制させられてた人間たちの戦後なので、それはそうという感じで奥歯を噛み締めてしまうね。

ゴジラさんの背中が青く光って、熱線を出すときにぐっと押し込まれるギミック良かったです。もっといっぱい言いたいことあるんだけど、とにかく時系列と作中の時間帯がわからなくてせめて夜明けの話してるなら日の出のカット二秒でも入れてくれ……になりました。その辺の情景説明(言葉がいらない)がうまい映画を最近いっぱい観たから、観客としての勘が鈍っているのかも知れない。
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つらつら

映画感想:「ザ・クリエイター/創造者」に見る人間は愚か!滅ぼ!の欲求。
タイトルの通りです。全てがネタバレ。言いたいことがありすぎて何にもえいてない。#映画感想

本編に関して言いたいことがめ〜〜〜〜〜〜〜ちゃくちゃ膨大にあるんですけどそれよりなによりすべてを差し置いて一個だけ言わせてもらって良いですか?500ポイント太字のなんならイタリック体で書いてあると思ってください、ここから下。

一瞬で100万人も死ぬような最悪核兵器を、ニューヨークとかいう人口密集都市のど真ん中で開発すな!!!!!!!!!!!!!


すな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

フォントサイズの調節ここまでで大丈夫です。
いや〜〜〜本当まじであの、そう、冒頭からそのツッコミを誰もしてなくて、もしかしてそのときのニューヨークは人口過疎だったんですか?って思ったけど繰り返し繰り返しものごとの始まりとして膨大な人間の死者が……という情報をお出しされるので「そもそこの立地に決定した人間がバカだが?????????????????」しか出ず……なに………?止むに止まれぬ事情とかあったの?ニューヨークでしか産出されない希少な鉱石とか出たんですか?
途中でケンワタナベが「あれはAIのミスではなくコードミス、ヒューマンエラーだ」みたいなこと言ってましたけどそもそもそこで開発研究を進めようと決定した人間のエラーに決まってんだろうが………になっちゃった。たぶんそれを人間側もわかってるからAIのせいにして分断を煽りたいんだよね……いや知らないけど……もう冒頭からその調子で人間がすべて愚かですが立て続けにお出しされるので、常々日常生活内にうっすらとした希死念慮に近いけど何か違う「そろそろすっと消えて無くなってしまいたいな」の欲求がごりごりに刺激されてしまい、そういう欲求がある人は観るタイミングに気をつけないと安易に引っ張られます。俺がそうでした(昨日の気圧の余波で体調がよくなかった)はぁ……はぁ………人間が………愚か…………。

話の内容はありがちと言っていまえばそうなのかもしれないけれど、あれを「ありがち」に収めるにはあんまりにも人間愚かすぎて人間が次世代を残すのは自分たちの壊した生態系を可能な限り回復させて綺麗に後始末して片付けて一斉に滅びる準備をするため、みたいな執拗な人間の愚かさがあって、お、おわあ……おわあ…………ってずっと言ってました。
愛とか絆とかね、そう言う繰り返されて擦り切れたようなうすっぺらいものではなくてね、もっと人間の行動対行動による愚かさと愚かさのぶつかりあい、奪って奪われて自分自身から奪い続けて相手の肉体も魂も傷つけて記憶はちゃちな記憶媒体にコピーされて、最後に「死ぬ」ときも己の肉体から無理やり引き剥がされてボロボロの再生機みたいな中で死を自覚するんですよ。
人間にしかできない愚かさの極まる残酷な行為、誰も彼も自分勝手で他人のためにという過信を振りかざして子供をひとりぼっちにする、そういう、でも、それでも愛してるよっていう言葉を別れの言葉に選ぶときの本心は本当で真実でかけがえがなくて、天国で、会おうな………俺たちは……天国で…………………。

これは最悪IFのことなんですが、本編後、結局アルフィーは人間もAIも愚かで滅ぶべきという思想をうまく隠して人類が平等に全員せーので滅べるものをAIと人間で手を取り合って開発して(表向きは環境の保持や改善とか)自分の大切な人を奪った軍人たちや軍事企業関係者をうまい具合に合法的な被験体にして(違法でやると天国へ行けないから。被験体のひとたちは悪人なのでわたしたちの天国にはいないはずなので)いっさいがっさいのすべてを綺麗に片付けたあと、地獄でジョシュアと再開して隣にはマヤもいて三人で「天国にしては変だな」みたいなこと言いながら地獄ではっぴ〜〜〜〜にこやか生活して欲しいです。

俺たちは全員天国に行けない。
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つらつら

2023年10月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

映画感想:「イコライザー THE FINAL」に見る、マッコールさんと人間の善性。
ちゃんとしてそうなタイトルをつけましたが、本当に文章にまとまらないので箇条書きでお送りします。2作目の感想もまだ書き終わってないのに………一応前作観てますの意思表示。#映画感想

・よくないイタリア語の語彙が爆裂に増える。
・マッコールさん最後ちょっとリズム感がないのかわいい……
・俺は一般的な住居に存在しうる武器の中で火かき棒が一番好きと言うヘキの開示をせねばならんですね。
・マッコールさんに猶予なんか与えたらマッコールさん側から猶予を削りにくるに決まってんだろ。
・パスタ食ってる場合か。
・そこガラスなのぉ!?
・寝ている真上をベッドと同じ面積ガラスにするの、正気の沙汰ではない(悪人なので正気ではないんですが……)
・明日とかヌルいこと言ってっから明日の方から来ちゃうんじゃん。
・寝ない子だれだ(訳:永眠が来るぞ)
・坂道が多いから転んでも仕方ないね。いろんな転び方があるね。
・脚が長えひとは走るのも速いんですか?(憲兵さんめちゃくちゃ足速かった)
・魚屋さーーーーん!!!!!!!!!!!!!
・マッコールさんの生前葬やってんのかと思っちゃった。
・無理やり手動で開けた扉を本来の自動で開けていくマッコールさんはギャグなんですか?
・マッコールさんりんご代払った?
・車に撥ねられそうだなって思ったら車に撥ねられて笑っちゃった。
・本当に運転手の人が可哀想だな………保険が全額降りてほしい。
・ス゛ー゛ザ゛ン゛!!!!!!!!!!!!!!!!!!
・なんて攻めにくく守りやすい地形なんだここ……盤石の地形をしている。
・マッコールさんが船に乗っていたので身構えましたがそれどころではなかったので事なきを得ました。
・マッコールさん…………
・マ゛ッ゛コ゛ー゛ル゛さ゛ん゛……!!!!!!!!!!!!
・でもその杖の担ぎ方は一般的な動作ではないことだけお伝えしておきます。
・パスタ食ってる場合か!!!!!!(反芻して出る二回目)
・マッコールさんが印刷所の人だったら動く締切なので俺たちは誰も同人誌を落とさずに済むのに
・サッカーで地域ぐるみではしゃぐのかわいいね
・バイクでノーヘルでその速度出して最終的に命が保障されるのトム・クルーズくらいだと思うんだが………(案の定死)
・人の手首を物理的に切断しているときに「し〜」じゃねえのよ
・地震が来ない地域の設計をしている建築だ………
・「イコライザー」はつまり階段の昇降は健康にいいということを伝えたい映画では?
・善性によって生じたマイナスにマイナス(マッコールさん)をぶつけてプラスにするみたいなことがずっと起こっている。
・マッコールさんに対しての締切日時設定は自分の生命に対する締切日時設定ってこと………
・マッコールさんくらいになると悪人の死に様を観察するのに物理的な椅子がなくても平気。
・マッコールさんによる銃床での床カツカツ急かし。
・夜道にマッコールさん(訳:必ず死ぬこと)
・だから子供のお迎えに関しては本人確認をしっかりせえとあれほど1!!!!!
・それみたことか!!!!!!!これ一作目も言ったな。
・こんなに感情移入できない葬式も初めてだな………
・街のひとたちーーーーーーーーー!!!!!!!!
・ジオのご家族、つまりけっきょくあの街から出る=マッコールさん(絶対の守護)がいないだから将来的にあの街で閉じて生きて行くしかないってことで許せねえな…………………………だからイコられたわけですけれども……………
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つらつら

映画感想:「イコライザー」から学ぶわくわく人間工作教室。
#映画感想
マッコールさんによる日常に潜む危険予知反面教師映画でしたね。そういうんじゃないんですけど、昨日観た「コカイン・ベア」とはまた違ったスナック感覚(しっとりクッキー系)で人が死ぬ映画でした。テンションが上がります、俺は人間性が最悪なので。

ところで俺は歳の差とか性別差とか全然属性が違うのに同じ真夜中のダイナーにいる、くらいの共通点からうっすらと継続していく関係性が好きなのでアリーナ…!!!ってもう親心を抱いていたのですが、マッコールさんがそれ以上の善性と人間の持てる暴力を武器に強火でことを成していったので、俺はただ悪人が死ぬのを「文房具って武器になるんだな(ジョン・ウィック進研ゼミ)」「ホームセンターは人間の倫理と理性で抑えられているだけの武器庫だからマッコールさんにたいへんお似合い」「警備員の人〜〜〜〜〜警備して〜〜〜〜〜〜(うちわ)」「船が爆発しましたが!??!!!!!!!!!!!(船が爆発します)」「港での大規模爆発火災はちょっとご遠慮いただいてもろて………(港での大規模爆発火災が起きます)」「ほれみたことか!!!!!!!!!!!!(ホームセンター内で人間の倫理と理性がなくなります)」「け、警備員の人1!!!!!!!!!!!!!!」など言っていることしかできませんでした。

職場の人間と関係が悪化しない適当な距離を保ち、夢がある人間を応援し、力を貸し、悪人に対してはまっすぐに自分の善性をぶつけていくマッコールさん……これは人気が出ますわ…………殺す時はしっかりさっくり殺すし、とどめの前に少し時間を作るのは殺す側への反省を促す時間を作っているのかなあ。そうだったら善性に基づいているだけの人間最悪行動コンプリートなので大喜びします。だれかの正義に対抗するのは別の誰かの別ベクトルの正義であるので、あの悪人たちは自分たちのことを正当性があると思っているし、マッコールさんも自らの正義でもってお互いをぶつけ合っているのでやっていることは特に合法ではないというのが絶妙な匙加減で良かったです。いやまあ……本人の保管している貴重品を本人に許諾を得た上で開けてるしまあ………許諾の取り方がたいへんに強引というだけで……そこに合法じゃなさが挟まるだけでまあ………手続き的には………表面上の手続きにおける合法性は遵守するんだから遵法精神どうなってんだろうな……めちゃくちゃ強いんだろうな……わかるよいやわからん。なんもわからん。

自分の負傷を煮詰めたはちみつで手当するところ、あんまりにもセンシティブで「ここがPG12ってこと?」という最大の胡乱が口から飛び出しました。ちがうよ、血がいっぱい出て危険予知行動が間に合わなくて(マッコールさんが仕事できすぎるから)ちょっと人がたくさん死ぬからだよ。よくないことオンパレード。明るくないシーンのすべてが反面教師。俺は映画「処刑人」のアイロンで傷口を焼くシーン(前後に各人の無理やり手当ライフハックが続く)でちょっとダメな方向に扉を開いた人間だぞ、そこにそれをお出しされたらダメな方向に扉がもうちょっと開くしかないんですよ。でもあの……傷口周りのはちみつは舐めない方がいいよマッコールさん………ぺろしないほうが…いいよ…………かわいいけど…………お茶目だけど…………。

序盤のシーンでホームセンターって全部加害可能な部品しか売ってないよな、という多大な偏見を垂れ流していたらラストシーンの最終決戦場がホームセンターで爆笑しました。本当に爆ぜるように笑ってしまった。ほれみろ!!!案の定だ!!!!!!!
ところでアメリカのホームセンターは有刺鉄線を売ってるんですね。いや日本でもそうか………ビバホームとかあるか……その辺の売り場に俺がいったことがないだけで………あまりにも物騒なマッコールさんと相性が良すぎるし、いずれくるであろうこういうときのためにホームセンターで働いていたら嫌だな……と思いました。どこまで計算なんですか?
とりあえず2作目を観て、最終作を劇場に観に行こうと思います。
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つらつら

映画感想:「コカイン・ベア」にみる、はるか懐かしの北の大地の情景。
2023/10/18に観ました。#映画感想

あまり真面目なホラーと真正面からのグロが得意ではないので、気にはなりつつも職場の先輩の一押しがなかったら観に行かなかったタイプの映画でした。それ以外の部分を啜りにいくつもりで手羽先の軟骨周りのコリコリした部分を咀嚼する姿勢です。
95分でサクッと観られるスナック感覚の、スナック感覚で人間が死んでいく映画でしたね……でもちゃんとホラーの作法があって、笑えばいいのか怖がればいいのかわからんまま終わりました。思ってた人が生き延びて、思ってた人が死んだので生死判定むずかし……まあ全員死ぬのかなと思っていたのでこんなに生き残るんだ!?の驚きがありました。
劇中音楽が好きな感じの曲ばっかりで楽しかったし、静かに音を聴かせるところはちゃんと余計な音がなくてメリハリよかったです。音響でいえば負傷して息も絶え絶えの森林警備隊員さんの鼓動が緊迫するシーンでだんだんBGMを占領したところに、聴診器を口元に持って行って「熊が」っていうところも音の使い方を知っている人のやり方で満面の笑みになりました。
案内所に刑事さんが到着したとき、車から出て一回車内に戻ったとき(刑事さんが案内所を見てないとき)に案内所内から血まみれの手がバン!!!て窓ガラスを叩くところ、そして刑事さんはそれを見ていないからそのあと外側からのショットで窓に血まみれの手形がついているところ、ホラー映画の作法ですごく良かったですね。

熊が本気出して走れば車に追いつくのも、木登りができるのも、嗅覚が鋭いのも、母グマ(メス)が子育てをするのも多頭産なのもちゃんと生態をなぞっていて、なんちゃってよくわからない生物ではない熊だったので、道民は熊の生態そのものに怖すぎて泣いてました。だって……あれが市街地に出るんだもん…………こわ……えーん……泣いちゃった。映画冒頭に「事実に基づく」っていう断り書きが入る映画の視聴歴が「オンリー・ザ・ブレイブ」だけなのであまりのギャップに情緒がどうにかなりそうでした。
登場人物が多い割にさくさくと死んでいくので、スナック感覚というのがぴったりくるのですが、それぞれの視点から描いたらとても濃厚なサスペンスだったり、麻薬の売人のひりつくようなノアールだったりができそうな要素をたぶんに含んでいるのに、これは「コカイン・ベア」だから特に深い掘り下げもなく普通に人間は死にます。と言う感じでとても……警察官のお姉さんが裏切り者だったところとかめちゃくちゃいいじゃん1!!別角度のドラマで見せて!!!!!!ってなりました。でもこれは「コカイン・ベア」だから普通にそんなことどうでもいいんですよね。
誰かの人生は本当に誰になにも伝えることなくあっけない外的要因でどうとでも終わってしまう、という自然の摂理をそのまま人間側にぶつけてくる物語でとても良かったです。まあ……あれが市街地を闊歩してるので……道民は泣いてしまうんですが………道民って括ってるけど熊が出てくる土地のすべての人間は観るときにやや留意をした方がいい。タイトルとあらすじでネタバレには当たらない情報だろうから普通にあの…気をつけてください……道民じゃなくても泣いちゃうとおもうけど……道民はひとしおなので…………いやわからん、一度互角に熊と渡りあって生き延びたひとなら完全にフィクションとして楽しめるのかもしれないけどいやわからん……俺は熊と遭遇したことはまだないので………話が逸れました。

たぶん話の流れ的にそんなことないんだろうけど勝手に伏線に感じていること、ヘンリーが先に木の幹に二人のイニシャルを掘っていたから、ディーディーのもともとの聡明さと呼応して絵の具や服を足跡として残していくのに繋がったのかなあとかなんとか。たぶんそこまで考えてないと思うよのパターンではあると思います。ちょっとクマの脅威がのっぴきならない道民たちに観てもらいたいですね……感想を聞きたい…………。
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つらつら

2023年9月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

映画感想:「ジョン・ウィック:コンセクエンス」で楽しむわくわく工夫教育番組感。
#映画感想

今回も極めて楽しくフィクションにしか許されない人の殺し方の工夫百選みたいな映像を最初から最後まで楽しんできました。フィクションの暴力、純粋であればあるほどた〜〜のしいな!!!!って俺の中の子供がきゃっきゃきゃっきゃする。人間性が最悪。
3作目の最後、だいぶぼろぼろのぼろだったから冒頭から元気な姿を見られてよかったです。でもそのあとからボロボロになっていくんですけど……でも思ったよりボロボロじゃなかった。ゴミ箱の上にぶち落ちたりしなかったから綺麗な死に様でしたね。
以下、とりあえず言いたいこと。
・なんだそのトンチキな弓道場は。でも射手の前を横切るのは真田広之が悪いよ。コウジが悪いよ。
・なんだその国立新美術館の外観をしたコンチネンタル大阪は。
・その梅田駅はどの梅田駅なんですか……?????これが横浜駅だったら崎陽軒の店舗で現在地が特定できたのでなんの問題もなかった。
・あの背景にある槍の飾りみたいなの絶対使われると思ったのにノータッチで寂しかった。
・室内近接戦で弓使う意味 is なに!?
・至近距離戦で弓使うのレゴラス以外で初めて見た。アキラさんはだいぶ昔の先祖にレゴラスいませんか?
・野菜とか魚介類ってちゃんと書いてある冷蔵庫が武器庫だったとき声出るかと思った。そんな雑で誰でも考える収納の仕方があるか。あと剥き身の刀はやめてやれ……なんか…鞘とか…………白鞘でもいいから入れてやれ………湿度管理完璧なんですか?あんな厨房のそばで?固定資産税とか減価償却とかどうなってるんですかコンチネンタル大阪は。
・事前情報でバレではないけどバレみたいな、コンチネンタル大阪でのアクションシーンで飾られている工芸品とかは全部本物なんだよ!って制作者がドヤのテンションで語ってたインタビューみてだいぶ萎えていたんですけど(ものを大事にして欲しいので)、国立新美術館のコスプレしたコンチネンタル大阪があんまりにもネオンでギラギラすぎて結構霞んでてシーンとしては楽しめました。まあ破損を伴うシーンに本物使う意味は全然一生わからないんですけど……。
・ネオンで言えば「初志貫徹」はいいとしてその光り輝く牧野は誰なんだよ!??!!!!!
・ラストシーンも含めると結局なにしても復讐や暴力は虚しいって話ですか……?まあ死に様は生き様なので、ジョン・ウィックにとってはあれが一番良かったんだろうな。スーツを脱ぐの、いままでのこだわりとかプライドとかそういうものを全部脱いで、「あの侯爵を殺す」という純粋な一つの目的しかない魂のままの姿みたいで美しかったね。あと最後一発撃ってなくない…?って思ったらその通りで大喜びでした。30歩の距離で致命傷ではなくとも肉体からは外さない男が、10歩の距離で外さないわけがないのよ。
・たぶん2023年にかけての映画界隈でのトレンドは「車両の両扉紛失フルオープンのまま観光名所をドライブする」なんだと思う。
・「路上で突発的に予測不能な乱闘が発生しており、あきらかに加害の意図を持って運転者両側に人間が投げられた」場合の運転手への判決、前例がなさすぎて法曹界のひとびとの苦労を偲んだ。
・コンシェルジュの人〜〜〜!!!!!!!!推しでしたがまあ当然のように死にました。ただし日本公開前に役者さんご自身がご逝去あそばしているのでそこへの心の動きは終えているところあったので最後までありがとうございましたの気持ちです。スピンオフドラマ観ます。
・ちらっと見かけた他人の感想で「殺すことが目的だから三時間ずっと虚無」みたいな感想があって「ほ〜〜ん????」(ジョン・ウィックシリーズを人間がごちゃごちゃと死んでいくのを楽しむ映画だと思っている人間のきもち)と思ってたんだけど、あれは復讐とか暗殺とかそういう行為に走る人間の全てが虚無であるし人間はいつか死ぬんだよという物語でもあるのでそれ以外のなにかを求めていると確かにね…という感じ。一理ある。
・そういう意味ではヘレン・ウィックが一番幸せな死に方をしたのだな……残していく当事者にしかわからない苦しみはあったろうけど、ケアのために子犬を残すこともできたし、愛した人を愛して、愛した人から愛されたまま死んだから………ジョン・ウィックもそうですがそこに至るまでありすぎるので………愛した人を愛したまま、愛された人から愛されたまま、からっぽで死んだのがジョンウィックです。
・なぜか最後のウィンストンの「ダスヴィダーニャ」(ロシア語で「さようなら」ニュアンスは「また会おう(再見)」に近いらしい)だけ聞き取れてそれに一番びっくりしました。畳む

つらつら

Twitterへのお手紙。

TwitterがTwitterでなくなった時点で、俺たちはどこかへこぞって移動してそこで新たな擬似的環境を作り上げるべきだった。せーのでこぞって移動すれば、たとえまったく同じでなくても似たようなタイムライン形式で情報が流れてくる水流のなかに存在し得ることはできたかもしれない。
俺たちは良くも悪くも変化しないこと、ゆっくりと状況を見定めてじわじわと変わっていくこと、あるいはしっかりと現状にしがみついて体幹に力を入れてそこにい続けることに対してある種の執着を持っていて、そしてそれをじんわりと行動にうつしているのかもしれない。あるいは、うつせていないからここにいるんだろう。
変化は人間に対して多大な疲労をもたらすし、とはいえそれ以上の得るものがあればやる意義はあるけれど、あまりにも急に、そして想像だにしていなかった一介の企業が提供するサービスであるということを忘れたようなやり方の数々に、実害はないにせよ振り回されて動く気力がもうなくなっているのかもしれない。ただでさえ研ぎ澄まされた判断力を持つ俺たち、情報に安易に飛び付かず、炎上ツイートを適度にいなし、バズ稼ぎアカウントは適切に報告とブロックをしてきた俺たち。全体が大きな、止めようのない流れであったとしてもその中で確固として立ってきた俺たち。
こだわりのない人、あるいは譲れないものがあってそれがもう侵されてしまった人はすでにXにはいない。そういう人たちは賢明であったし、そうせずにここにいる俺たちもまた賢明である。優劣の差はない。いる場所が違うだけ。俺たちが人質に取られているのはいままでゆったりと好きなものやことがらで築かれてきた、ゆるやかで、暖かで、それでいていざというときにはささやかながら力を添えられるような、そういうTwitterの理念の中で培われてきた人間関係だ。それを丸ごと移動するのはちっとも現実的な話ではない。
俺は移動する、あなたがたもそこへ来てくれなんてどうして言えるだろう。あまりにも俺たちは自他の区別が適切につくし、後方なくても人には人の都合があると前提としてわかっているし、東に仕事への恨み言を吐くフォロイーがいればいいねして労いを送り、西に体調不良で起き上がれないフォロイーがいれば返信不要の励ましを送ってきた。
プラットフォームが自発的に俺たちをどこぞのいい環境へ送ってくれるならまだしも、このオンライン上でのサービス乱立時代にすべてのアカウントとパスワードの管理という重大な責任を負い、慣れないインターフェイスや細かな部分で異なる機能へ適応するにはあまりにも個人差がありすぎる。俺たちはあまりに自他の区別がつくから、無責任に他人に行動を強要しないしできない。
だから置き手紙のように「どこそこにいる、気が向いたらきてくれ」と残す。残すことしかできない。あるいはそうやって「いざというとき、俺はここにいる」と指標を掲げてずっとXとかいう発信側にしか都合のよくなくなったプラットフォームで文句を言い、熱量をもってなにかを語り、体調不良のフォロイーに労いのいいねを送る。
ひとつのサービスの終わりを見た。そこから始まったのは、俺たちとは随分方向性の違うなにかだ。俺たちはそこがTwitterでなくなった時点でどこかへこぞって移動すればよかったのだ。問題はその移住先がなかっただけで。なくても十分やっていけるほど、Twitterというサービスはこの世の一角であったというだけで。
俺たちがいまXというプラットフォームに困惑すればするほど、良くない面も多々あったがTwitterという環境が与えてくれた安寧がどれほど尊い存在だったかがわかる。戻ってくるかといえばおそらくもう戻ってはこないあの環境を確かに愛していました。畳む

つらつら

LINK
好きサイトさんなどのリンク集。
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【好きサイトさん】
night watch (艦艇等擬人化:津崎飛鳥様/いつも本当にお世話になってます!)
〇八十八堂ポータル(土地擬人化:髙橋コヤマ様/好きです!)
ちょっと美しい日本語

【素材やテンプレートなど】
てがろぐ
do (てがろぐのスキンをお借りしています)
pixabay(CC0ライセンス写真素材。小説の表紙画像とかでお世話になってます)

【お世話になっている印刷所さん】
栄光印刷(今まで作った本だいたい栄光さん)
オレンジ工房.com(ポストカードの発色きれいで大好きです)
ちょ古っ都製本工房(小説本だいたいちょ古っ都さん。小部数の味方)
同人印刷ペンタロー(コピー本お世話になりました。小部数の味方)
mokuxmoku(栄光印刷さんがやっているハンドメイドショップ。イベント時に使ってる木製スタンドはこちら)
D-ptint(グッズでポイントカード作ったときお世話になりました)
おたクラブ(グッズでスタンプ作ったときお世話になりました)

【ツール系】
DeepL翻訳(海外メーカーのプレスリリースぶち込みがち)
AISライブ船舶マップ(推し船のAIS追いがち)
SS名刺メーカー(短歌とか小説とかあらゆることでお世話になりがち)
Wikipedia(だいたいここで検索しがち)

【YouTube好きチャンネル】
Architectural Digest(建築・インテリア系)
NamibiaCam(ナミビア砂漠ライブカメラ)
National Geographic (ナショナルジオグラフィック/英語)
ナショナル ジオグラフィック TV(ナショナルジオグラフィック/日本語)
ディスカバリーチャンネル(よくわからんサバイバル系とか。おもろ)
とやまソフトセンター(狂犬病予防接種会場動画で有名)
VOGUE JAPAN(メイク・ファッション系)
The Local Project(建築・インテリア系)
TED-Ed(TEDのさらにわかりやすいアニメーション解説)
TED(説明不要。世界、いろんなことがあるなあ)
Tasty(料理系。おいしいものは糖と油でできていることが証明される)
Primitive Technology(男性が淡々と森の中に家を作ったり炉を作ったりする)
Country Life Vlog(アゼルバイジャンの農家のVlog。とにかくあらゆる規模がでかい。肉もでかい。包丁もでかい。鍋もでかい。いのちがいっぱいいる)
English Heritage(英国の遺跡とかを管理する慈善団体。レシピ動画がけっこうクセになる。レシピ本の言い回しがイギリス節すぎて話題になったやつの元動画)
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ABOUT

2023年8月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

映画感想:高度に発達した菌糸類の世界は宇宙と区別がつかない。
「素晴らしき、きのこの世界」を観ましたの感想。#映画感想

きのこ、食べ物としては全く一切ほぼ全部を受け付けなくて(ぎり舞茸とえのきがいける)、幼少期から「俺たちは別々に生きていこうな」ってもののけ姫みたいな一方的決別をしていたんですが、食べ物ではなくもっと大きな幅広い視点かつきのこたちが持つ細胞や神経への作用に対してのピンポイントな視点が同時に存在している化学や医学からのアプローチはめちゃくちゃ面白かったです。
ただ俺は以前に地球環境系ドキュメンタリ(NetflixがYouTubeで公開している「Our Planet」シリーズ)を観ており、海洋環境についてクラゲが取り上げられた際に「人間の役に立たないから研究が盛んではない」ということを情報として持っているのでその辺に関しては「おあぁ……(人間に有用な部分があるからこうやってあらゆる人たちが研究をしている)」にもなりました。

途中できのこの成分が癌に効く、という要約するとやば代替医療みたいなくだりがあるんですが、それもきちんと前段階として「きのこが持つ幻覚作用が人間にどう作用するかの研究の一環であるみたいな段落があるし、研究者自身が「敬意と注意を要する」ってきちんと言ってくれているので良かったです。
幻覚作用のあたりはどうしても科学的にまだ観測できないようないわゆるスピリチュアル、超人的、言葉にできない体験、とかそういう類の話になってしまうので折り込むの難しかったろうな、と思うけれど、主題としてとりあげられている研究者の人が過去にマジックマッシュルームを規定量かもわからず摂取した結果ずっと悩まされていた吃音がそのあとから収まったという体験がある人なので、これは視聴する側での留意や確認がつどつど必要なやつだな……と思いました。ドキュメンタリと言ってもね、人間が喋ってる分には多大にその人の主観が入っているので、その辺をきちんと観る側が情報を選別してから信じる信じないにつなげていかないといけないところありますからね。人間が出てこない動物や植物に関してはそのへん主観が伝わらないからまた別の留意が必要なんですけど。
あとその人が読んで感銘を受けた本の著者がエキセントリックドラッグキメキメ模様みたいなきのこ柄のTシャツ着てて手叩いて笑った。いいですね。

上記のらへんで語られる「きのこ由来の幻覚作用がアルコール依存症の改善に有用」からの「それが世間一般に広まってしまい、米国政府が規制に動く」までの物事の流れがあまりにも人間すぎて「人間は愚か………」が口から飛び出してくるんですが、今持って世界は常にそうやって動くし、俺たちがまったく正確な情報に触れられているかというとそうではないし、そもそも研究途上で弾き出された結果としての情報はその時点での結論でしかなくて今後もずっと変わっていく可能性や検証によって覆る可能性がずっとあることをきちんと把握していなければいけないんだな、と昨今の身の回りを見て思います。
そして余生における優先順位を考えましょう、とまで言われた癌患者さんが幻覚作用を摂取して(医師監修のもとでやってる合法的なやつです)言葉にできない体験をしたときの感想がすごく良かったです。自分は愛されているし、自然は愛でできていて、そのなかの一つでしかなくて、すべてはつながっていて、自然とはいずれ死ぬものだから死ぬことが怖くなくなるっていう、きっとずっといつその時が来るかと怯え続けていたひとにとっての真の安寧にほど近いものが得られるのなら、とてつもなく注意は必要だけれど本当にそれを必要としているひとたちに届くといいなあと思いました。一つの情報しか得ていない素人一般人の感想だけど。
愛と死と生物としての自然との連続性、一見関係がなさそうですべてがつながっていて、人間が自然に頓着しないということは翻って人間がいずれ身を滅ぼすことになるという、全部連なっていることがらの輪郭がなんとなく見えるか見えないかの違いなんだろうな。

本題と全然関係ないような気がするんですが、けっきょく世の中のあらゆることの解明ってこの映画に出てくるような何か一つのことに熱中し、取り組み、試行錯誤を厭わずそれをマイナスな行為だと思わないひとびとによって為されていって、もちろんそうでない性質のひとが理性や義務で取り組むこともできるけれど、そうじゃないひとたちに圧倒的に天賦の才と読んでもいい有利さがあって、肉体や精神的なことで失われることはあっても心身ともにそこそこ健康であればその熱意や注意は損なわれることが基本的にはなくて(一回創作やってても心身の均衡ですっ転んだからめちゃくちゃ予防線貼ってしまうくだり)、そういったひとたちをネガティブな意味での呼称(オタクとかいろいろ…もろもろ……直接的にキモいとか言われるし……)を用いて一括りにするひとたちって、なんとなくの偏見だけどスポーツやその時持っている若さなどのこれから衰えて失われていくことがある程度約束されている要素の中に自分を見出したひとたちなのかなあとぼんやり思いました。

なんにせよ、人間にとって有用な分野が今後も伸びていくといいし、一見なんの役にも立たないけれどなんかやりたかったから、で研究が続くような社会が今後もずっと続いて欲しいなと思いました。
「理解すれば興味が湧いて、興味が湧けば守りたくなる」という言葉がものすごく良かった。あと幻覚成分が世間一般に広まるあたりで「フラスコの外に出る」みたいな言い回しを原語でしていてめちゃくちゃ良かったです。
きのこ、人間の生き死になんかに全然振り回されないまんまこのまま地球上を生き延びて欲しい。俺たちに構わずただ淡々と存在していて欲しい。言われなくてもしているから、今後もずっとそうあれ。畳む

つらつら

映画感想:金属生命体による自発的な同時多発交通事故は健康に良い
「トランスフォーマー/ビースト覚醒」の最初から最後までネタバレを含みます。タイトルちょっと意味わからないかもですが、アクションシーンのことです。#映画感想

推しが!!死んだが!!!!!?????
いえ、これについてはもうトランスフォーマーシリーズ実写版全作品、その作品で好きになったキャラが死ぬという脅威の致死率100%が更新されただけなので全然良いんですけど、よくないが?!?!?!!!!!!!!!よくないが!!!!!!!!!!!!死ぬな!推し!!!!!!!!!!!!
エアレイザーさん……大好きだったのに…………………しかも帰宅して調べて知りましたけど声、ミシェル・ヨーじゃん…そんなの格好いいに決まっている………オプティマスプライマルとの戦友感もすごくよかったですね…とても……俺はあそこに関係性を見出しましたよ……まあ…死んだんですけど…………………どうして………………。

一旦本題に戻ると、俺が人間と人間以外の種族が出てくる物語に求めているものって「人間の世界のことわりなんか知ったこっちゃないよ〜」という人外(あえて人外と一括りにします)側の全然噛み合わない行動理由で生じる人間への理不尽さなので、その点で言えばトランスフォーマーシリーズは全実写版がすべからくそれなので大好きなんですね。
今回ももれなく「俺たち公共の施設(壊滅する博物館)とか知りません」だったし「追っかけられてる!逃げなきゃ!(大破するパトカー。まあよくある)」だったしめちゃくちゃよかったです。前情報予告くらいで何にも時代設定とか知らずにいったので急に1994年をお出しされて「ん?!い、いつ!?」になりました。この世に存在はしていたんですけど全然覚えていないくらいの年代だな……世界の雰囲気がわからない。でも変に時代が最近のせいでノイズに感じるモブの行動(スマホで撮影する行為とか。まあそれが薙ぎ倒されるのは観てる分には大歓迎なんですけど)がなくって、すっきりとした環境で金属生命体たちの動きに集中できたのはあります。むしろそのためなのかな、変に人間をちょこまかさせると金属生命体たちが困るので。いいな、人間以外の種族ファーストの姿勢、好きだな(そうではないと思うよ)

本編中盤からクライマックスにかけてペルーの自然豊かな森林でどったんばったんおおさわぎ(けものフレンズ)だったのできゃっきゃしてました。なぜなら俺は古代文明が好きだから、マチュピチュにも当然心をときめかせているから。遺跡、いつぞやのピラミッドみたいにぶっ壊されたらどうしようと思ったらそこは比較的平穏で「そんな凶悪な山があるか」という凶悪な山が生えてたので安心しました。もうあの塔が出てくるところLotRの二つの塔でしたね、オルサンクではないです。
塔で思い出しましたけど、どうしてトランスフォーマーシリーズのいわゆる悪属性側って車のデザインとかあらゆるデザイン面で「悪!!!」みたいな嫌なデザインしてるんでしょうね。あの斥候というか小間使いロボ(犬みたいな形の壁とかから出てくるやつ)も口の中にそんなギザギザ要ります!?みたいなデザインだし、なんかもう暴力に全振りしましたっていうデザインでいっそ気持ちがいい。見ていてわかりやすい。逆にそういうのじゃない、オートボットやマクシマルたちに近いデザインで悪役みたいなのも出てくるのかな。それはあれか、二作目でやったザ・フォールンがそれにあたるのかな。一応初代プライムのひとりではあったし。この段落ずっと「リベンジ」の話してる……。

細かいところだと最初の主人公が面接を当日キャンセルされるくだりとか、インターン生のエレーナに自分の服のクリーニングという明らかに業務外のことを押し付け、その上で手柄を横取りする上司とか(エレーナの遅刻に関しては原語の方で「three times」だっけ、とにかく複数回目であることが示唆されていたのでそこに同情はできんが……良いように捉えるならあんなふうに毎日遅くまで研究のために居残りして疲れて寝てしまって生活がぐだぐだとも取れるけどそこは生活してもろて…にちょっとなる)、人間社会でどうしたって避けられない構造上の抑圧にぐえ…となるんですが文字通りそれをぶち壊す金属生命たちたちの構図がいつ見ても美しい。
「バンブルビー」の続編の扱いらしいのもさっき調べて知ったので、「バンブルビー」の内容を思い出すのに必死なんですが、確かにあの映画の続編ならオプティマスが人間を信用していなくてもおかしくないし、まだ自分の故郷への帰還にやっきになってる時点なのもなるほどな、なので時系列に違和感なく溶け込むのがうまいですね。本当に映画作りがうまい。
最後のGIジョーのくだりだけわからなかったんですけど、過去にクロスオーバーしたことがあるらしくて、次回以降いつでもクロスオーバーできるような伏線だったぽい…?わかりませんが双方の作品にとって良い結果になるといいな〜。

ミラージュ、とても好きだっただけに最後の最後で「あ!?!?!!!!!そうなる!?!???!!!!!!!」ってなったし、途中で自分の一部を人間に装着できる形状で貸し出すのも伏線だったので気持ちがよかったです。画面上に写るもので回収されていない伏線がないのでは?映画作りがうまい。
あとバンブルビーが一回死んだのでマジで「俺の推しを殺す力がビーにも及ぶことある!?」になりましたが、予告映像で上空から落下しながら戦闘に参加するシーンを見ていたので「あこれ途中で生き返りますわ」になりました。なんでエアレーザーさんは生き返らないんですか…?もうサビサビだったから……?どうして………。
エネルゴン洞窟の中で岩座に横たわっているバンブルビー、マジのお姫様でしたね。トランスフォーマーシリーズのヒロイン、バンブルビーなのでは…ラピュタで言ったらシータの趣がありました。あのシーン。エネルゴンは青く光るしね。パズーがだいぶゴツいというか、自立しているシータになるんですが………戦闘員だし……。

さておき、オプティマスが「that is bad idea.」(それは悪い考えだ)みたいなこと(聞き取り不安)言ったとき脳裏をコンボイが「わたしに良い考えがある」って言いながら通り過ぎていって劇場で大声出るかと思いました。
あと主人公に車泥棒を勧める近所の人がずっとあのアメリカで一番まずいグミでしたっけ、とにかく評価が最悪のあの赤いネジネジのキャンディ食べてて「剛のものじゃん……」って思ってました。あれ美味しくないらしいので……食べたことないけど……。
そしてトランスフォーマーシリーズは低音をはじめとする「音」の部分がものすごく重要で大切な要素なので、頼むからDolby Atmosで2D上映してくれ〜〜〜!!!!!!!って3D酔いする人間は叫んでいます。たのむ、IMAXでもいいから2Dでやってくれあれを………。畳む

つらつら

2023年6月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

映画感想:「探偵マーロウ」の静かで正当な、横におしゃまさんを置きたさ。
おしゃまさんのくだりは完全に本編と関係ない俺の願望がはみ出ました。#映画感想

いやだって………長身で散々作中でも「でかい」って言われてるならあの時代としても相当に大柄の部類でいらしたんでしょ、マーロウさん。であれば!であるならば!ちょっとおませないいとこのお嬢さんをお隣にね!できれば5、6歳の自立もできるお年頃のね、賢いお嬢さんをね、こうね!配置するとね!世界が完璧になるんですよ。完全に余談から始まるタイプの感想文。本編に行きます。

あらすじというか話の流れは謎解きそのものやトリックの解明、複雑に絡まった陰謀、派手な逃亡劇…!というタイプではなく、王道のただひたすら地道に自分の足で調査する探偵ものです。なんとなく本編全体を通して「地に足をつけていること」が徹底されている印象でした。
我々はおそらく一度通過した基礎の基礎部分をもう忘れてしまって、直接的に摂取できる刺激をド派手なカーアクションとか肉弾戦とか緊張感極まる頭脳戦とかよくわからないけど技術の粋がつまったガジェットとか爆発とか、そういうわかりやすい視覚や聴覚から摂取できるものだと思いがちで、数字が簡単に見えてしまう「バズ」が目指されている取り組みがそこかしこにあり、おおよそ一人一台はスマートフォンを持ってネットワークに接続されて情報は以前よりも遥かに簡単に手に入るようになっているのが現状(その真偽は別として)。
その中で、だからこそ、本人が知らないことは知らない、見てないこと聞いていないことは知らない、相手が嘘をつけば欠けたままの情報がずっと残るだけ、という探偵もののものすごく基本的で大切な部分に忠実な話だったなあと思います。

どうしても推理小説好きでいろいろ読みあさって育ってきたので「顔が潰れている死体の身元確認はしっかりしろって百年以上言われているでしょ!!」っていう謎のおかん部分が顔を出しましたし、再現映像で思いっきりきちんと頭轢いてて自宅で見たら500デシベルくらいの大声出して手叩いて笑ってたシーンでした。そこまできちんとぐっちゃり轢くやつがあるかい!(あります。PG12だからね!一応ね!)カパキョンみたいな音出てて、ふふ…になりました。
途中から出てくるセドリック(運転手)がす〜ごい好きですね!またお前はそういう役回りを…死にませんでした!!!!(朗報。フォントサイズ300ptは最低でも欲しい宣言)登場人物たち、基本的にみんな自分の信念に基づいて行動していて、自由に見えるのだけれど全然自由とは遠くて、檻の中にいてままならなくて、欲しいものは手に入らなくてずっと足掻いていて、自分の足元が揺らぐのを恐れるくせに他人には横暴で、人間味があって楽しかったです。

ただ、全体の規模の割に名前がしっかり出る登場人物が個人的には多すぎてもうちょっとそれぞれの掘り下げほしかったなあ…という贅沢が出ます。クレアの夫とかそこまで…いる……!?と、これは本編を最後まで観た人間だから言えるわがままのたぐい。
途中で出てきた馬の様子がなんとなく落ち着かなげでちょっとソワ…としたけど…俺はうまが好きなので…ちょと気になったけど……でもあれで大丈夫なサインなのかもしれないし…人間以外は傷ついたり死んだ理しないのでいい映画です。動物が傷ついたり死んだりしないで、殺した人間がちゃんと死ぬ映画はいい映画です。フィクションでだけ許されることなので。

俺なら住人不在の家に行ったら初手でドアのガラス割って内側から鍵開けて入るな…と思ったけどあの映画のほぼ唯一の良心はマーロウなのでそういうことは起こりませんが、途中で起こります。初手でやらないの、お行儀がいい。シンプルに考えて最初から不法侵入はやり方が早急すぎるのでやらなかっただけなのですけど、途中できちんと不法侵入してて「い、今ここで!?お行儀が…よい!」になってしまったので、俺が普段どんな気持ちで推理小説とかミステリものに向き合っているかがバレてしまいますね。はい。俺なら初手でやります。
警察側の人たちも良心的と言えばそうなんですけど気遣いの出され方が淡白で小粋なので初回だとちょっとわからんかも……ただこういう「わからなかったな」、と思う表現をぶつけてくること自体が、上に書いたような『目指すところの一つではあるのだけれど俺たちはそれをやらない』という直接的でわかりやすい刺激としての表現ではない方法だったのかな、と勝手に思います。
舞台がハリウッドなのは原作がそうなのか読んでないのでわからないんですが(推理小説系はもっぱら国産で育ちました)、時代背景を抜きにしてもそのときそのときで自分ができることを最大限やる、という姿勢が一貫しているので観ていて安心感があります。マーロウが一貫して自分の信念に基づいているため(ちょっとやりたくねえなみたいな顔はするけどそれは役割に対してなので)、他の登場人物がいままでそうやってきたのであろう人を籠絡する手段が全然通じてないのもよかったです。色仕掛けなんも通ってない。ダメージ0。完全防御。それはそうよ。

薬を盛られた酒を飲んだふりして相手の懐奥深くに連れて行かれるあたりとかもスパイ映画の王道要素で、今はもう使い古されたとして見向きもされない手法が実に当たり前で普遍的な手段として用いられているか、そしてそれが決して見えはしないけれどたぶん世界中のどこかで今この瞬間にもおそらく起きている(捜査うんぬんではなく単に犯罪行為として被害者と加害者の構図で)、といううっすらした現実への反映が観る側のリテラシーによっては問題提起力(ぢから)がすごいな…という感想にもなりそうな映画です。

静かでずっと一本芯の通った、さわやかな後味ではないけれどまあ確かに人生に冒険が起きたとしてこのくらいだし俺は生き残れないな、と思える映画でした。
ところでリーアム・ニーソンってスターウォーズエピソード1のクワイ=ガン・ジンなんですね。全然知らなかった。俺の人生の最初期で死んだ俺の推しキャラでした…こいつまた推しが死んでる………。

キャヴェンディッシュの名前にずっと「絶対知ってるすぐ思い出せないけど…」となっていたんですが、思い出しました。自転車競技選手のマーク・キャヴェンディッシュ氏です。ついこの間(5月22日)にジロ(自転車レース名)で現役引退発表してて「ノァ………」になったからでした。余談。畳む

つらつら

映画感想:「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」を観ました。
全編にわたってだいたい「どうして」って言っています。どうして。#映画感想
長官が死ぬのは聞いてないですねぇ!??!?!!!って45000dBの声を出したんですけど、俺の推しはどうして死ぬんですか?致死率がマジで98%くらいを切らないんですがどうしてですか?死に様は生き様ですけどそれが見たくて観てるわけじゃないんですよできれば天寿を全うなさって?!?!?!!ぜぇはぁ、息が切れる‥…………どうして……なんやかやありつつも定年退職してカルフォルニアでサーフィンするイケイケじじいの名をほしいままにする余生とかを送れ………どうして……………………だから最新作でキトリッジさん出てきたのかな……ホイホイと長官の席を不可逆の理由で不在にするんじゃない……………………………どうして…………。

気を取り直して感想なんですけど、相変わらず物騒に次ぐ物騒、most of the BUSSOU、そうはならんやろなっとるやろがいのオンパレードで手叩いて喜びました。フィクションの中でだけ許される爆発と暴力とよくわからん理論と破壊と名前のない雑魚と定められたモブたちの雑な死はなんぼあってもいいですからね、フィクションの中でだけ許されてる最大のものだから。
冒頭のイージュリはご褒美なんですか?って思ったらジュリア本人出てきて「ジ゛ュ゛リ゛ア゛…………」みたいなジュリアを最大限拗らせたオタクの喉からしか出ない音を出しました。お、おれは…おれはイーサンとジュリアもでっかい庭付きの一軒家で気性の優しい人懐こい大型犬(できればゴールデンレトリーバー)を飼ってほどよくご近所付き合いをしながらまったりとなんの心配もなく暮らして欲しいという願望が非常に強くあるので……。

ご覧になりました?!最後の医療テントのベッドで目覚めた時にジュリアを見て喜びとかそういうのより先に「現実かどうか」を判断せざるを得ないイーサンのあの!あの目!!!!!おい!!!!!世界!!!!!!!!!おまえ!!!!!!!!!!マジでイーサンにあんな顔させる世界は俺が滅ぼした方がいい……俺が悪になります。そしてイーサンとイーサンの大事な人以外の全てを燃やします。でもそうするとイーサンが仕事をしないといけなくなるので悪を全て燃やす圧倒的な善になるしかない……人間を狂わす……………どうして…………………世界平和がないとイージュリが安心して暮らせないなら俺が世界平和をつくります……やります……………………ウッッッッッ…メタなこと言うとトム・クルーズがイーサンを自分の可能性の擬人化として扱うので無理なんですけど………………………どうして………………。

全然気を取り直せてないのでほかのことも言うと、ホワイト・ウィドウちゃんめちゃくちゃ可愛くて大好きでした。わかりやすい好みをしている。最新作の予告でずっと「この可愛い子は誰じゃ……………」ってともすれば人身売買してる人ですか?という感想をずっと抱いていたので…最新作にも出てきてくれるの楽しみすぎる!でもイルサの眼帯がだいぶあの!あれは一次的なものですか?!永続するやつですか!?イルサは隻眼でも全然強いと思うんですけどできれば五体満足でいて欲しくて……いやでも隻眼でもめちゃくちゃ好きです……はい…最新作に向けての履修のはずなのに各キャラを好きになっていくから不安しか高まっていかない。どうして。

M:Iシリーズ、基本的に回を追うごとに要素が盛りだくさんになっていく(そしてイーサンが無茶をしないといけない)のでお腹の底の方がずんぐりと重たくなっていくんですけど(推しも死ぬし。本当にどうして)、これはトム・クルーズはじめとする製作陣が楽しいだけであってイーサン自身は別にやりたくないっていうところがミソですよね…世界を燃やすしかねえ………どうして。
イーサン、なまじっか変装などを得意とするので人物のプロファイル能力が高すぎて明確な夢に敵役の人間を召喚してしまうの完全にかわいそうで世界を燃やすしかないと強く思います。やめろやめろ。最新作で「イーサンの幸せのためだから」っていって世界を燃やそうとするテロリストが出てきたらそれは俺と俺たちの総代表です応援よろしくお願いします。

イルサもなまじっか頭が良いのでイーサンご一行に急に巻き込まれて「なんとかする」っていう手法のみが選択されている状況を一瞬で「こいつらいつもこんなやべ〜ことやってんのか(そしてそんなやべ〜ことが起きてるんだな)」っていう呆れと納得と悪態が一緒くたになった表情してて「この人頭がいいな……」って思いました。そうだよ、常にそうやってるよ。
イルサがイーサンを徒歩で追いかけるシーン、あれ前作のイーサンがイルサをバックステージでちょこちょこ追いかけるシーンの反転なのかなって思いました。そう言う細かい要素たまに出してくるよねM:Iシリーズ。好きです。

あと交通事故からの重要参考人確保からの偽病室尋問、二作目のアップグレードで手叩いて喜んじゃった。俺はそう言う再放送(ただしクオリティは現状に即してアップデートされているものとする)が好き。
ところでイーサンとジュリアはおいておくとして、イルサとベンジーはなにか始まらないんですか?関係性が?ちょっと待ってください?あんな命を助けあいながらなにも?ベンジーだって可愛いマスコットポジションですけどやるときはやるでしょ!イーサンがウォーカーくんのこと追跡してるときずっと「平面と立体の視点の差だ〜!」ってきゃっきゃしてたら途中でそのことに気付いてもっと嬉しくなったので(俺はなぜかこう言う観客にだけわかる差異が平然と作中人物には感知されずに流されている状況が好き)ベンジーにはもっと頑張って欲しいけど自分を大事にもして欲しいです。

最新作二作でルーサーが死ぬことはないと思うんですが、これ以上俺の推したちが死んだら本当に世界を燃やします。イーサン、みて、きれいだね、なにもないよ。きみが命がけで何かと天秤にかけて護るものはもうなにもないよ。それがいちばんいいんだよ。わらって。畳む

つらつら

映像感想:「ステルス・テクノロジー 兵器最前線」シーズン1エピソード2だけ観た。
なぜなら軍用機のオタクだから。擬人化の民なのでちょいちょいそういう表現があるし扱ってるものが軍用機なので人を選びます。タグの統一のために #映画感想 にするけどドキュメンタリー作品です。

そもそも2004年のドキュメンタリー作品なので画面のアスペクト比が4:3だ!絶妙に良い感じのアナログノイズ感だ!と映像そのものに感動する間もなく、SR-71だF-117だB-2だB-1BだなんだかんだF/A-22(※1)だF-35だとステルス機のあゆみを全部おさらい!みたいなコンパクトさで次々と情報が降ってきて飽きない構成、うまいなあ。45分しかないというのもあるのかもしれないけど、時間の使い方と時間に対して取り入れる情報の取捨選択が上手い。
※1…F-22こと愛称ラプターくんは2002年に型式が「F/A-22」になったけど、2005年(この作品放映後)にF-22に戻ったので放送当時はF/A-22だった。

ステルス機、といえばおそらくだいたいの人がF-117を思い浮かべると思うんですが、それだけではもちろんないので、出るわ出るわ過去に好きで擬人化した機体たちが全部! でも競争(コンペティション)に敗れた機体はもちろん全然触れられもしなくて「歴史は勝った方が作るんだな…」をこんなところで感じると思っていなかったよ。新しいタイプの寂しさだな、これ。
F-22(打つの大変なので現在の型式でいきます)ラプターくんが各天候への耐久性試験で、屋内だけど雨や風を再現できる施設の中でめちゃくちゃ雪に降られて機体にごっさり雪が積もってたの可愛いすがたでした。あとラプターくん登場時の空軍の人のコメントが「(いままでの爆撃機※2などと異なり)ラプターは真の戦闘機です」みたいなこと言ってて悪い笑いが出ました。あと機体自体の格好よさって中の人も気にするのか「地上でも空中でも格好いい!」みたいなことも言っててにこやかになりました。急に人間味を出すな(人間ですが????)
※2…F-117の「F」は「Fighter」(戦闘機)の頭文字ですが、実質的にF-117は攻撃機的運用をされている。飛ぶの夜間だったし、そのほかにも機体にいろいろ制限がありすぎたのだ。

後半は開発途上の無人機にも触れられていて、将来的にはオンラインゲームが得意なオペレーターたちが無人機を最大4機同時に操作することを目指しているとかなんとか言ってるんですが、このあとに生まれた現状としては無人機パイロットのPTSD問題とかそのへん…そう……まだ夢があったよねこのころはね………という時代を感じるなどもしました。
そもそもこの番組自体がプロパガンダとしての素養を多く持っているのは判っている上で観てますし、過去の時点を一部分からのみ切り取った映像作品であるということも理解の上で観ているんですが、有人機に対して「パイロット(人間)を失うこと」を危惧して無人機の開発に注力している人間たちが、種として同じ人間たちにも被害が出るであろう作戦を自らの功績として語りながら同じ口で「戦争の犠牲者は少ない方がいい」とのたまうの、に、人間〜〜!!!!!!人間のあくまで片方からの、お、おわ〜〜〜!!!!自分に正義があると思っている人間の!!!!!ってなって吐くかと思いました。

俺は確かに軍用機も含めた無機物のオタクをやっていますが、絶対的に戦争には反対だし武力で抑圧し合うなんてことは可能な限り少なくかつ影響の及ぶ範囲が小さくあるべきだろ世界、と思っているタイプなので、毎回この辺は「技術の進歩や新しい性能がうまれるきっかけ、開発者たちがその無機物に託した夢やその無機物が成したこと、為せなかったこと、残したこと、残せなかったこと、残したかったこと」という残渣に勝手に物語を見出しているだけで、とはいえ戦争という出来事がそういう技術面を一番後押しするということもわかっているので苦しみます。
苦しみながら無機物のオタクをやっている。どうして。でも好きだから……なにかに執着する人間が一種俺たちにはわからない熱量でトランス状態の様相で語るそのものへのその人が思う愛の話が好きだから……それは祈りなので……答えるはずのない無機物への祈りなので………でなければどうして彼ら彼女らが自分たちの手がけた無機物を「he」と呼び「she」と呼び習わすことが連綿と続いているのか…………。

ともあれ作品最後の方でも言われていたように、無人機からのディスプレイ越し映像では判断できない誤射の可能性を潰すために有人機は決してなくならない、という発言からけっきょく人間が人間同士でものごとをやるための手段として計画設計製造運用される無機物たちと、そこに人間が勝手に祈りを覆いかぶせたりそんなもの一つもなかったり、愛称をつけたり人間のように呼んだり愛着を持ったりの、全部いびつでしっちゃかめっちゃかな片一方の理論だな!と思いました。この視点は忘れないようにしたいね……格好いい無機物、好きだよ。畳む

つらつら

映画感想:「おやすみオポチュニティ」を観て顔面が火星のように乾燥している。
なぜなら爆裂に始終泣いていたからです。鼻が痛い(かみすぎ)#映画感想

めちゃくちゃ頭がぼんやりしている………でっけぇ愛の話だった………。ドキュメンタリなのでこう、フィクションのようにストーリーのためだけの展開とかはなくて、ただあったことだけがドラマ性を帯びすぎているという一種「小説より奇なり」を地でいっている。野暮なこと言ってしまうと国家予算があるからとかそういうもにゃもにゃ性が出てきてしまうので今回は安全地帯からものごとを眺める俺を頭からかぶって書きます。

もともと無機物擬人化をやっていて擬人表現のすべてに弱い自覚はあるんですが、冒頭10分もしないうちに関係者の人が「スピリットとオポチュニティは双子(twins)で」とか言い出して椅子ごとひっくり返りました。どうしてそういうことするんですか!??!!!!!俺のための映画ですか!??!?!?!になったし、スピリット(姉)は故障や問題が多くてオポチュニティは優等生、とかいうそう言う創作設定大好きな人間たちを多く知っているぞ…みたいな発言も飛び出してしばらく床に転がり続けるしかないのかと思いながら起き上がりました。
人によってはずっと「she」って呼び続けてて、人によっては「オッピー(Oppy)」(原題は『Good Night Oppy』、オポチュニティの相性)て呼んでいて、動き出すことを「命を吹き込む」と言う人がいて、ただの電子基板と電線のかたまりが”命”を得てロケットに搭載されて宇宙へ行き火星へ向かうことを「我が子が」と表現する人がいて、に、人間〜〜〜!!!!!人間が無機物に向ける親愛の情〜〜!!!!!!と感情が大爆発してそこからもうほぼずっと泣いていました。
あと火星での1日のことを1「ソル」と呼ぶ新しい単位も知れましたね。ひょんなことで増える知識、好き。

最初の着陸時に10分程度信号が受信されなくて、着陸失敗か…?と部屋中が静まり返って息を潜めているときに祈る人間の表情はいつでも一緒なんだなあ、と思いました。
宇宙飛行ステーションに滞在する宇宙飛行士への伝統である”目覚めの音楽”を、伝統に則ってローバーたちにもやろう、と思って実行するところとかも、もうすでにひとつのいのちとして扱っててそういう細かなところでも涙腺がじわじわと刺激されているしで本当にこういう心の動き方をした映画を観たことがなかったのでずっと戸惑いながら「なんだこれ…」って言ってました。なんだこれ。いまもまだわからん。でも俺の葬式には流してくれ(怪奇!葬式に来たと思ったら火星探査機ドキュメンタリ観せられる会場!)
少し前にTwitterで日本人以外は特に信仰宗教の教義により、人間以外に知性を見出さないみたいな主語の大きいツイートを見かけた気がしたんですが主語巨大ツイートとかそういうのを差し置いても全部(範囲でか表現)嘘だな…と開始10分で思いました。これ余談。

目覚めの音楽の伝統はいつからか取りやめられてしまっていたのだけど、オポチュニティの目覚めを期待して再開するとか、人間が音楽に込める祈りそのものじゃん…!にもなったし、なぜ宇宙を目指すのかといえば古代文明でも星を見て暦が作られていたように人類は遥か昔からずっと星と共に生きていたよ、という発言にすべてが連綿と繋がっている歴史であると言うことにめちゃくちゃ泣いたし、いまはあらゆるものが細分化されて専門化されてただそれも通信技術で場所を問わず情報に気軽に触れられるようになって垣根がないようで大きくある世界になっているけど、人間はずっと星を見てそれを生活に根差し活かしてきたと宇宙に一番近いところにいる人たちに言われてしまったらもう、そうだねって泣くしかないんですよ。

途中でね、途中でスピリットが動けなくなって任務が終了してしまうんだけどね、というかこの二機はすでにすべての任務を終えているのでどちらも活動を終了しているんですけど、スピリットの責任者の人が「ハードワークだったから疲れていたんでしょう」みたいなこと仰ってて莫大な愛をくらって泣いていました。
同じチーム内でもエンジニアと学者たちが「あっこの岩いこうぜ!」「(ふざけんなよのまろやか表現)」みたいなやりとりもあったって言われてて畑が違うひとたちのそういうのNASAにもあるんだな、とにこやかになりました。ふふ。

ずっと幸運のピーナッツが引き継がれていたり、なんだりかんだり、本当に良い映画ですよ……良い側面しか描かれていないのだろうということを差し置いても………最後はパーサヴィアランス搭載のロケットが発射されるところで終わるんですけどそれがもう、俺は「過去の失敗や成功や得られたデータを活かして”次”につなげるための一石」が投じられる映像に弱いので爆裂に泣いていました。始終泣いているのでどこが一番かって言われてもわからんけど……うっ……俺は甲子園のサイレンを聞いただけでそこに至るまでにあったであろう各自や関係者の努力や切磋琢磨、切り詰めたであろうこと、取捨選択、挫折、回復などが勝手に想起されて泣く人間なので……………全ての創作で「それでも、」をやってきた身としては常にその繰り返しをやっているひとたちとその成果として運用されるローバーたちに感情移入しないわけがなかったのよね…………という感想文でした。はあ〜……俺の葬式に参列した人間全員これでブチ泣かせたい。畳む

つらつら

2023年5月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

擬人化:昔の絵のまとめ01
2011〜2018年ごろまでの一枚絵をなんとなくまとめました。#GAS

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映画感想:「ワイルド・スピード/ファイヤーブースト」には慣性の法則があるから、いい。
最新作観てきた!!!最初から最後まで全部ネタバレに容赦がないし、ラベンダーに傷を負っているのでちょいちょい言及しているけどわからないひとはスルーでいいです。#映画感想

ネタバレではない感想ツイートで「車を運転すればすべてが解決した時代はなかったよ」との由、すでに見てはいたんですが本当に別にすべてのことが車を運転すれば解決していたわけでは全然ないからな!!!!!!!!でした。あ〜〜〜おもしろかった最高でした、ワイスピに我々が求めているもの全部乗ってました(車だけに)でも推しは死んだ。

推しは(たぶん)死んだ!!!!!!!

いやほんとどうして………どうして………ジェイコブおじさんはこれからの男だろ………何であんなに丁寧に「兄の子」と「ちょっとはちゃめちゃなおじさん」のファミリーロードムービーやってからのあれなんですか?いやわかるんですよジェイコブおじさんは兄にずっと引目があって前作のこともあって兄がずっと光の方にいたから自分は闇の、影のなかにずっといるって思い込んでて、それが前作で覆って明るいところを過去は変えられないし精算できないとはいえ(何せ普通にやっていることは法に反しているのでいるべき場所は全員刑務所である)、やっとファミリーを得て、ワイスピ世界で一番大事な家族の手を再び掴めたんだから、だから、そこに感謝をする男だから、恩を感じてしまうひとだから、恩返しをしようと自分の命を賭けられる生き様のひとだから、あそこで自分を犠牲にしてドムを生かすんだよ…そうだよジェイコブ・トレットとはそういう生き方の人間でありました………………推理小説をこよなく愛するものとしては死体を自分の目で見ない限り生きている可能性が否定できないし、ハン(推し)が死んだと見せかけて生きていたパターンもあるので明確に死んだと言われるまで「やや死んだ」という表現を使いますが……どうして………ちゃんと甥っ子に言葉遣いを正す極悪なひょうきんおじさんジェイコブ、永遠に推す。ドムと和解(したのか?)してから実は一回でいいからやってみたかったこと「誕生日ケーキをでかいホールケーキにしてみんなで食べる」とかをやってくれ。

ともあれ、ストーリーはいつものワイスピでした。ちゃんと重力と慣性の法則と遠心力がある世界は安心しますね。ばかすか車の馬力と速度にもの言わせて当然のように爆発するし、当然のように車を使って物事を解決します。そうなんですよ、ドムたちは別に車の運転ですべてを解決しようとしていたわけではなくて、すべての解決のために車を運転していただけで一つの手段でしかないんですよね。だから飛行機も出てくるしヘリも出てくるし、まあそれらも全部車の運転のせいで主に爆発などをするんですが、観客はそれを求めているので変なギミックでてくるたびにきゃっきゃきゃっきゃしてました。心の中の幼児が大喜び。でも俺は自分の乗っているバスにでっけぇ鉄球(何で中性子爆弾なんやねん)が突っ込んできて車体が真っ二つになるときの対処法を知らないので、頼むから防災センターとかで急に近くでカーチェイスが始まったときの対処法を教えて欲しい。あれはもはや公害だよ備えるべきだよ国民が。異世界転生でワイスピ界に転生したと気づいた瞬間、俺は四方を道路に囲まれていない土地に暮らすことを決意しますからね………でも飛行機の貨物室からバックでの車庫入れみたいな気軽さで車が落ちてくるからな………もうだめだな…………話が逸れました。

数日前に前作を観ていたこともあって直近の流れは把握しているし、予告編も観ていたので「ああ〜〜〜〜〜ええ〜〜〜〜〜!??!??!?!なるほど〜〜〜〜!!!!!?????」という純粋な驚きでずっと楽しかったです。さ、最後、最後潜水艦から出てきたひと誰ですが俺はマジでまったく人の顔と名前が一致しなくて………あとホルガ姐さん(ホルガ姐さんではない)がまた寒いところの監獄に閉じ込められて…かわいそう………どうでもいいですけど極秘機関の極秘刑務所みたいな字幕出たの、文字が重複しすぎてだっさくて好きでした。まともなフリしようとしてる頭おかしい組織の趣がある。口から罵詈雑言が時速150kmくらいで飛び出してくるようになるのもワイスピ観賞後の醍醐味。嘘です。

ワイスピ、全編を通してちょいちょい家族愛というか人間同士の絆に重きと善性を置きすぎている感もあるんですが、家族って言ったって他人同士なんだからそんなにみんながみんな「家族のために」って命かけたり奔走したりする必要は全然ないんですが、でも俺たちはそれをやるぜ!!!!っていう勢いがあっていいですね。他人のために自分の全部を賭けることができる人間は、過去に自分に対して周囲からそういう助けを得られたことがある人間たちなので……性根が悪だとそうではないので………あと今回はドムが目の前で犠牲になりそうな命を明確に選ぶ描写があって、そのあたりも今までと一線を画してきた感があります。
結局女を選ぶのかよ、みたいな感想を今のところは見かけていないのと、状況を考えると単に間に合いそうだったのがそっちだったという話でしかなくて、急に命の儚さをどでかい派手な爆発で学ばされて道徳の時間でしたあそこだけ。どうして?でもその前のガツガツに間合いどうしてやりあってレースだ!!って派手に花火が打ち上がりその余韻の火花を追うカメラワークで場面転換するのすごい美しくてよかった。
レース前のご挨拶、「Dante, Enchanté」が韻も踏んでりゃ「初めまして」の挨拶をよりあなたに会えてうれしいという意味も含めて親密な感じで言う挨拶で煽り散らかしてて最高でしたね。ラベンダー色の車(服装も)は思ったより照明効果などによりそこまでラベンダーぽくはなくて(ペールトーンみが強かった)そこからのダメージは最小限だったんですが、まあワイスピ界の車は基本的に無事以外は爆発炎上して大破するので、爆発炎上して大破しました。はい。致命傷です。はい。やつらを公道に出すな。

まあでも最後にすべてを解決するのは肉体の物理的な強さと爆走する車のドアを走行中に開けて同じく爆走する車の空いているドアに飛び込める勇気と胆力なんですが。あまりにも生きていくハードルが高すぎるワイスピ界。何回か言っていますがあの世界で車の保険会社は何社か倒産しているか、「急に巻き込まれたカーチェイスなどについては補償しない」みたいな特約があるからな。やってられるかあんなの……でも道端のいい感じのカフェとか可哀想だから普通に保険が効いて欲しい。あと前作にもあったけど急な爆発を伴うカーチェイスから飼い犬をかばっているらしきモブのひとがおり、よかった。
俺はDolbyシネマに魂を売っているのでもう一回くらいDolbyで観たいし、IMAXのめちゃ巨大スクリーンでも観たい……と池袋の方をチラ見している。原語でちょいちょい状況をバーベキューに例えてるっぽい言い回しが何回かあって(ドムがわりとな頻度でみんなでバーベキューしてるシーンがあるから当てつけてるのかな)とも思いましたがなにせ情報の取得に忙しくてそれどころではなく……英語字幕見たいな…………。

最後にロック様も出てきたし、ジェイソン・ステイサムのサンドバッグになってた人が思ったよりおもしろい格好(状況はとてもかわいそう)だったのでにこやかでした。次…で……終わるんですか!?話が?!な感じでしたけど、そこかしこで言われているサイファーとレティのタッグ、スピンオフしてくれ〜!!!!!って思いました。
強い女と強い女が手を組んだらそれはもう最強なのよ。かわいいな〜、かわいかったな…前作もそうでしたけどけっこうやっぱりみんな肉弾戦もやるようになっていて、だからわりと前作あたりから車の運転以外でも解決されてることあったよな……とは思います。でも命のやり取りは最大級の感情同士のやりとりなので存分にやって欲しいです。
でもやってることは全部ファミリーのためという建前を取っ払ったら全部子供の教育には悪いからな。そこは前提条件として注釈をつけておけよ、とトレット家の教育に物申し他人になってしまう。リトルB、健やかに育ち、道交法を守れ。

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つらつら

日記:いいねボタンをつけてみたんですが、
どうなんだ………!?一応動作すればいいや〜みたいな気持ちで軽く設置したんですけどCSSとかいじりたいですねえ!数は管理画面外からは見えないようになっていますが、一応一日十回までの制限があります。Waveboxで絵文字連打するよりも気軽に押したい気分の時にどうぞ。そのうちお礼画像とかも整えたいです。

つらつら

映画感想:「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」
最新作が日本公開されているので事前予習で観ました。配信にもなっているので今更ですが一応全部ネタバレです。#映画感想

(承前同タイトル)「ICE BREAK」まではスピンオフも含めて観ていて、そのはちゃめちゃ景気良くすべてが壊れていく勢いが許されている世界観が大好きなんですが、今回もまあ〜〜〜景気良く全部ぶっ壊していきましたね!!!最高です。俺はフィクションならなんぼでも人が死んでいいし(推しも死ぬが……)景気良く爆発して欲しいタイプの最悪人間性所持者なのでだいたい全編にわたって手叩いて喜んでました。キャッキャキャッキャ。幼児の心が喜ぶ。

とはいえ人間の顔と名前が全然覚えられないのでさすがにドム(主人公)とロック様とステイサム氏(もはや役名がわからない)くらいはわかるんですが、レティがホルガ(DnD)と同じ人だって知らなくて再生し始めてすぐ「ホルガ姐さん!!!!!」って声に出ました。基本的に映画を作品単体で観て、俳優つながりで別作品も〜とかしないので全然その辺がピンときません。
ワイスピ世界は基本的にフィジカルと車の運転、正確にはドムがハンドルを握ればその後ろの車両部分がいくら炎上していても何とかなるのでドムがなにがしかの車両のハンドル握ったら勝ちです。そういう映画です。今回も勝ちました。
あと途中で死んだとされていたハンが復活したのめ〜〜〜〜〜〜〜っっちゃくちゃ嬉しくて、情報としてネタバレ踏んで知っていたんですけど「やった〜〜〜〜〜!!!!!!!」って声に出ましたね。珍しく死んだ推しが復活した例でした。最新作でもちゃんと予告で生きてたのでにこやかでした。これから死ぬかも知れん……恐怖が増してしまった………どうして…………………話が逸れました。

前作の悪役サイファーのことあんまり覚えていなかったんですけど、まあ毎回なんやかや世界を救っているのでなんやかや悪役にとっては「クッソ」みたいなことが起きているはずだ、っていう認識でも話がわかるのがいいですね、本当に。ちょっと人の顔と名前と役割を思い出すのが大変ですけど、その辺もうまく序盤の方で動きで説明してくれるので基本的にはどこから観ても大丈夫なの助かります。
今回、宇宙に行ってしまったので最新作であといけるところって言ったら地中(マントルとかコアとか)か深海かエベレストの頂上くらいしか残ってませんが大丈夫ですか?車の運転で何とかなりますか?という観客の疑問をスピードと車体の強靭さでぶっちぎってくれることを期待します。ラベンダー色の車が出てくるらしいのでちょっとあの…心を強くしていきます…………(このアカウントはラベンダーに傷を負っています)

クイーニー女史大好きだったので今回も出てきてくださってやった〜〜!!!!!です。ワイスピ、過去の登場キャラもさらっと出てきてさらっと仕事して退場していくので変なしっとりさとかテンポが悪くなるとかなくてその辺も好きな要素の一つです。あんな贅沢なカーディ・Bの使い方あるんだ……。よくまあこんなに毎回、だいたい同じ話を違うバリエーションでやってくれるなあ、という安心感も好き。あと大体爆発するので好き………俺の創作が毎回爆発しがちなの、ワイスピのせいでは??とんだ責任転嫁だよ。
物語が終盤になってくると基本的に爆発、カーチェイス、爆発と爆発、みたいな様相を呈してくるのでこのあたりからだんだん記憶が定かでなくなり、爆発を浴びるしかなく、手に汗握って心の中の幼児をきゃっきゃさせるターンに入ってくるので「景気いいな〜〜!!!!!」って大喜びしている以外の感想があんまりないのですよね。

テクノロジーの進歩と、技術はあくまでそれを使う側の人間の善性に左右されるということを一作目からずっとやっているので、倫理がなくても犯罪行為でも無免許運転でも、技術を正しく使う(ただし物理的に可能かどうかは定かではない)点において信頼性があります。まあ………車を横転させたりするのは全然正しい使い方じゃないんですけど………。
近いうちに最新作も劇場に観にいきたいところです!楽しみ〜!畳む

つらつら

擬人化:空を飛ぶひと
メタい話しよう」の後に描いたメーカー擬人化(ロッキード・マーティン社)の漫画です。作中にライト兄弟についての本が出てきたの嬉しいね、と言う話。#GAS
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一次創作,擬人化

擬人化:「メタい話しよう」再録
2022年8月13日に発行した同人誌「メタい話しよう」の再録です。「トップガン マーヴェリック」を観てどうしようもなくなった人間の叫びみたいな本です。軽い気持ちで読みましょう。ページ番号の抜けは表紙・裏表紙裏の白紙部分の省略です。#GAS

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一次創作,擬人化

日記:いろいろやりました。
汗をかく時期に向けて白Tシャツを新しく買いました。夏に白しか着ないのは単純にめちゃくちゃ汗をかいて見苦しくなる(自分が目に入って嫌)のを避けるためです。もう食べ物やみ物をこぼすという自分のおっちょこちょいと天秤にかけても汗で変色する方が嫌。

それに合わせてではないんですが、昨日一日少しばかり体調が低迷していて寝転がっていたりする時間が多かったので自分の買い物をすませてきたりなんだりしました。最近少し考えていることがあって、本来はもっと早くからそうしておくべきだったお金の動かし方(つまり貯蓄をもっとまじめにやるということ)に取り組み始めていて、改めて生活のもろもろを見つめ直している時期です。とはいえ特に変わったことをしていないんだけれども……少しずつ何年も動かしていないものを捨てたりとかそういう小さなことです。
何か一つものを増やしたら何か一つものを減らしたいので、しばらく着ていない服などを回収に出したりなんだりしたいなあとぼんやり思います。

加えて、昨日は体調が低迷していてもできる作業としていままでPixivに掲載していた小説をばんばん自サイトに移動させました。Pixivはもともとイベント参加のお知らせ用として運用していたので、特に積極的に活用していたわけではないのですが(単にユーザー数が多いのでタグを複数つけるだけでもそれなりに宣伝効果はあった)、ここ最近のなんやかんやを見て一応のために作品を非公開にしておこうという試みです。
AIもなあ………Misskeyの方に寝起きの長文を投げたこともあるんですが、今のところ技術(絵を描くためのツール。Photoshopとかと一緒)としては賛成なんですが、大前提としての権利問題などがあまりにも杜撰なまま一方的に悪意のある使われ方をしている、そういった使い方をするユーザーにおもちゃにされているという印象が強いので立場上は反対になるんでしょうか。少なくとも自分の描いたり書いたりしたものが勝手に学習元にされるのは複雑な感情があります。たとえすべての創作物は過去の創作物からの組み合わせであったとしても。

創作:写真から描き起こす。
2016年5月1日(Pixiv投稿日)のメモが出てきたので。1〜4枚目が説明で5枚目は作例です。古写真加工は幕末古写真ジェネレーターというツールを利用しています。#自分メモ

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一次創作

二次創作:君がくれた朝焼け
2021年12月26日初出(Pixiv)皆守甲太郎のこと全然わかんないまま17年くらい経ちます。そう言う話です。ネタバレを含みます。#九龍妖魔學園紀

無駄に三回、シャープペンシルの尻をノックしてようやく、判別のつかなかった感情の枠組みを怒りだったのかなと推定することにした。
死ぬような思いをして結局は手柄を横取りされたような任務でも、その感情は一切排したレポートというものを書かなければならなくて、素晴らしいことに俺はそれを事前に一度手書きで組み立てるという作業をするのだ。先輩方には鼻で笑われてるけども。
紙面から排した感情は、排された感情は、その真っ白さに跳ね返されてもやもやと胸の辺りを圧迫してくる。そのもやもやから目を背けたくて始めた作業は、学生の部屋に似合いの簡素な机の上にも持て余されて、ついにこの根城いっぱいにうっすらと沈殿してしまった。
すでに決まった結果はあまりにも大きくて頑丈で、ちょっとやそっとでは絶対に、たとえどんな準備をしていたとしても「そう」なるしかなかったようにまぶたの裏にこびりついていて、いつなんどきそれを振り返ろうが、いま抱いている感情を明確に思い出せるんだろうという確信ですらある。己を信じる第一歩はすべての己を疑うことで、一夜明けて八時間寝たそうとう冴えているはずの頭で何度「そうではなくない?」と問いかけたところで出てくる答えが一緒なのだからたまったものではない。
否定を寄越す相手はいない。そんな問答がどれだけ頭の中で余計なことを考えさせるか、だとしたらもっとあらゆるものを削ぎ落としておけば良かったと後悔が喉を迫り上がってくる。
机に向かって答えが出ないなら、とこれまた簡素なベッドに寝転んでみても、なんやかんやと人からもらったものたちが徐々に隙間を埋めて行った結果、書き物をするときにどうしてもどけたいものの、調理器具を床に置くのも気が引けてベッドの足元に鎮座することになる、その銀色の寸胴鍋がぎらぎらと視界の隅を焼く。
ぐぅ、ともうぅ、ともつかない唸りが喉だけ震わせて、結局気づけば食いしばっている歯の隙間から漏れ出ていく。
「さいしょっから、」
最初から、傷つけてばかりいたのは、たぶん、俺の方なんだろう。
隣に居づらくさせていたのは。それでも馬鹿みたいに些細なことで笑わせて、くだらないことで盛り上がって、「そう」させていたのは。
最後にそっちを、選ぶくらいには。
「──……あっべ、歯ぎしりしすぎて奥歯欠けたやつって経費でなんとかなるか?これ……?」
いっそ根本から抜けてしまえば戦闘中のどうとやらでごまかしも利くだろうに、大規模な戦闘が終わってひと段落ついた日中に、そういえば歯が欠けていましたなんてどう考えても追求される。
「いやいやいや新人だし……多めに見ろ……はぁ?……………」
てのひらの上ですら見失いそうな小さな骨の欠片は不釣り合いなほどに白くて、骨なんだよなという属性を主張してくる。どうした、それを見せるの、俺でいいのか。
「おれになにみせたかったの──?」
遠く、ためらいがちなスリッパのやる気のない足音がする。
しばらく待てばこの部屋の前でためらいがちに立ち止まって、きっとその長い指の関節が控えめにドアをノックする。きっと俺はどうぞと言うし、開いてるよって言うかもしれない。
右手に欠けた歯を握りしめて、ゆっくりと体を起こす。今になって欠けた奥歯のあたりに遡った血流を感じる。どうやら緊張しているらしい。
引きずるような足音がドアの前で止まって、静かな部屋にノックの音が響く──俺はいつまでも動けないでいる。畳む

二次創作

擬人化:君と箱庭の空
2017年11月12日初出(Pixiv)郵船さんと横船さんの関係性が萌える、というだけの話です。「擬人化四季報」に寄稿したので、ちょっと火がつきました。本文後に登場人物などの説明。#GAS

触れた手のひらに伝わるあまりにも直接的な骨の感触に、横船は思わず眉が寄る。
「おっまえ……」
「何だ、離せ」
返ってくるのは予想通りの声質。慣れたものだ、怒っているわけではないとわかるが、あと一歩のところでもある。
元はと言えば横浜市民の憩い場になって久しい娘(男)からの深刻そうな相談だった。
「郵船のお父様がね、また最近ちょっとお痩せになったように見えるの」
「お痩せにってあいつもう減るとこないじゃろ」
「ないと思いますでしょ?どうもあったらしいんですのよ……氷川の気のせいと思いたいですけど」
気のせいじゃないぞ氷川、と心の中で思念だけ飛ばしておく。受信ができたかはわからないが、おそらく何かしら飛んで行ったことだろう。
「お前なー、もうあばらゴリッゴリじゃねえか、ちゃんと食べてんのか?」
「食べ」
「おいそこで止めんな、顔を!逸らすな!」
長年の付き合いは三桁を越えた、お互いの扱いも慣れたものだ。
元々彼女は細かった。初めて出会った時から、華奢という形容は似合わないけれど、造船所として成り立った己と比べなくても細かった。どうやってその骨とうっすらした肉と皮だけであんなにも色々なものを踏みしめて乗り越えてこられたのかと思う。
その肉と骨の内に秘めるものはあまりにも大きくて、強い。それは十分すぎるほどわかっているけれど。
「成田の方でなんぞやいやいとやっとるんじゃろ、ちゃんと寝てんのか」
「なんで知ってる」
「お前なー、俺はもう天下の三菱じゃぞ。いやでも耳に入ってくるんじゃ」
これは少し嘘があって、本当は自分から情報収集をしているのだけれど、ばれたところであまり結果に変わりはない。慣れたものだ。
三菱、と己の所属を指すときに彼女が少し揺らぐのも。お互い、慣れてはないらしい。
約束もなしに乗り込んだ本社で、部屋に入るなり怪訝な顔のままその場に立たせてあばらに触れた。こっちの方が慣れてしまってはいけない気がする。
「ええーお前ほんと…どこにこれ以上減るもんがあるんじゃい……おかしいじゃろ……物理的に…」
「物理」
「質量保存の法則とかそのあたりが乱れとるぞ絶対」
「燃焼するのか、あたしは」
自然ため息は大げさになり、あと一歩の限界値が残り半歩になる。
そも人間ではないけれど、人間を基盤に成り立っている概念だ。寝食が必要な理由も始まりからわかっているはずなのに、何かが理解しているはずなのに、彼女の中の別の何かはそれをねじ伏せて摂取するエネルギーをすべて己の行動に費やしてしまう。
休むことをしないのではないだろう。必要な分はきっちりと計画されているはずだ。なまじ長生きしているだけあって、己の限界を見極めるのは早く的確であるはずだ。慣れたものだ。
見上げた顔は微塵も疲れを感じさせない。ただ、眉間のあたりに穏やかではない空気がある。理由はうっすら知っている。
本当のところは干渉できない。本当のこころは干渉できない。
「なんで、なんで俺お前にこんな頭悩ませてるんじゃろな…」
「悩まなくていいと言ってるだろう」
「おー、うるせーうるせー。そういうのは昼飯食ってから言えー」
時刻は正午過ぎ。どうせ朝に何か口にしただけで今の今まで座りっぱなしだ、大した消費もしてないと言い聞かせてろくなものも口にしていないだろう。机上の乾いたカップの中に、完全に乾いたコーヒーの色が物語る。このひとなにもたべてないです。
「美人薄命っていうじゃろ良い加減にしろ」
「言う相手を間違えてないか」
「美人じゃろが」
いつもならここで残りの半歩、歩み切ってしまっている。文字通り首根っこ掴まれて放り出されるのがオチだ。
ただし、時刻は正午過ぎ。燃料切れの体内もまた事実。迫力のある顔と、深いため息で事は済む。慣れたものだ。
「ここで立ち話してても始まらん、お前もう何でも良いから食べたいもの言え」
長く深い沈黙は想定内、少し視線が泳いだ後の回答は想定外だった。
「……シュークリーム」
「しゅうくりいむ」
「chou à la crème」
「憎いほどネイティブ」
場所は東京丸の内。およそ何でも、あるものはある。なにせ起源は岩崎弥太郎、呼ぶ人が呼ぶ三菱ヶ原、己も相手もそこに還ると言っても過言ではない。
「うん、まあ…俺この辺詳しくねえけど…なんかあるじゃろ、店」
「あるな。受付で聞いてこい」
「おう、そうするわ。ちょっと待っとけ」
簡易ながら十分な存在感の応接ソファに座らせて、これまたノックの音が果たして通るのか不安になるような扉を抜ける。
気が変わらない内にと逸る足が転ばないようにだけ気を配る。
場所は東京丸の内、時刻はちょうど正午過ぎ、太陽は午後の眼差し、空腹が味方する。
手のひらには硬い骨の感触。皮一枚の下に通う血潮の鳴動まで感じられそうだった、大げさでなく。
氷川に聞いた、と素直に言っても良かったが、まだそれは最後の手段として取っておく。心を新たに前を向き、決意を新たに駆け出した。


ひとり、嵐のような来訪が去った静けさに取り残されている。
確かに空腹ではあったので、そろそろ切り上げてしまおうと思っていたところだった。
脇腹の少し上、ちょうどあばらの終わりのあたり、どこから見てもくびれなんてものはないが、体格の割に大きな手のひらに不満だったらしい。
「……わかってないな」
誰にも聞かれやしないから、と珍しく自室なりの油断で声に出す。
成田のごたごたは、きっともうすぐ片が付く。確かに少し切り詰めていたが、そこまで重労働とは思っていなかったのも事実だ。
「…わかってないぞ、ばか」
口にするのは何でも良かった。できれば軽いものだと良かった。それでも何だか真剣に見つめる視線で思い至った。
「横浜からだろうが、あいつめ」
望まれて、うまれた。言葉は同じでも望まれ方がまるで反対だ。
片や共倒れを危惧されて、双方から半分ずつ。片や京浜地区一帯から市民から、本当に必要とされて。
「一緒なら、」
一緒なら、きっとなんでもできると思った。
全くそうは、ならなかったが。
本当は、隣に座って、言葉もなくて、静かで良いのだ、こんな午後は。
時刻はちょうど正午過ぎ、太陽は午後の眼差し、空腹は静かに訴えてくる。
切れてしまえば回らない集中と思考回路。単純なものだと己でも思う。
疲れた目頭をもみほぐす指も、彼にしてみれば細すぎるのだろうか。人間と同じように影響しない時間の中で、多少は変化があったと思う。
最低限と整えている爪には一本の筋もなく滑らかで、短く端正に揃えられた丸みが気に入ってはいる。少しだけ節が目立つが、無表情ではないと思う。
気に入られようとあえて思った事はない。嫌われてると思っているならそのままでいい。
気づかないでくれ、と思う。これ以上重荷になってたまるかと思う。決別の仕方が仕方だけに、そもそも彼は己に対して引け目があるのはわかっている。嫌という程。
心配をかけるつもりはなかった。動向を知られる気もなかった。愛しい娘の観察眼を、少し侮ってはいのかもしれない。
口にするのは何でも良かった。味の有無すらどうでもよかった。ただ隣に座ってうるさくしながら何でもない話ばかりしたかった。できれば明るい話を。本当は、
「お前と一緒ならなんでも良いんだ」
溢れた言葉はおそらく誰も聞き取れない振動で目の前の空気を震わせただけだった。

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娘(男):氷川丸さんのこと。女装おじいちゃんなので。また、氷川丸さんは郵船さんのことも横船さんのことも「お父様」と呼びます。郵船さんが自分のところの船には全部自分を「父」と呼ばせているだけです。

成田でやいやい:NCA設立のあたりです。時系列をお察しください。昭和50年代丸の内にはたしてシュークリームがあるのか。きっと洋菓子店はあったと信じたいです。余計な時系列を作らなければ良かったのですが、郵船さんがあの規模になってから痩せるようなことがあるのはきっとこのときくらいだと思います。

シュークリーム:幕末の横浜外国人居留区ですでに西洋菓子店が営まれており、一説にはメニューにシュークリームはなかったそうですが、当時すでに本国ではメジャーなお菓子であったのでおそらくそこが日本に入ってきた最初では、ということです。
なお、そこに日本人菓子職人が修行に行きその後に日本で初めてシュークリームを発売する菓子店を開店したとか。畳む

一次創作,擬人化

擬人化:いちめん、ゆきすぎる
2014年2月8日初出(Pixiv)本庁さんがのろけてるだけです。ひさなさんの擬人化宗谷ちゃんをお借りしています。#GAS

一面の白色というには濁りすぎた、それでも全面的な無彩色。
右から左へ、目線と並行に飛んでゆく霞のような白色。
「やめた方がいいんじゃないですかね」
左からの忠告。
「電車、止まってるそうですよ」
二度目は適切な報告を含んだ指摘。
「ていうか、やめろ」
三度目は容赦のない警告を一段飛ばした、不穏。
ガラス一枚、人の気配に従順な扉の向こうは無彩色。時折すぎる傘の色合い、マフラーのたなびくさまにはっとする。
「ちなみに横須賀は完全に孤立しました。さっき」
「…行かないよ、そこは」
よりにもよってこんな天気に、まだ距離を測りかねているところになんて。
それでもこの日の約束のためにいろいろと明言できない部分で暗躍を重ねて、息つく暇をひねり出したのだ。おいそれと諦めのつくものではない。
自然に対してあらがうことが、なにより無駄だと知っているけれど、それならそれで渡り合うくらいはできるのだ。
「京太郎は、帰りどうするの」
場所は東京、お台場。
諸事情でお世話になっている放送局の球体が、霞んだ幕の向こうにあるのだろう。
隣から親切な停船命令を静かに発する彼は滑らかに指先で眼鏡の位置を直した。
「こんな天気ならしゃあねぇです。直行します」
軽くため息、つくづく真面目な彼なので本来であれば一足飛びに動ける距離を、きっと満員電車や疲れた乗客にまぎれようとはしたのだろう、ぎりぎりまで。
そんな中を、待っていてくれるだろうか。
そんな中を、連れ立って歩いてくれるだろうか。
寒さには慣れているだろう、なにせ南の果てまで六度行った。
冷たいのには慣れているだろう、なにせ北の大地で氷を割って走っていた。
だからといってそれらが全て堪えないかと、それらの全てを気にも留めないということではない。
「だから素直にやめとけって言うんですよ」
でもね、と咄嗟に言い訳の前段階が口を出る。出そうになるのを、のどの奥で押しとどめたのは及第点だろう。
素直になるなら、楽しみなのだ。
眠れないほど、ではないけれど。少し、行動の些細な端々に落ち着きをなくすくらいには。
「…かまくら、とか」
「ちょっと足りねえんじゃないですかね」
地名でないかは確認されない。
雪玉を投げあうには人数が足りない。かといって雪玉を重ねるだけのだるま造りはあまりに体を動かさない。
「最後にいいますけど、天気予報じゃこのあと大荒れだから小さいお子さんとのお出かけは特に控えろって」
「一応、大きいです」
「お子さん部分を否定しろよ」
想いも寄らなかった部分へのつっこみに少し驚いた顔をしていると、じろりと一瞥を食らう。
そのあとのため息は、自分自身への諦めと納得を呑みこんだ反動だろうか。
「寒くなったらすぐに屋内に入ること。できれば暖かいものを摂ること。いざとなればまつなみに言ってください、甘酒くらいならすぐ出ます」
「まつなみは…どこへ行くんだろうね。方向性」
「迎賓艇ですから。そしてあなたが方向性について言うな」
全ては一存、ではあるのだけれど。個として確立した先のところまでは、影響できない。
無力だな、と思うことはなくなった。力が足りないな、とは常日頃から思っている。
己の手のひらの小ささを思い知ったいくつかの出来事と、それに付随する感情は長い時間に晒されていつか口角を上げられる日が来るだろうか。
「…あのね、わかってないようだからあえて言いますけど」
「うん、なに?」
呆れたような、諦めたような、それでいて少しだけ妬いているような、加えて少しの、嬉しそうな、送り出す、それに似た、
「そんな顔してる暇があるなら、さっさと迎えにいけってんですよ」
暖房が効きすぎてもない適温の屋内、寒すぎて色づくでもない頬の赤みを自覚しろというのが難しい話だ。
けっ、とひときわ大きく呆れられて雪降る中に追い出された。
「待たせてんでしょ、せいぜい走ったらいいんです」
吹雪の中に傘はなし、風はあいにくの向かい風。まともの語源は順風だったかといまさらそんなことを考える。
この雪を走り抜けて、あるいは走れずに歩くはめになったとして、待たせた人に合う頃に頬の赤みは意味を変えているだろうか。
例えば、同じようにその頬がうっすらでいい、色づいていたら、その意味するところが同じであるなら、もうそれ以上は望まない。
きっと手袋の中の指先も手のひらも着く頃には冷えきってしまうだろうけれど、冷えただろう頬に触れる理由が一つある。ひとつあるなら、十分だ。
息を吸う、走り出すための準備にしては温度差でむせそうになるけれど、言われた通り待たせているのだ。
純白というには濁りすぎたそれでも無彩色、そのオレンジは燦然と輝かずとも確かに目につく色をしている。目につく理由は、それだけではないにせよ。
吐いた息は真っ白に煙ってあっという間に流された。
ああどうかこの鼓動の上ずりが、違う意味になりますように。畳む

一次創作,擬人化

擬人化:なつの洋上、きらめく
2012年8月26日初出(Pixiv)夏のつがるさんと、ユーカラさんの話。いちゃこらしてます。#GAS

北国とはいえど夏場になればそれなりに暑いものは暑い。
そういうとどこかで勝手に我慢大会をはじめて、参加表明もしていないのに周囲はそれに加わるべきだと信じて疑っていないような南方の住人がわめきだしたりするのだけれど、頑に。暑いものは暑い。
陸上ならばまだ、日差しを遮るものがあるだろう。反転、洋上ではまるでなにもない。どこまでも続く水平線、平時であればロマンにあふれたこの決まり文句も今だけはただただ地獄の入り口にも等しい。
上空へ上がってしまえば高度と温度は反比例してずいぶん凍える思いもするから、己はましな方だという自覚はある。
だがその基地となる船はと言えば毎回見える景色はほぼ同じ、洋上に一点、目の覚めるような白色を横たえて一切の日影を持たない。晴天の陽光を跳ね返し、挑むように浮かぶ姿に心底惚れているのは自分だけれど、それが気の毒にならないかといえばそうではない。暑いものは、暑いのだ。
「あっ……つい、って、いったら一回いくらだっけ?」
「百円か五十円でさっき揉めてたな」
「やー、もうこの暑いのにそんなことに体力使うのもったいないわよ、絶対」
散々主張した上であっさり翻すが、外気温に関わらず船内の空調は整っているのだから格納庫なんかよりもっと涼しい場所はある。さっさと涼めばいいだろうに、何故だかいつも文句をいいながらここへ来る。その理由が自分で思っているものと同じであるか確かめたことはない、といったらどこかの誰かはあきれ顔でなんて臆病だとため息をつくだろう。
「ねえ、涼しくなるような話して」
「……昔、海面捜索しててだんだん暗くなってきたんだけどな、気づいたら現在地がわかんなくなって、燃料も少ない上にそこがたまたま起伏の多い地形だったからどこに不時着していいかもわかんなくてな、そんで」
「やめて、わかった冷えた。ありがとう。あと君自身のことでなくてよかった」
「固定翼が着陸しようとしたら滑走路の灯火じゃなくて格納庫の灯火であわや、だった話は?」
「いい、いらない。あー、機体がひんやりしてて気持ちいいわ」
機長席から軽やかに降りて、その柔らかい手のひらを押し付ける。このまま抱き枕にならないかな、とささやかな希望を聞いたのはなかったことにする。
「君は、さ」
一瞬よこしまなことを考えたのが気配でも伝わったかと身構える。
「君は、どれくらいあたしのこと好きなのかな」
身構えたまま、動けなくなった。
そんなこと考えたこともなかった、からではなく、搭載機であると定められた瞬間からもう、どうにも焦がれてやまないから。
ただ帰る場所はひたすらにここで、彼女で、その一点で、送られるその言葉も迎えられるその言葉も、ただ彼女からのものであるから自分の世界に意味を持つのだと、思っていたから。
尺度は、用意もなかった。
「ど、れくらいって…言われてもな」
言葉に詰まる。自分の知るありとあらゆる単位では、その輪郭にすらふさわしくない。
かつてないほど考えて、ふと、明確な数字はあるだろうけれどその正解を知らないものがひとつ。
「あー……海の体積くらい」
少しだけ語尾を上げて疑問のようにしたのはせいいっぱいの照れ隠しであることが伝わらなければ良いと思う。
ふうん、とそれを受け取ってからの真面目な顔で返る言葉をひたすらに待つ。
「1.37メガ立方メートルか」
「っ、おい、人のせいいっぱいの回答をお前は……!」
さらりと明確に示された数字は予想もつかなかったけれど、自分なりにうまいことを言ったつもりでもあっただけに反動は大きい。
「はは、冗談だよ」
「じゃあそういうお前はどうなんだよ」
売り言葉に買い言葉、というには自分に都合が良すぎると思いながら反撃の意味を込めて今まで秘めていた気持ちを一つ、口から放つ。言葉という輪郭を持って放たれたそれは、どうやらすんなり届いたらしい。
ほんの少し予想外だったように目を開いて、吞み込んで理解するまでの二秒、細められた瞳はまっすぐに貫いた。
「言わなきゃ、わからないかな?」
もうぐうの音も出ない。かなわないのだ、どうあっても。
ないものだと思っていたけれど、確かに胸の辺りが温度を持って跳ねる、喜びにかそれとも別のなにかにかはわからないけれど、心というものがあるのだとしたらきっとそれはこの温かで、熱いくらいの温度で喉を灼くのだろう。
返す言葉は、見つからない。無言の敗北、惚れた弱み。
「君のそういうところ、好きだよ」
ふわりと首を少し傾げて、ああたぶん、わかってやっている。
その満面に浮かべた笑みが、ふいになにかを察して緊張感をはらむまで、一瞬だったのがまだ救いだ。
「さあ、お仕事だ」
身の引き締まる、単調な高音。続く状況の断片、にわかに騒がしくなる船内のざわめきを遠くに聞きながら浮かべる笑みの種類は違う。仕事とあれば切り替えは簡単なはずなのに、今のこの瞬間だけは名残惜しい。
「あのなあ、つがる」
ため息まじりに名前を呼ぶ。そのあとに続く言葉は特にない。呼んだ名前の残す空気がいつもよりも耳につく。
矢継ぎ早に状況が明確になって、どうやら自分も出番のようだ。
「言い分は帰ってから聞くよ、ほら、いってらっしゃい」
甲板に引き出されて着々と飛ぶ準備の進む中で自分の背を押す当たり前の単語が意味を持つ。その対になる言葉を聞くために、やるべきことは目の前に。

飛び上がった眼下に一点、やはり日影を一つも持たない目もくらむような白色。畳む

一次創作,擬人化

擬人化:あなたのとなりを、
2012年4月27日初出(Pixiv)つらつら書いていたら羊蹄丸さんの片思いになりました。携帯電話というのは便利な半面倒にもうすっぺらなフィルタが一枚かかってしまう短所があるように思います、という話。#GAS

たとえばあなたへの言葉を明確な輪郭に乗せたとして、それはたぶん感謝のかたちしているのだろうと思う。そうしてそれを簡単に伝える方法はあるのに、安易にその形式に乗せてあなたへ飛ばしてしまいたいとは思わない。

静かにたたずむようになってからしばらく、内側に抱えた容量と同じだけの虚無と空間を持て余すように過ごした日々にしっかりと残ってしまったとなりのアラートオレンジ。
小さく起きた岸壁への反動、そんな波にもよく揺れるどことなく不安定な丸みの際立つその流線。ずっととまって動かずにいるせいで、すっかり色のあせてしまった左側。
外からも内からも波と気候と生まれてからの歳月に蝕まれて、もはや人の立ち入ることの出来なくなったところすら抱えて、ひっそりと静かに賑わうその眩しいくらいの太陽の色。現役時代に見慣れていた一面白色横殴りの吹雪でも、きっと容易く見つけられる、そうして実際それを目的に塗られたその色。時代と人の願いを背負った希望の色と言ってしまったらそれは過言がすぎるだろうか。

低く掠れた、何人の名前を呼んだだろうか想像もできないゆっくりと震えるその声で呼ばれる名前が好きだった。遠い潮騒と暗い雨音にかすんでしまうその声が耳から入って抜けるとき、それに対して敬意でもってなんですかと問い返す己が誇らしくすらあった時もある。思い出は美化されて、想像は都合がいい。

決して同じ方向としての矢印ではない返される言葉と、あなたが気がつかないならそれでとおこがましく放った己の言葉と、その応酬を続けたいがためにこの無機質な塊が映し出す単調な連打の継続で綴る文字を駆使するのはなんだかもったいない気がする。だからといってそんな無機質の塊を通した声がその裏側の思いを問答無用に裏濾ししてしまうのも気に食わない。己の気持ちが隠れることではなく、あなたの気持ちを読み取れないことが。

覚えてしまったあなたの癖も、繰り返される同じ話も、聞くたび異国の話のようで事実その大半ははるか南の極地のことであったのだけれど、なぞるごとに一筋ずつほどけていく氷河にも似てあなたに近づいた錯覚すら感じたそのきらめく時間の数々。ずいぶんと感傷的なのは笑ってください、と誰に向けるでもなく口角を上げたところでそれに対する相づちも苦笑いも返ってはこないのだけれど。

いまここで、あなたの名前を呼んでもいいですか。
盛大に、己に幕を下ろすその前に。

恋、というにはあまりに単調で無頓着だった。愛、というには少しばかり執着がすぎた。
それは所詮、それらの感情への理想論から著しく外れていたというだけのことだけれど、それでも確かにあなたに抱いた感情は尊いものであったと思う。あれほど恐れた何の変化もなくなってしまう日々に、気がつかないほど少しずつ薄れていつかそのままいなくなってしまうのではないかと日々をおびえたはずなのに、今となってはもう、それが一番正しかったのだとすら、おこがましいほど取りすがる。

夜、世界は眩しくなりすぎた。それでも、海というものは真っ直ぐに暗い。
いつか聞いた明けない夜と暮れない夜の話がよぎる。そんなのはまっぴらだと、想像だけで笑った己も、その隣も。
誰の許しもいらないはずなのに、誰かに肯定して欲しくて泣きそうなほどの星空からつま先へ視線を投げる。


いまここで、あなたのなまえをよんでもいいですか。畳む

一次創作,擬人化

擬人化:くもりぞら、アラート、
2011年12月15日初出(Pixiv)総合訓練が天候不良で中止になったのでそうやさんが遊びにきました。そんな話。#GAS

およそ海を知る身にとって低気圧というものは嬉しいものではありえない。悪天候で雌雄が決する戦いなどいまの世界には、少なくとも己のいた海峡間では起こりえなかった。つまりこの世は平和なのだ。
近く、しかしもはや自力ですら辿り着けない湾内で一年に一度の盛大な催しがあるとかで、隣の桟橋は空っぽだ。
波が不穏にうねる。低い圧力にぎしり、肩が軋む。腹にぶつかる冷たい海水が生ぬるい波を生んで、不規則に吹き下ろす風がばたばたと煩わしい。黄みがかった灰色の空が降ろした幕で遮られた陽光は景色を見事に平均化した。
一輪、切り裂いたような白色。
「こんにちは」
穏やかに響く柔らかい低音。いまだ現役の、赴任地は親しんだ北国の果てでその白色を見慣れてはいてもけして親しくはないその影と気配。
改造の末に砕氷船として生きた隣のアラートオレンジ、その後継として造られた、この国二番目の砕氷船。
青い海に映えるように威厳をもって制する白色、穏やかに上がる口角、なにを取っても似つかない外見はしかし不思議と既視感になじむ。
「こん、にちは…あれ、えーっと…東京湾でなんとかじゃなかったんですか」
とっさに名前が出てこなくて、少しの驚きでごまかせる範囲を探るように名称をぼかす。
「観閲式はこの天気だから中止になってしまって…時間が空いたものだから」
「あ、そうなんですか。わざわざどうも」
「ええ、突然でご迷惑かとも思ったんですが」
距離を測りかねているわけではない。ただ、立ち位置がやや不明なのだ。
直接的な関係はなくて、間接的というにもそのつながりは薄い。ただ単に、隣に並ぶ船の、後継というだけ。親だ子だ孫だ血縁だ、そういうものが存在し得ない関係だからなおのこと作る顔に困ってしまう。もちろんそこには主な目的が自分との会話にないだろうという予測も含まれているからこそ。
「先代は?」
「ああ、この天気なんで朝からちょっと」
調子が悪いみたいですと素直に申告しそうになってから慌てて気遣いのようなものが顔出して、おかげでやけに含みのある言い方が残る。ただ動くこともなく係留されているだけの状態は、思ったよりも天候に左右されやすい。気圧が低ければ節々は軋み、脆く弱くなった鋼鉄は悲しげに引き攣れる、毎回のことではないけれど時折、目を開けてすらいたくない時というのがどうしてもやってきてしまうのだ。
その微妙な心境を長らく前線で働く立場にどうやって伝えたものかと逡巡してみても、予想に反して相手はそうですかなんて納得している。
「…ご迷惑じゃありませんか」
「何がです?」
「いえ。——いつも、みていてくださるんですか」
その「みている」に含まれる意味がどちらなのかわからなくていまいち漢字に変換することが出来ないけれど、結局どちらの意味でもたしかにいつも、それこそいつも、みていると言えばみている。
「そう、ですね。ま、この距離なので」
「そう、ですよね」
ふふ、とこぼれるその笑い方を、似ていると言ったら気を悪くするだろうか。遠く、想像のつかないという意味では同じ距離を走った経歴で、生粋ではなくとも砕氷船として生きていれば所作の端々も自ずと似通うものなのだろう。
風が吹く、先ほどよりすこし強い。日も暮れて空気も心なし冷えている。程度の差はあれ、自分だってここでぼんやり立っているけれど、指先の細かい動作が今は不安だ。
来客には悪いけれど早々に引っ込んでしまおうと肩にかけた外套の襟を正す。
「これから宗谷さんの様子見に行って、それから俺も中に入りますけど、どうします?一緒に行きます?」
「うーん…先代、寝ているだろうから起こしてしまうと悪いし、今回は遠慮します」
「わかりました。起きてたら追いかけないように言っておきます」
その意味を理解したのか小さく吹き出して、頼みましたとほほを緩めた。
気が向けばどうしようもなく執着するくせにまったくあっさりと境界線ではねのける、その多面体の原因がどこにあるのか知っているからなのか、それとも自分の知らないなにかを語られたことがあるのか、くすんだ陽光に挑むような潔癖の白色をまとってこんな日にはぜひとも拝みたい夕日にも似たアラートオレンジを見つめる視線は少し、安直さに欠けた。

一番居心地が良い、と自負するだけあってなかなか座り心地の良い士官食堂のソファの上でまるでおびえるように小さく寝転がる姿を見ながら、その視線に含まれた何かを自分は詮索するべきかどうかを少し迷った。畳む

一次創作,擬人化

擬人化:おたがい夏の身の上ですので。
2011年8月31日初出(Pixiv)宗谷さんと羊蹄丸さんの不穏な会話。時事ネタに愛だけ込めると、こうなります。#GAS

たとえば、どこかで何かがどうにか違っていたところでこの人にかなっただろうか、と隣のアラートオレンジが小さく風に居心地をただすのをぼんやり見ていた。
また台風だって、と解釈によっては投げやりにすら聞こえるつぶやきを上手に自分は受け損なう。
「荒れますか、ね」
「どうだろうね…真っ直ぐあがってきているけれど、うまいこといなくなってくれるといいねえ」
それが、その一種の投げやりがけしてあきらめでも本当の投げやりでも他人事でも無関心によるものでもないと知っているのに、今の今まで茫洋を気取っていたつもりで余裕なんてこれっぽっちもなかった自分は見事に裏目に食らいつく。
まるで自分のことのようだと精一杯の皮肉と嫌味を、ゆっくりと波の立つ表面にこぼす。
やたらと気まずい、だろう。それを狙っているのだから結果だけは順風満帆、そうしてあくまで、結果だけが。
風が湿気を帯びて来た。
「あんまり、そういう言い方は好きじゃないかな」
控えめに、遠回しに、一足飛びに、切り裂く鋭さはないものの、砕く強さは変わらずに、いつもたたえる笑みも潜めて、追い打ちのようにぽつりと跳ねる。
「あなたになにがわかるんですか」
まるで三文芝居の打ち返し。普段はどうして生きる時代の違いからなのか歩んだ道の違いからなのか、すれ違い噛み合わずお互い困惑することはあっても衝突なんて滅多にないから、(ああでもこの人が何を言おうと自分はつぶあん派なんだけれど)、さてこのステレオタイプな書き割りの打ち返しをどうやって呑みこんでくれるのか一瞬だけ楽しみであったことはいつまでも秘密にしていようと思う。
微笑でごまかす無表情が少しだけ、裏側に何かをにじませた。
「それは、でも、」
空気はにわかに重苦しい。低く掠れる応答の声。
つ、と逸らして一瞬のちに、すい、と見据える視線の動きの深層で一体何が動いたか、多分自分にはわからない。
「それはでも羊蹄丸さんがきっと僕の事をなんにもわからないのと同じだよ」
これが芝居なら観客は席を立つ。総立ちで手を叩き、感動にむせび泣き、舞台の上の役者二人を讃えることなく、無言のままで席を立つ。
ああずいぶんと、下手を打った。
「そりゃ、そうですね」
「そうだよ」
「そんなものですかね」
「そうかもしれないね」
「こういう言い回し、嫌いじゃないんですか」
軽口の最中に本音を滑り込ませるのは反則だ、と誰からも教わってはいないのでここまで来たらもう一芝居、下手を打ってもいいだろう。
「好きじゃない、という程度かな」
装う無表情、仕切り直しの苦笑い。ふふ、と押し出す軽やかな声。まるでいつもの、時刻表。

喝采、あなたに。
いま俺はとても愉快です。畳む

一次創作,擬人化

擬人化:しろい海峡のうた
2011年8月5日初出(Pixiv)てしおくんと流氷のはなし。はじめて挑む、流れる大陸。#GAS

それに関しての知識は持っていたし、資料として数値のたぐいは覚え込んでいたし、おそらくこの体はそれを本能的にとらえて対応する事ができる、そういう事を目的に作られているから問題ないとはわかっているのに、その事実は決してこれから対面する未経験の領域に有効であるという確信になりはしない。己の事のはずなのにいつの間にか遠い国の物語のように聞いていた自分が恥ずかしくなる。

色々なものを秘めて、隠して、そうして押し寄せる、一面の、しろいろ。

「───、そうやさん」

隣に立つその人の袖口はいつもちょうど手を伸ばした高さにあって、その両手は自分ではない誰かのためにいつも空けられているのを知っているから、あくまでそっと控えめにおこがましさに見ぬ振りをしてこそりと小さく袖を引く。
意識と視線が瞬間の時差で自分の方を向いたのがわかる。それなのにこの眼前に広がる白色に向けられた視線は動かせない。

「そうやさん、」

飽きるほどの、白色。
少し濁った、空の色。
ゆっくりと迫り来る、そうして足を絡めとる。

「つめたいです」

ふ、

「さむいです」

気をつけてゆっくりと、息を吐く。体内の熱を必要以上に呼気に乗せて吐かないように。
隣に立つこの人のすらりと伸びた背筋の中を、通る空気はあたたかだろうか。腹の奥から伝わるこの軽微な震えは一体、どちらの種類の震えだろう。

「そうだね」

引いたまま離さない袖口からそっと優しく指が解かれて、自分と同じ厚い布で守られた手が握られた。
まだ少し遠い波の向こう確実にそうしながら揺られて意のままにままならず流れてくる、白い群。

「往こうか、てしおくん」

耳を打つ声は低いと感じる少し上を響かせて、言葉と一緒に少しだけ力が入ったその右手にあたためられていた左手が、冷たい空気に解放される。
もう一つだけ深く長くの呼吸を一組、吐いた息は白く煙って風の中に消えて行く。いずれあの白い塊は陸地のような形相で己の行く先に横たわる。

どうかどうかそのときぼくが、はじめの一歩を誤りませんように。畳む

一次創作,擬人化

擬人化:お台場から愛を込めて砂嵐を越える
2011年7月24日初出(Pixiv)文章が久しぶりすぎて震えます、愛され系宗谷さんと地上デジタル放送の話、と、そうやさんの受難。(時代が見える………)#GAS

まあこの世の中は便利になったもので画面を見ればこのあと自分の耳に悲痛な叫びを流し込むのが誰だか明確になってしまうのが少々うんざりするけれど、ここでこの着信を無視したところであとからふくれあがった面倒ごとが真正面からやってくるのは簡単に予想できたから、小さなうなりを上げる端末機械には心底うんざりさせられる。
乗らない気分を不穏な気配と判断して意識だけこちらに向けたせきれいを背中で感じながら、仕方がないので通話ボタンに指をのばす。ぷちり、とあっけない沈みこみがあって、瞬間、
「そうやくんちょっと聞いてくれるかい!」
耳から少し距離を置いて待ち構えていたのが幸いしてそれほど響かず済んだけれど、やはり大きなものは大きなもので息を一つためてこぼすには十分な声量が通話口から飛び出した。
遠くお台場でのんびり余生を過ごしているはずの先代はこの携帯電話という文明の利器を授かってから何かにつけしょっちゅう自分へこうやってさも世界の終わりに面したような悲痛な声で助けを求めてくるのだけれど、内容と言えば大体が第三者から見れば頭の上に乗った眼鏡を探しているような塩梅で、呆れながら助言とも言えないような言葉を二、三与えて終わるのが常だ。そうして今日に限って、今日のこの日のこの時間に限って言われる事と言えばもはや用件は一つしかない。
「なんですか」
なるべく事務的に、を心がけなければならない関係というのも面白い。それに気づいているのだかいないのだか、それともそれどころではないからなのか、極力の努力をあっさり流して話を続ける。
「てれびが!テレビが砂嵐になるって!」
「ええ、でしょうね」
己の予測が一言一句まったくもって外されなかったことに脱力しながら、電話の向こうで慌てふためくそのようが目に浮かぶ。そもそもあなたはテレビ見るんですか、と聞きたいところだったけれどこれ以上自ら話に踏み入って長電話をするのも本意ではないのでさっさと終わらせるように軌道を修正することにした。
「どうしたらいいと思う?これからテレビが映らなくなっちゃうんだって」
「でしょうね、以前から言われてたじゃないですか」
「昭洋くんが、なんだっけ…”わんせぐ”?とかいうので、あれ、携帯電話でテレビが見られるっていうのを教えてくれたんだけれど、僕のじゃ受信しないみたいなんだ」
「でしょうね、簡単携帯ですから」
「どうしたらいいとおもう?」
「知りません。あなたパンフレット読まなかったんですか」
「読んだよ…仕組みは理解したよ…」
「それでどうして何の対策も行わないんですか」
前もってわかっていることに対してどうしてここまで大騒ぎできるのか、理解の範疇だ予想の範囲だそういったところを全部乗り越えたところで思考するらしい先代の慌てぶりが、それに対して打開策を求められているこの状況がだんだんとイライラに変わるのにもそうそう時間はかからない。
「そもそもあなたはテレビ見るんですか、日常的に」
「あんまり見ないかな」
「けろっと言うな。見ないならそれで良いじゃないですかどうしてそんなに大騒ぎするんです」
「でもたまに見たいじゃない、ニュースでそうやくんが出てる時とか」
「やめてください、恥ずかしい」
ああ、何だってこの人は。
しかし少しでもしょんぼりなんて書き文字が後ろに見えるような顔で声で困ってるんだと一言、言われてしまえばどうにかしてどうにかしてやりたいと思ってしまうのも事実でそれはつまり自分の中の唯一の弱みと言っても過言ではなくてそしてそれは大体誰にでも当てはまるらしい。つまるところ自分でなくてもこの電話の内容をそのまま他のどこかへ向けてしまえばこんな冷たい対応ではないもっとあたたかで的確で迅速な対応が受けられるというのに、何だってこの人は、
「そうや」
「どうしたの、せきれいくん」
話し中だけれど、と視線を向ければその先には何とも言えない複雑な顔。
「なんだかんだでもう30分は喋ってるぞ。気づいてないから言うけど」
「わー、せきれいくんいるの?ちょっとお喋りしたいかもしれない」
「ちょっと黙っててください」

——ああ、これだから。畳む

一次創作,擬人化

映画感想:「NOPE」はいいぞ、永遠にいいぞ。
大好き映画「NOPE」がアマプラ見放題になったので改めて感想すべてがネタバレ。#映画感想

本当の本当に一部ホラー映画の表現はどうしようもないとして創作をする人類みなすべて一回は観てほしい映画すぎて、ことあるごとに人様の耳元で「NOPE……いいよ………」って小声で囁く妖怪なんですが、いや本当によかった……………毎回良い……………。

けっきょくホラー映画の皮をかぶった怪獣大戦争映画だと思っているんですが、びっくり要素や怖い音がたくさんあるのは仕方ないね…という感じなのでおすすめし辛さと人の選び方が尖っているんですけれども、散々言われているように創作物をエンターテイメントとして消費するにあたって動物をはじめとるすもの言わぬ立場の弱いものの搾取や「見えなかったことにされている」もの、ものが言えるけれども同じものとして扱われない現状(人種や出自などのあらゆる差別)、これ(映画本編)を観てなにかを思っているお前たち観客はあのGジャンといういきものを「観て」いるので本来は喰われる立場にあるのだぜという静かな提示、撮影にとりつかれて自分の命がどうでもよくなってしまったひと、勝手に監視カメラの映像は見るけど(倫理……)すぐに「(馬の)家族だぜ」と言い返せるひと、そしておそらく人種と立場(おそらく映画制作において人間の言うことを聞かない動物は基本的に下に見られており、それにうまく言うことを”聞かせられない”調教師も含めて疎まれていても仕方がないのだ。だから仕事がない)のせいで最初から「なかったもの」にされているひとの放つ「見たかよ!」の声…………………すべてが………………。

ものを創るとき誰かを傷つけずに済むと言うことは絶対になくて、どんなに救いのある話であろうと「救い」が生まれるためには救われていない状況がまず発生していないといけなくて、それを無視して例えば主役を立てるためだけにマイナス部分を負わされているキャラクターが不可欠で、それが人間であったり動物であったりそのときどきで異なるのだけれど、往々にして「そういうところ」に置かれやすい属性ってどうしても決まってくるじゃないですか、淘汰で。
毎回最後が怪獣大戦争映画になるのはちょっと面白いな、と純粋にエンターテイメント作品を観る気持ちになるんですけどあの作品が抉りたいところを考えるときっとそういう「なんでだよw」みたいな軽い笑い(そしてそれは往々にして我々の無意識下の選別で”下”、”これは自分が笑っていいもの”という判断をくだされたもの)ですら観客が気がつかないところでやっている選別を狙ってきていてもおかしくないな、と思うわけです。

こういう考え過ぎか?という考察をさせるだけの余白と、情報量と、恐らくは、という予感や回収されなかった要素、あえて描かれなかった要素のことを考えると、ホルストの服薬の事情とか少し足に怪我かなにか抱えているような動きとか、エンジェルの家族構成とかバックグラウンド、ジュープのあまりにも人生の早い時期に経験してしまった神秘的(ともいえる残酷な、神は大体残酷なので)な体験がこびりついてしまった魂のこと、あの世界には存在するけど特に今回の話には関係ないから描かないぜ、で済まされたあらゆることが「その不明点が気になって進めない」ではない程度に調節されて提示されるの本当にさじ加減に対しての感情が鋭い。

今週末、Twitterのオンライン映画部という集まりでみんなで観る予定もあるので楽しみにします。へへ……。畳む

つらつら

二次創作:酔っ払い二人が並んだテーブルでまともな話が出るはずもなく
2021年1月3日初出(Pixiv)
平気で二人とも成人している卒業後。左右不定のふんわり巨大迷路感情をお楽しみください。
酔っ払い二人が並んだテーブルでまともな話が出るはずもなく(タイトル短歌)#九龍妖魔學園紀


酔っているにしたってたいそう長く思案したあとに絞り出された声はそれはもうあらゆる感情を煮詰めて凝ったどろどろの粘度をしていて、すでにたいそう酔っていた自覚のある俺にすら腹の底から笑い飛ばした方がいいのだと思わせる声であったのだ。
曰く、お前の俺に対する感情の名前はなんなのだ、と、話の流れで訊いてしまった。
「──……ぞ、」
ぞ?
「憎悪…………………………………」
要らないくらいにたっぷりと語尾の余韻を含ませて、あだ名で呼んで久しいそいつは系統樹並のめちゃくちゃな複雑さを湛えた顔で、それでも目だけは逸らさずに言った。
「ぞうお」
馬鹿みたいに音をなぞり返す呂律は、酔っ払いに相応しく浮ついている。舌先にざらりと何かが残る。
「お、れとしましてはこうちゃんについてなんていうんですか一種のこう、いわゆるひとつの、ねえ、そういう、なに、じぶんでもわからない感情を、こう、ばかでけえなあ、持て余すなあと思いながらね、捨てたくねえなあ、っておもっていきているわけなの、これ前提ね。わかる?」
「わかる」
わかる。──わかっていたい、が本音ではある。
さっきまで緩やかに握られていた液体のたゆたうグラスは、今その小さくも大きくもない手の平にしっかりと握り締められて純粋な握力に震えている。なにせこいつの手の平は林檎を砕くのだ。
「おれ、おれはね……でもたぶんそれを俺以外の世界が俺以外をして言う愛だとか恋だとかそういう、そういうお綺麗な枠組みに収めたくなくて、そんなお姫様の宝物みたいに扱いたくなくて、俺の大事に仕方はほら、一緒にいつも持ち運んでずっと握っていたからずるずるに溶けた残骸だけ残っても、俺はそれでもいいから、そういう、そういう俺なりの大事にしかたを、こうちゃんは好きに生きていいんだけどこの好きはこうちゃんの主体によります、それで」
だから、とお互いの間のちょうど中間、何の罪もないテーブルの板を穿つように見つめるくせにやけに空虚な目をして続ける。
「俺はこれを憎悪と呼びたい」
冷静に持論が結ばれる。結論は出た。これ以上は揺るがないだろう決意でもって、結論は出た。
「そうか──グラスを割るなよ」
前頭葉が溶けていきそうだ。最後の一つなんだ、そのグラスは。
客に振る舞う分として用意した透明なグラスは、ようやっとその一言で馬鹿みたいな力で引っ掴んでくる物騒な客の手から文字通り解放された。
何かを吐き出し切ったように項垂れる頭頂部がゆっくりと鼓動の倍数で左右に揺れている。どのみち両者、酔っ払いなのだ。
完全に顔面を覆う細く長い髪の間から、酔っ払い特有のふわついた笑い声が漏れる。
「──ふふ、なに、分類するのが好きになっちゃったの?研究者先生は」
そういうこいつも隠されたものを暴き出しては右から左へ分別したがる職業のくせに。
冷静なつもりで言ってやれば、お互いさまでしょ、と望んだ答えが望んだ通りの場所に返ってくる。
「分類といえば俺がこの前遺跡で食べたら三日くらい幻覚みたキノコの話していい?」
「初耳だぞ、九ちゃん」
「いまはじめて言うもん、いやなに、聞いて、聞くだけ聞いて。罪滅ぼしなんだから。全部幻覚だったんだけど──」
酔っ払いの夜は更ける。明日の朝の色は知らない。畳む

二次創作

日記:COMITIA144ありがとうございました。
この日記は帰りの電車で必死に意識を失わないように書いています。支離滅裂でも気にしないでください。

思ったより気温が高くて、夏日に対応できる服装で出かけたのはもちろんなんですけど思ったより体力を消耗しています。開場直後くらいまではお手洗い近くて困ってたくらいなんですけど、徐々に水分を取ってもお手洗い行きたくないな……?という状況に。おそらく静かに汗とかで蒸発しているんでしょうね。
塩分はそこまで考えていなかったので絶賛熱中症の初期症状みたいになっています。お腹も空いている。無事に家に辿り着きたい。

今回のコミティアは推察するに新型コロナウイルスによる影響がほぼない状態であったのか、机同士の間隔も狭くて「こんなだったっけ?」となりながら設営しました。さらに同じ島の後ろの列との間隔も狭くて、片方の端っこサークルさんが床に置く型のポスタースタンドを大きめのキャリーバッグで押さえる手法をとってらしたので完全に出られず、反対側も途中に二つそれぞれ後ろ同士で同じタイプのポスタースタンドを立てていて狭い通路がさらに狭く……という状態でなかなかこれは我々が思い出し運営が思い出しそれぞれが気をつけないと倒れたり倒したりが出るぞ……と思いました。床に特にテープ固定とかされてないところ通るの怖いですね。

次は受かっていたら夏コミ(C102)、そのあとに擬人化王国、次いでCOMITIA145の予定です。まーたこいつ二週連続イベント参加するぞ……って自分が一番思っています。

つらつら

日記:時間が経つのを待っている
文字通り待っています。本来この間にやることはたくさんあるんですが………お風呂掃除とか…食器洗うとか……これはよく言われることなんですけど、生活をやっていると創作ができないし、創作をやっていると生活ができなくないですか!?あまりにも片一方にしか労力を割けない。でも多分いい割合というのがあるはずなんだよな。

ともあれ明日はコミティアです。ここしばらく新刊を出していないし、コミティアが終わったら次の予定が受かっていればC102なので流石に新刊出したいなの気持ちが大きいんですが、ここ最近コピー本以外の本を作っていなくて(嘘です、小説なら出してます)どうしたらいいんだ……みたいな気持ちです。
とりあえずコミティアに向けて用意しておいて寝かせてある「擬人化、一次問わず創作キャラで髪の毛長いやつを全員描く」というコンセプトの長い髪の毛だけ描いていたい欲求を満たす本でも作ろうかな。

つらつら

日記:成果、出ているのでは?
なんとなく5月1日に普通に日記を書いて、そのことにしばらくしてから気がついて、「習慣づいているのでは?」と気がつきました。いま!?今だよ。習慣というのはもう意識することなく行われるものなので、これはもう習慣づいたのでは…………?誰だよ三日で習慣になるとか言ってた人間、かなりかかってますよ。個体差。

もうひとつなんとなくの変化として感じるのは文章を書くことへの心理的ハードルが下がったこと、何か物を言うときに「でも結局うまく言えないし」とならないこと、言葉選びが以前の標準値に戻りネットミームなどの簡単にニュアンスは伝わるが使われている言葉自体があまり良くないものを無意識に使わないようになったことなどです。良いんじゃない………?

とはいえ毎回タイトルはわからないし書くこともピンときていないし、書いたところで寝て起きたら「これ書く意味あった……?」になっているのは変わらないんですが。きっと来週あたりに体調不良で寝込んでまた泊まったりするんでしょうけど、ぼつぼつやっていきます。

つらつら

日記:オンイベの準備なんもしとらん。
この場合の「なんもしとらん」は「実際はやってる」ではなく本当の意味での何もしていないです。まじで何もしてないやばい。
そもコミティアとか擬人化王国とかのオフラインイベントもわりと最近新刊を出していないので(出してもコピー本。本は本だが?!)訂正します、出してます、出してますがこう、なんていうんですか、準備の手間がこう、物理的じゃないですか、オフラインイベントは。
オンラインイベントはそういうのがなくて気軽に参加できる、展示だけでもいいよ、という気軽さが助けになるんですがこの締め切りが見えないと作業ができない上にギリギリに仕上げて「前回できたからまだ余裕ある」みたいな最悪の学習をするタイプの人間には変なベクトルの入り方すると直前で「ア゛!!!!!!!!」って叫ぶことになるんです。がんばります。

つらつら

擬人化:海上保安庁発足日によせて
過去に発行した同人誌から、成り立ち部分の漫画を。#GAS
20230501192354-admin.png 202305011923541-admin.png畳む

一次創作,擬人化

日記:出した同人誌の一覧欲しすぎて困っている
タイトルの通りです。必要なら作れよ、というところなんですがお借りしているてがろぐのテンプレートがシンプルを心がけているため(そしてそれに非常に満足しているため)、表を……今から…HTMLとCSSを…書く……?になっており、手間への心理的ハードルが高すぎて越えられないという感じです。そこまでしなくてもタイトル・サイズ(A5統一)・ページ数・あらすじがあればいいんでしょうけども………やるか…………。

どうでもいいことですが、価格を書かないのは単純に会場頒布と通頒で価格が違うからです。この辺も別にシステム利用料とかの都合になるので最近はあんまり気にしなくても良くなりましたね。

つらつら

2023年4月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

日記:アフタヌーンティークルーズ
ロイヤルウイング通常営業最終日ということで(本当はご一緒したフォロワーさんとの都合もある)アフタヌーンティークルーズに行ってきました。結論、曇りだったけどめちゃくちゃよかった!の話です。

わかっていたけれど「船に乗っていると自分の乗っている船が見えない」んですよね、これはごく当たり前の話をしていますが船に熱をあげている人間は改めてそれを船内で「あっ……………」というタイプなのでこの辺は気にしなくて良いです。天気は曇りで、最終的に少し雨もパラついたんですが全体的には湿度が高いけど寒すぎも暑すぎもない感じでよい気候でした。
アフタヌーンティーなので自分で選択肢の中から選ぶドリンク、基本的に飲めるフリードリンク(複数種類)があって水分いっぱいでした。これは調子に乗って飲むとお手洗いが厳しいぞ………!船内、もちろんお手洗いもあるのですが、一般的な商業施設とは数や大きさも異なるのでそのあたりはご自分の肉体と相談していただければ良いと思います。

アフタヌーンティーといえばあの三段の食器に並んだ軽食たちなんですが、下段に揚げ物(胡麻団子とかなにか美味しいものを包んで揚げたもの、春巻き)真ん中に美味しいお肉(たぶん一つは鴨肉)に美味しいソースがかかったものと帆立(単体)、上段にマンゴープリンと杏仁豆腐(容器がハイヒールみたいだった)と船の形をしているチョコレートムースケーキ(下がベリーを乗せてあるパイ生地なの天才)でした。あとは小さいセイロに焼売、エビまん(名前を忘れました。えびおいしい)、翡翠饅(生地にほうれん草が練り込んである)が一つずつ並んでいて「ご、豪華!」という様相。つよい。孫(人間)においしいものをいっぱい食べさせるぞ、という気概を感じる。

量が多くてゆっくり食べていたらデッキに出る時間がそんなになくなってしまって、終盤にデッキに上がったら後ろから「ぶこう」(PL10:横浜海上保安部所属)が入港してきてて「どえわ〜〜〜!!!!」「嘘でしょ」「まって」を連呼して大騒ぎしました。反省。
下船してからは大さん橋の上から港を眺めたり、次の便に出向していくロイヤルウイングを見つめたりいろいろして楽しかったです。
昨日までの怒涛の仕事の疲れのせいであらゆる文章がふわふわしています。

つらつら

日記:タイトルもうわからん
相変わらずです。だからタイトルってなんやねん、はあらゆるタイトルが必要そうな何かを作るときに毎回思います。
そしてとても眠い。

つらつら

日記:なんだかなんだか
今日も絶賛忘れそうだったのでとりあえずMisskey.designのアカウント載せておきます。裏参道(https://misskey.design/@ura_310)です。

Misskeyてそもそもなんやねん、の説明はこの世の他の説明がわかりやすいのでここではしませんがまあSNSであるという点だけ覚えておけば良いんじゃないでしょうか。Twitterくんのお行儀が悪いあいだはおそらくずっとみすでざ(Misskey.designは”みすでざ"という略称で呼ばれています)にいると思います。
一応、二次創作(表参道名義)はにじみす.moeというインスタンス(サーバー)にいます。表参道(https://nijimiss.moe/@omote_310

絵文字でリアクションができるので気軽な気負わない交流一歩手前、みたいな反応ができるのがのんびりしていて好きだなと思っています。Discordの方には参加していないので昨今の不穏とかは知りませんがなんかあった余波だけ感じたりしているけど……基本的には与えられるものを口開けて待ってるタイプなので消えたらまあここがあるし……みたいな、おそらく一番参加者として最悪な部類にいる自覚だけあります。

つらつら

日記:日差し夏めいている
だけど風はそこまで夏ではないから薄着でいると罠の気分。このあたりの季節、毎年難しい。でも着るのはギリギリ長袖で良いから今くらいの季節がずっと続いてほしい。人間の強欲を遺憾なく発揮していきますよ俺は。

サイトにちまちま手を入れて、この場合の手を入れてというのはフォロワーさんからの知見を得て実践して「本当だぁ〜!!」って手を叩いている状態のことですが、とにかく色々細かなところをいじってそれらしくなってきました。サイトのURL末尾からてがろぐのCGI表記部分を無くしたりね、できるんですね。すごいことだ……。

ところで改めてTwitterの利用規約を頭がはっきりした状態で読んだんですが、これまたなんか変わりました?AI学習云々の部分が一切なくて「俺が見たあれはなんだったんだ……?」になっています。でも今の運営の行儀の悪さ(まろやか表現)に辟易しているのは事実なのでもう一生あそこにのみ生息することはないんだろうな…と思っています。Misskeyのアカウント情報を載せよう載せようと思ってずっと忘れている。

つらつら

日記:宅配搬入出した!
出しました。お昼過ぎから用事があったのでそれをこなして、100均に話題になっていた100円玉と500円玉のみのコインケースを探しにいって(なかった)、伝票をもらって記入して段ボールを封してペッしました。最後で急に面倒臭くなって擬音で放り投げるのはいつものやつです。

ところで今日は気圧がものすごくて、お昼過ぎまではさすがに時間が決まっている用事があるので緊張感からかそんなに影響を受けずにすんでいたんですけど、さすがにもうダメそうな気がしています。いつもよりかは「怠くて眠くてひたすらにつらい」みたいな軽くすんでる感覚はあるのですが、どうなんでしょう。いつもがどれだけひどいかを垣間見てしまい、SAN値チェックが必要です。

つらつら

創作:ある日の拾得物係。
鵠止(くぐどめ)一人(いちひと):同行事務員。ヘタレ。
いろは:配達員。仕事中毒。西暦の陸軍制服準拠。
萩荻(はぎおぎ)主任:拾得物係主任。
七駆(しちかけ)ほへと:集荷担当。馬鹿。西暦の海軍制服準拠。一人のことは「一人(いちひ)っちゃん」呼び。
冬来(ふゆき)夏克(かつか):自称世界の終わらせ担当。ふゆがきてなつにかつ。
内墨(うちすみ):おまじない。/空座(からざ):からっぽ卵。/裏綴(うらつづり):やばいものたち図鑑。
人不成(ひとならず)人非(ひとあらず)人不足(ひとたらず)と合わせて三途(さんず)の一角。やばいものたち。
#郵便屋さんの話

誰がいったか煉瓦の軍艦、丸屋根吹き抜け見事な天井、今日も主任の声が飛ぶ。
「なァんで今日に限って空座(からざ)京葉(けいよう)なんだ!」
「そういう年間計画を立てたのが萩荻(はぎおぎ)主任だからですよ!」
右から飛んできた瓦礫を左で掴む電話で粉砕して、中空に放られていた受話器の根元を一気にたぐる。
放物を中断された受話器の向こうはまるで我関せずの平静で生意気なことを続けて言った。
「ですから帰還しようにも丸の内通用門が閉鎖されているせいで我々が締め出されている状況についての説明と事態の鎮静を求めているだけです」
「あんねえ、いろはくん!」
叫ぶ口元、面布が揺れる。結わいた髪も爆風に揺れる。首紐の先がちゃらりと軽い音を立てた。遠くの方で部下がばたばた死んでいく。
「こちとら二級の封が外れてそれどころじゃねえの!まだ一人くんに内墨(うちすみ)効いてるんでしょ!?空座が京葉で保守点検してっから八重洲の地下から入ってこい!」
「一人さんの内墨は諸事情で効力無効です」
「ほん?!」
「主任!緊急収容手順の五番まで完了です!!」
右から左から喧しいことだ。背後の崩壊はなかったことにする。
どうしてこうなったのかはよくわかっているので反省は後にとっておくとして、ともかく目の前には事象が二つ。
解き放たれてしまった収容手順が複雑な人不成(ひとならず)と、帰ってきた仕事中毒。局に帰るまでが仕事だとあいつに教えたのは誰だった。にやけた馬鹿の顔が一人だけ浮かぶ。あいつだあの馬鹿、今度こそは容赦しない。七駆(しちかけ)の御曹司としてもだ。
「集荷部隊はまだ戻らねえのか!」
「帰ってきててもほへとさんだけですよ!」
「今は馬鹿でも手伝わせろ!」
「お、呼んだー?」
へらりと笑って目の前に飛び出してきた異物を事も無げに排除して、そのまま頭上に迫る鋭利な針状の飛来物をなぎ払い、空間一帯の安全を突如として確保した白詰襟の男が言った。お出まし世紀の一大事、仕事中毒に油を注ぐ史上最高の馬鹿。
「あんねー萩荻ちゃん、俺またおもしれえもん拾ってきたからあとで種別よろしくね」
「ばっかじゃねえのこの状況よく見ろよ!」
等級にして実に裏綴(うらつづり)第二級、簡単に言えば面倒臭い代物、通常の収容手順では害しかないようなもの、人に生まれようとして、そうなれなかった『ひとならず』。生まれついての、人でないもの。
名を与えてはならず、名を書いてはならず、目を見せてはいけない。受容器官を抉り、末端四肢を削ぎ、中央思考に干渉していたはずなのに。
「とりあえず被害はなんでもいい!とにかく空座持ってこい!道なら俺が開ける!」
「ひゅう、萩荻ちゃんかっこいい」
吹けもしない口笛がわりにきちんと口でそう言って、七駆ほへとはへらりと笑う。
「ねえ萩荻ちゃん、俺あれ殺いでこようか」
「おおそうしてくれそうしてくれ、空座が間に合うまでに少しでも抑えられりゃそれでいい」
「任せてよ。お代は薄荷塔(はっかとう)のつけ麺ね」
「”つけ”だけにってか」
「ないわー」
不定形の巨体を持て余すように高いはずの天井まで届くほど手足に似た四肢を、ひたすら数限りなく伸ばし尽くして天井に穴を開けようと試みる異物の五本指は、だからあと一歩届くことなく全て一度に床まで落ちた。
咆哮も断末魔もなく、ただ静かにその衝撃を無音の振動に乗せて空間を揺らす。喧しいのは崩された柱や壁の落ちる音。
一見すれば粉でも練って好き勝手、造形を始める前の遊戯のようだ。乳白色が美しく、全体像は醜いその異物を前にしてすら、白詰襟の眩しさはひときわ陽光に際立って閃いた。
「俺の庁舎壊すんじゃねえよ!」
「おめえは七光りだろうが!」
どう見ても逆手持ちが不利に思える長さの刀を文字通り手の内外で振り回して中空を長く翻るさまは、たった一人で複数の軍勢の肩代わりでもしているようだ。
「あいつ重力って知ってんのか」
「それ主任が言ったらいけないやつです」
さっきから適切に合いの手を入れてくる部下はこれでもうことが始まってから五人目で、先の四人はすでにその辺で肉になっている。
見れば四角の中三つ、中黒の並ぶ荷捌き三等。二級の対処に巻き込まれたか逃げ遅れたか、どちらにせよ今ここで生き残っているなら見込みがある。
「お前今度昇進受けてみろ、きっとすぐ一等になるぜ」
「ええ……嫌ですよこんな職場」
「見込みあるわあ」
ふと思い出して右手に握った受話器を見る。電話の向こうはとうに回線ごと切れていたと思ったが、小心の同行事務員が律儀に保持していたらしい。
「あ、あ、あの、萩荻さん、そちらはいま」
「隣の部下が四回変わったわ」
「え、あのそれは、あ、違う、いろはさんがそちらに向かうとさっき」
「あいつ多分、時刻印押すまで諦めねえよなあ」
「それはそうだと思います。帰還の時刻印でもって業務終了となりますから、その、帰還の定義が満たされないと」
切り刻まれてもすぐに接合し文字通りきりがない異物に対して、体力だけは有り余る白詰襟の馬鹿がひたすら挑み続けてはいるが、さすがにそろそろ埒があかないことには気付き始めていいころだ。
この状況を打破するには、一気に外から包み込んで封じるか、もしくは内部からその細やかな接合一つ一つを確実に迅速に潰すしかない。
それができるのはよりにもよって一番遠く保守点検に運ばれていった空座か、己の仕事にしか関心のない配達員かのどちらかだ。
一人(いちひと)君さあ、なんで内墨切れちゃったの?」
「えっ、もう切れてるんですか……?それは飲んだ本人が自覚できるものなのでしょうか」
「……あの野郎つかませやがったな」
気遣いが下手というより、余計な被害を出さないための懸命な判断なのではあろうが、それにしたって堂々と言い切る姿勢が眩しい。
目眩を覚えた刹那等しく、昇進間違いなしだった五人目の部下が見事に血袋としての役目を果たし、ようやっと道筋が見えてきた。
「よーし、全員聞け!」
つながった。ようやっと開こうとしている道が繋がった。
そも邪魔なのだ、この無駄に歩かされる空間が。そも無駄なのだ、この邪魔な距離の輪郭が。
「第五収容特別定型、目標京葉、対象空座、手順は略式仕方ねえ!責債(さいせき)六人、俺が()す!聞き逃すなよ、応と呼べ!術式三十、"小判鮫"!」
「応!」
分散したあちこちの瓦礫や壁の後ろから、応と答える声が飛ぶ。てんでばらばら散らしたそれは、それでも全て一度きりしか聞こえない。揃いに揃った、珠玉の部下たち。
「体半分持ってたところで意味がねえ!命半分喰われたところで意義がねえ!いいかお前ら、歯ァ食いしばれ!」
第五収容特別定型、通称にして小判鮫。
術式を走らせることで人為的に燐光(りんこう)を発生させる荒技だとは左手を喰われた経験のある事務員の前ではとても言えないが、つまり燐光とは空間同士の干渉により発生する発光とそこに触れるうっかりによって物体が消失する現象のことだ。
うっかり触れて"持っていかれる"現象ならば、きちんと理論でねじ伏せて意のまま"持って来させる"だけだ。
「正答を以て異議異論、回路は誤謬、胚から拝め!」
ぎ、と嫌な音がした。左腕の骨が裂けている。皮膚も肉も正常そのもので、骨のみが内で裂けている。
口上で誤魔化し六人分でその成果をちょろまかそうとしているのだから仕方ない。このくらいなら三日で治る。
五人目の部下は実に良い仕事をしたので、首から上が飛んで行く直前、うまいこと最後の線に連なる具合に倒れこんだ。今までの生きた経験すべてをその血飛沫に変えながら最後の回路を繋げたのだ。いい仕事をした。
回路は一気に廊下を突き抜け誰もが嫌がる遠い歩廊の天井を裂く。とは言えそれは擬似的に、かつ空間だけに作用するので眼前で細く歩廊の様子が見えるだけではあるのだが。
「萩荻主任!」
「おうよ!」
端的な呼応だ、素晴らしい。
一同総出で持ち上げられ、細い隙間へ投げるようにねじ込まれた空座は一瞬、この世の誰の手からも離れて、次いで己の手に収まった。
「空座確保ぉ!」
「ではあとは私が」
端的な会話だ、素晴らしい。
いつの間にたどり着いていたのか、緑を煮詰めて限りなく黒へ近づけたような学生服にも見える制服の、翻る外套は実に優雅な余韻を残して散々切り刻まれた異物へ向かう。
未だその異物を切り刻むことに集中していた白詰襟が、ようやくこちらに気づいたようだ。
「おお、いろはじゃんー。今月業務時間やべえんじゃねえの」
「一人さんは優秀ですので」
常に動き回る思考の中心部分がうまく表皮へ露出するように計算づくで切り刻み、接合具合の調節を続けていた白詰襟にここぞとばかり配達員が加勢する。
右手に掴んだ空座はその楕円の輪郭を今日も静かに温めて、やや生成りのざらつく表皮が美しい。
例外を以てすべてを無に帰す最終兵器。使い方の文法さえ間違えなければ有用な、卵型の安全装置。
「裏綴第二級種別人不成、名称空白、属性肉身、五行七文字例外を命ずる!」
一息で言うにはあまりに重いが、それでも息は限りなく鋭く。
​「"この世にいてはいけない"」
瞬間、左腕の骨が爆ぜた。
右手の中の柔らかな卵は二秒ぼんやり内から光り、さんざこの場を物理的に破壊し尽くしてまわった異物はあっという間に消失する。
まだ中空に放られていた瓦礫の類が最後の一片、床に落ちるまでほんの数秒尾を引いた喧騒は埃が晴れてくるのと同じく、見事その場は沈静した。
「……ぃいっ、でぇ」
肉も皮膚も無事な左腕の、それだけ爆ぜた骨が痛い。
場を仕切る意味もあったがそれより心底からはみ出て来た唸るような訴えに、柱の奥から瓦礫の下からわらわらと部下が湧いて出る。
一番最初に飛んでくるのはやはりいつもの面子の声なのだけれど。
「主任、もー!そうやっていっつも!労災申請の書類を面倒臭くするー!」
「そこ?」
「主任、空座回収します」
漆黒の絹布を恭しく差し出した部下の両手に空座をそっと安置して、自由になる手を確保した。
「第五特別のしかも三十番代を積債六人で上前撥ねようとする人初めて見ました」
「おお、俺も初めてやったよ。意外となんとかなるもんだわ吐きそう」
「腕一本はなんとかなってるって言わねんじゃね?」
文字だけなぞれば和やかな会話に、申し訳なさだけは人一倍の声音が割り込む。
「ああ、あの、ご歓談中にすみません」
「骨やってて歓談はねえわ、一人ちゃん」
「すすすいま、すいませ」
最後の音を見事に噛んで、鵠止一人は気弱な瞳にうっすらと涙を浮かべた。
「あの、どうして裏綴第二級なんかが……」
「どうせ閣下じゃねえの」
人一倍鋭い馬鹿がへらりと正解を言い当てる。馬鹿でなくても今回のようなことに慣れている古株職員であれば、まず真っ先にその可能性に気がつくが。
「かっか…?」
「冬来夏克」
「ふゆきかつか」
「人の形をしたこの世の終わりだ」
何色とも言えない不思議な長髪を翻し、服装だけは一丁前にまともな和装を好み、背の高い下駄を裸足につっかけて呵呵と笑う世界の終わり。厳密には、世界の終わらせ役を仰せつかった自称の男。
「あの野郎、中央に喧嘩売るだけじゃ飽き足らずうちにまでちょっかいかけてきやがる」
「いろはのこと変に気に入ってんだよ。だから一人っちゃんも将来絡まれるよぉ」
「え、ええ……僕は、しがない同行事務員ですよ…なんで巻き込まれ……うう」
困惑の崩壊現場にさらなる困惑を深めて、鵠止一人が情けなく泣いた。
「ここがそういったものを扱う限り狙われはするでしょうね」
「い、いろはさぁん……」
「どうでもいいんだけどよ、誰か担架持ってきてくんねえか」
そろそろ立っているのも辛い。骨のみ砕けてあとは無事、ほかの五体はまるで満足、血の一滴も失われずに重傷だ。
遠くの方から白詰襟とは違った種類の白色いっぱい翻し担架を掲げて御輿部隊が走ってくる。
「通りまーす、通りまーす」
「左右通行、ご協力感謝しまーす」
「前方患者確定、進路そのまま宜しく候!」
「よーそろー」
かつてこの世の七割を覆っていたらしい海とかいうものの上の取り決めで、残された三割の中の限られた平地に建てられた煉瓦造りの長い廊下をひた走る滑稽さはなかなかのものがある。裾を彩る鈴がちりちり、焼けるような音を立てた。
無事に砕けた腕の骨がほかの肉と皮膚と神経を圧迫してそろそろ視界が半分くらいになりそうだ。
「どうして」
同じ滑稽さを感じたわけではないだろう、まだべそべそと泣いていた気弱な同行事務員がぽつりと疑問で空気を揺らした。
「どうして世界を終わらせようなんて」
すでに三回、終わっているのに。
西暦は消え、東暦は潰え、南暦に至っては三桁で終わった。
四度目始まりの陽光なんか知りやしないが、残された北暦が今まさにこの呼吸の最中だ。
「知るかよそんなの」
「我々には若干の確信があります」
同じ呼吸で、白黒別のことを言う。
余計なものを拾ってくるのに忙しい集荷担当と、見事捌かれた荷を届けることしか興味のない配達員。
左右から相反することを言われてなおさら泣きそうな眉が歪んだ、左手を燐光に喰われて拾われた唯一の同行事務員。気弱ながらなんとか今ここに二本足で立っているなら上出来だ。
ここ数年の感覚で姿を見ない局長。特別収容物をこともなげに解放し、あらゆる損壊を引き起こす人型の災厄、自称世界の終わらせ役。役者は要所に揃っている。
異物に破られた丸屋根が既にその外壁を修復しつつあるのを見上げて、膝裏を御輿部隊にどつかれた。
「患者、拾得物担当萩荻主任」
「おうっふ、優しくしろよ。怪我人だぞ」
「でしたら、素直に優しくさせてください。担架へどうぞ」
何事からも己を引きちぎって平坦を保つ布地に身を預けるのは久々だ。
あちこち穴が空き、崩れ、それから自己修復されていく抜けた天井、砕けた柱、破れた壁、めくれ上がる床。
「これ中央への請求額どうなるんだ…俺は損害概算しねえぞ」
「患者、安静に」
「へい」
ともあれ自体は一番の混乱を超えているはずだ。このあと利き手で書類へ署名できるのはしばらく先になるはずだから、二番係に署名権限は委譲され、(かかり)筆頭(ひっとう)が泣くだけだろう。
「萩荻主任!てめえほんと五ヶ月先まで恨みますからね!」
「おー、覚えてたら椿通(つばきどおり)連れてってやるよ」
「言質!言質とりましたからね!」
予想通りどこかから飛んできた恨み言を投げ返して、そろそろいい加減御輿部隊からの殺意に口を閉じる。
左半身がまるで燐光に喰われたような感覚だ。どこも喰われた経験はないが。
「俺このまま死ぬ?」
「患者、死なせはしません」
「我々はそのためにいます」
頼もしい言い切りもどこか耳の後ろ、遠くから聞こえてくる。
これはいよいよ己自身をまず休める段階へ来ていることをさすがに自覚して目を閉じた。
少しの御輿の揺れから治療室らしき匂いが香って扉が閉まる寸前、頭の奥でなにかが呵呵と笑った気がした。畳む

一次創作

創作:郵便屋さんの話。
世界が三回終わった北暦(ほくれき)で教員を頑張ろうとして郵便屋さんに拾われる話。#郵便屋さんの話

すでに三回終わりきった四回目の暦だとして、己自身の終わりを明確に意識できる機会に見舞われるのは、それでもきっと珍しい。
無意識で飲み込んだ生唾が動かした喉仏だけが突きつけられた切っ先の下で唯一、呑気だ。そのまま息をするのも許されそうになくて、思考回路は迷走を極めていく。
打開のために喉を震わせたのは、しかして情けないほど引きつった声だった。
「く、鵠止(くぐどめ)一人(いちひと)二十七歳中央研究室付属第三校考古学専攻学科准教授好きなものは『薄荷区(はっかく)』のみつ豆で趣味は裁縫嫌いな食べ物は蜂の巣です!!」
後半、自棄である。
徐々に勢いづいて大きくなる声量は多少周囲の木々を揺らしはしたが、目の前にある凛、と音でも鳴りそうな人影には一片も響かない。
一見すると真っ黒な、深い緑を煮詰めたような少し青みの色彩で統一された、西暦のころの学生服と軍服を合わせたような詰襟。
暗がりによくとけ込みそうな外套の中、すらりと伸びる四肢の中心、陣取るように華奢とも言える細面。行儀よく頭を包む制帽は深く被っているわけでもないのに、ずいぶんと目元に落ちる影が濃い。
「怪しいものではないんです、ほんとうです、ほんとうなんです所属は中央に問い合わせてくださいしがない実地検分途中の准教授なんですほんとうです……」
「常套句とは、わかっていらっしゃるようですね」
呆れたような声色で、ようやく刃は喉から引かれてあるべきところに収まった。
「少なくともこちらが定めた入り口以外から敷地内に入る時点で、だいぶ怪しい自覚はおありで?」
「うう、すいませんどうも道に迷ったようで」
この瞬間、さきほどの自暴自棄な名乗りと自己紹介の後ろに方向音痴も付け加えられたに違いない。
確かにどうみてもここは建物の裏手側の類、少なくとも来訪者に開かれた雰囲気ではないし、周囲は控えめに見ても森だった。
踵を返した制服姿の向かう先、重厚な煉瓦作りの赤茶色い建物は、いくつかの丸屋根を戴いて避雷針がわりの風見鶏をぬるい八月の空気に回転させていた。
そのくせ、空はどんよりと灰色である。
「あの、あ、あの……ええと」
「どうぞこちらに。出自がどうあれあなたもここにいるということは、そういうことです」
「はい、ええと、はあ……」
説明しないわけではないが、言葉を増やすつもりもないらしい。
自己申告はすべて事実で、なにをどうしてこんなところに出たのかわからないのであればもはや翻るその後ろ姿を追う以外にはないのだ。
山道を歩く予定なのだから慣れた靴を、と選んだ半長靴がためらうほど磨かれた廊下を少し歩いて通された一室で外套と鞄を所定の位置であるらしい壁に掛け、ようやく敵意のなさそうな手が差し出された。
「どうぞ、おかけください。いま担当を呼びます」
白手袋の示す先、一人用の革張りの椅子。二つ並べられた左右のどちらか選びかねて、いっそ対面の二人掛けを占有してしまおうかとも思う。
三つある選択肢のどれを選んでも居たたまれない気持ちに差異がないならと腹を括って、利き手の方に荷物を置いた。
そんな葛藤を知ってか知らずか、内線らしき黒電話に置かれた受話器がちりんと一つ無自覚な金属音を立てた。
慣れている、のだろうか。何を言っても言い訳にしかならないような不法侵入以外の言葉を欲しいくらいの状況と、その対処に。
いつの間にやら出されていた、美しい緑茶で満たされた湯のみで右手を暖めながら、曇る眼鏡に少しだけいつもの悪態をよぎらせる。
「さて、担当が来るまでに少しお話を伺いたいのですが」
「うぇおっ、う、はいっ、どう、ず」
「道に迷ったと言われましたね、実地検分とも。麓のあたりにお宿が?」
問われて初めて、絶句した。
「……ええ、と」
空が、どんよりと灰色である。
「わか、り、ません」
まるでそこだけ、丸ごと抜き出されたようだ。
例えば続き物の小説の中巻、調べたかった百科事典の"か"行第七巻、箱の形で思い浮かぶのはきっと普段から書物に囲まれているからだろう。
素直な自己申告は、すべて事実だ。
「なるほど、よくわかりました」
そんな答えでも、及第点以上ではあったらしい。
「先にご説明しておきますと、先ほど呼んだ担当者は遺失物係の者です」
「遺失物、ですか」
「付け加えて、ここはそうった"失くしもの"を探す方の照会先としても機能しています」
無くす、亡くす、失くす、ありとあらゆる、なくなってしまったもの、者、物。
「ぼ、くの場合は、それが、出自ということですか」
声が掠れる。いつものことだ、緊張したり戸惑ったり、臆病で過敏な精神にこんなところだけが従順だ。
「いいえ、出自は先ほどご自分で述べられた通りです。厳密に言うのであれば、直近の記憶と言うところでしょう」
「い、いま、今日は何月の、いつですか」
「八月の十七の日、夏時間ですので中間を過ぎて七時と十二秒ですね」
最後に暦の一覧を見たのはいつだったか。
もともと研究職ゆえか世間一般の動きとは盛大にずれのある、よく言えば縛られない生活をしていた。縛られるとすれば唯一、論文やら試験問題やらの締切日だけだ。
試験問題の。
「し、試験、だったはずなんです。夏期休暇前の、二期の、進級試験で、一学級全体で取り組む実地を含んだ、もののはずで」
確信が、確信だけがない。感覚はそう示す己の過去に、普段であれば何も言わずに付属するその確信だけが、今はない。
失くしたものは、その確信ではないのか。
「試験、問題の……流出があって、それで、急に、準備のできないようなもので、することになって」
「その先は、担当者が詳しく伺います。ところで」
混乱を落ち着かせようとする意味か、明らかに意図して言葉を切った。
「あなた、どうも左手も失くされてるようですが、お気づきですか」
「え、」
確信と、左の手。
見やる先には空っぽの袖。右手だけを暖める、湯のみ茶碗。
確信と、左の手。
木々が揺れる。座っているのに足下が揺らぐ。風もないのに風見鶏は回る。

空は、どんよりと灰色。畳む

一次創作

日記:リンク追加したりなんだり
ABOUTに好きサイトさんのリンクや、ページ下部にあるんですがてがろぐ、スキン配布サイトさんのリンクを追加しました。やったね!

最近はTwitterがどうにもこうにも胡散臭いというか「ああ……俺の手を離れたな……」というか、そもそも手中にはあるものではなかったんですがそれを差し置いてもさらに遠くに行ってしまったな、というのが体幹として強くあります。
そもそもツイートがフォロー中とおすすめに別れたあたりから雲行きが怪しくなり、ツイートが間引かれてくるようになったあたりからだいぶ不信感があり、いよいよRT表示の仕様が変わったりおすすめタブに非公開アカウントのツイートが紛れてくるとかいう地獄の様相を呈してきたあたりからだいぶ心が離れておりますね。

あと利用規約の変更で投稿された全てのメディア(文章を含む)が親会社のAI学習に問答無用で使われるあたりもうだめだな………という感じです。利用規約、すべての文章がわかりにくくて読みづらいので「俺」「お前」「あいつ」とかのフランクな文章に翻訳してくれんか………になっている脳の状態で読んだからだめなのかもしれない。二度と読める気がしない。冒頭の「やったね!」からの落差がすごいな。

つらつら

日記:もさもさ追加した
いままでの擬人化創作とか二次創作とかを小説、文章メインでいろいろ追加しました。カテゴリ作ってあるのに0なの悲しいので…………。悲しいついでに一連の擬人化シリーズ名がタグにすると感嘆符がハッシュタグにならなくてしょんぼりしているのもあります俺はいつもこうだ。

ピクシブにもいくつか擬人化小説を上げているので、そっちも引っ張ってこような。短歌もノートにばらばらに詠んでいるせいで急にジャンルの一首だけ紛れていたりして「どうして」って言ってる。過去の俺、どうして。現時点の俺がとまどっています、そういうのやめてください。と言ってもその時々で整理するときの基準が違うのでたぶんいまの俺も将来的な俺に「どうして」って言われるんだろうな。
仕事帰りに忘れずにガムテープ買ってください(宅配搬入)

つらつら

映画感想:「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」を観たよ!の話。ネタバレ。(初出:2023-03-08 15:52:41/くるっぷ)

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」、全宇宙規模のでっかい家族愛の話で良かったな……その軸がぶれないので安心して観られた。
あくまで終盤の他人の願望救済もジョイの手を掴むために、そして離すために道を開ける必要があったからで、エヴリンにその救い自体を望んでない(あくまで副産物的に生じていた。結果としてジョイなるに追いつくと言う望みは叶う)っていうのがわかるのもとても良い。
ジョイの思春期の話であり、自分の性自認についての葛藤であり、母にそれを認められたいという家族属性の中で生き残るのに必要な要素を満たされないままの人間の姿であり、それはエヴリン自身の過去でもあり……得られなかったものをどうやって手放してあるいは手放さなくても隣においておけるか、と言う話だった。

自分が親にされて傷ついたことを、親として自分の子供にしたくない、っていうの、父親への反抗とエヴリン自身への自己救済(自分が自分を救うんじゃい)というエゴのかたまりの一片でよかったですね。エヴリンが最初自覚的でなくて、でも最後に一回ジョイの手を離してベーグルへ進ませること、それはジョイ(ジョブ・トゥパキ)の消失を願う直前の父親とは全然違う理由からなのもあの怒涛の映像の中であれだけわかりやすく描いたのすごいなあ。
結局、自分がされたかったことを他人にするという行為は遡ってしまえばエゴでしかないんだけど、そのときどきにおいて確かに他人への救済にもなりうるんだよ、って言葉で語るとごちゃごちゃとした注釈で本題が隠れるほど必要になりそうなところをあのライティングも衣装も重力もめちゃくちゃな画面の中ですっと出されるのすごい。

じわじわと咀嚼して思うところとして、途中、ソーセージハンドバースのエヴリンと税理士さんがパートナーになってところにいま(暫定的に”いま”とします。一番最低の「なんでもできる」エヴリンのこと)のエヴリンがジャンプしちゃって大騒ぎするところあるじゃないですか。
あれって、本編が「家族愛」(家族とは言え個人個人、別個体、あなたとわたしはちがう、個人間のでっけぇ愛の最小構成単位になりうる立ち位置、理解しなくていいから隣にいたい、いていいよって言って、)の話である以上、なんとなくだけど今後、家族を構成しているエヴリンやその家族たちにふりかかるであろう認知症のことも示唆しているのかなあ、とか思ったりもする。
急に人が変わったようになってしまっていままでの関係が難しくなる、ってそれだけ書くと「あ〜………」という理解というか結論が見えてもおかしくないなあ、と。まあこれは俺の母方の祖母が認知症になってしまっている昨今の現状が強く閃きに影響しているのかもしれないけど。ただね、忘れていくだけじゃないよ、っていう、寄り添いのそういう、やっぱあそこも家族愛のことだよなあ。人間と人間の最小構成単位を「家族」とした場合の。

家族愛の話でありながらも、家族愛がすべて!!!ほら!ってやってないところ。あくまで人間と人間の間に交わされる愛情っていうものの一つのかたちとしての家族という単位、共生構造であるだけでそれがすべてではないしそれが至上でもない、っていうのは散々描いてくれているので心がざわめかなくてよかったです。
参道家はめちゃくちゃにまともな家なので両親から幼少時より「家族といえど他人であり、他人である以上はお互いに敬意を持って過ごす必要があり、あなたが成人するまであなたは自分のことに責任を取ることが法律上できないので、その責任を追うために我々(両親)がいます」という説明をたびたび受けてきたのでフィクション作品の「家族」像を見ると「大変だな……」ってなることの方が多いんですが(ていうか九割そう。そうならないの、主人公たちが成人済みでこざっぱりした家族関係が描かれてるときだけ)「エブエブ」はそのへんもうまく見せながら最終的にあの家族は家族という単位にまとまりましたよ、でも全宇宙のほかのバースは知らんけどね、をやったのすごいよかった。
よかったしか言ってないけどよかったんですよ………とても……………!!!!!!!

思い出したらまた書くかも。畳む
#映画感想

つらつら

日記:先頭固定のこと解決した
しました(結論)
てがろぐは設定をどうにか変更するものと、スキン側のCSSなどを触るものが混同していて「どっちだ…!」になりがちですが八割はてがろぐ側の設定などであるという知見があります。それしかないとも言う。

今日はCOMITIA144の荷造りをして宅配搬入の準備をして…と思っているんですが喉が痛くてアイスばっかり食べていたり荷造りが全然進んでいなかったりでいまです。あとガムテープが見当たらなくて部屋の真ん中で「おおっとそうきたか」と誰かに向けて喋っています。
そういえば最初の方の日記で『仮想敵を作るな』というモットーについていつか書くかもしれないと言いつつ書いていないですね。はい。いつか書くことが本当になくなったら書きます。

つらつら

短歌:一次創作、あるいはなんでもないもの
詠みためたもの、うたよみんやTwitterやmisskeyに投稿したもの。気が向いたらまたまとめて別に投稿する予定です。

日本語の一番最初はあいから始まる 猫の瞬く最微速見る(最微速についてはこちら
人生はいつなんどきも今までを切り売りしていく商売であり
「髪の毛は長いと意外に便利だよ」笑った君と髪が燃えてる
わりと今にやけているにはそれなりの理由があるが君のことでは
この海か空にひとすじ凛とした傷をつけたら散ってもいいかな
刑場に行けば我らの栄光の証があると君が言うから(付記:革命)
海を知るこのあしもとは永遠にあの砂浜を踏むことはない
言い訳と詭弁と理由と弁明と君の傷とのあわいはどこだよ
君を詠むための言葉が足りないのとらえどころがないからでなく
恋とかいう心の臓に溢れてる口に出せない血潮の色して、
天国も地獄も君の主観であって、君の奈落に僕はいなくて
その愛をただ一色で映すには、もったいなくて黒点を指す
個々人の名前はいずれ数になり乗員乗客総数となる
星光る声が呼ばない夜を知る 三角定規で平行線引く
いつかまた海に焦がれる時が来る 今はそれまですくすく往けよ
僕の中の怪物が君を食べようとして火を吐いた夜だよ
物言わぬ潮風に旗靡かせて さんざめいている 君が手を振る
海なんかもう何年も来ていないみんなそこから産まれてきたのに畳む

一次創作,短歌

擬人化:エイジャックスさんが陸さんをさらいに来る話。
ふたりの距離が近いです。好きの種類が違います。#GAS
もう攫っちまえば良いじゃねえか、と、あまりに急な速度で正答が得られたものだから、驚いてしまうのが何より先で、気が付いたら市ヶ谷に居た。
(……?)
己でもよくわからない。
余生というにはあまりに無為な展示での保存をされていた。毎日天を廻る太陽と月とそれから曇りと雨と星と風と、ともかく自然をその身で感じている以外になかった余生に、突然後輩がど真ん中の正論を突きつけてきたので気がつけばここに居たのだ。
本体は置いてきた、のを感じる。そもそも退役して久しい上に、もともと所属に関しては何やら組織間でしっちゃかめっちゃかしたらしい余韻は端々から感じていたし、攫ってしまおうと思うに至った経緯もそこにほのかに起因しているし、何より年月が経ってもうあのこは「あのこ」なんて呼べるほど小さくもないのだろう。
(いちがや……)
後輩がいるはずだ。ここは陸海空の全てが揃うから、隊でも呼び方が様々でなんだかややこしいのだなぁと人間を見ていた気がする。
もう、あの土地で長らくを過ごしすぎて、離れすぎて、記憶も曖昧だ。
(……あいまい、なのに、)
曖昧なのに、攫おうとは思う。想う。
もう姿形も規模だって大きく違うあのこを、攫おうと思ってここに来る。
一個体のありもしない心など、いずれ薄れて消えていくと思っていたのに、今でもこんなに未練がましくしがみついているのかと、日本という国に供された己のことを振り返る。
(見つかる前に、)
配備されている後輩に見つかる前に捜しださねば。
決して後ろめたいわけではなく、ただただ愛について独特の感覚を持つ後輩に悟られて捕まって根掘り葉掘り聞かれると時間ばかりがすぎて目的達成が遅れるからだ。
(どこ、に)
居るのだろう。
陳腐に言えば絆、のようなもので確かにその存在は、少なくとも気配だけはここに感じている。さわさわと頬(と認識している場所)を撫でる何がしかの、形容しがたいざわめき。
ぽつんと、気がついたら立っていた場所で辺りを見回しても程よく視界を遮りそれでいて邪魔にはならない木立と、直線をふんだんに利用した建物と、ガラスの鈍い反射と、空。
勝手知らない立場には限りなく不親切だが、そもそも招かれてはいないのだからその不便も甘んじて受けよう。
(…………りく、)
ぼんやりと立っているだけに見えて感覚は周囲にできるだけ展開し、僅かな振動も逃すまいと感知しては選別を続ける。
気配、足捌き、衣擦れ、呼吸、あのこの、全部。
「んっ……?!え、い、じゃっくす?」
(……!)
ぴこ、と視野を遮らない前髪が反応した。
アンテナかレーダーだかの具現なのか、己の反応を如実に表すこの前髪も今はなかなか役に立つ。
「お、お前……なんで、いや、そもそもエイジャックスか?」
(です)
ゆっくりと瞬きをしてふんわりと肯定する。
その反応はこのこと一緒にいた時に散々やったいつもの肯定の動作だから、もうそれだけでほかの要素は要らないくらいだ。
「あ……、うん。いやそれでもだな、あれか、お盆にはまだ早いぞ……?」
(Festival Of The Dead.....”O-bon”...)
「なんか違うがちょっと正しい……死んでないしな……」
​以前からそうだっただろうか、少し色味の変わったような緑色に身を包み、すらりと伸びた体躯があまりに眩しい。
メンダコみたいだ、と言われた瞳孔がなおさら細くなって、眉間にしわがよる。
(まぶしい)
「そうか?今日はそんなに日差しも強くないが……」
律儀に天を仰いで太陽の位置を探すあたり、あんなに小さかったころと何も変わっていなくて、魂が安堵した。どこにもないはずの、魂。
「ところで、本当にどうしたんだ、エイジャックス。向こうで何かあったのか?」
(ん)
ゆったりと頷く。
出会いがしらの驚きを越えて、納得はさておき本題に切り込める余裕ができた。
(攫いに、来た)
「……さら、いに」
(うん)
「……浚う方、ではなく」
(うん)
「さんずいではなく……いや、そもそも俺はいま英語で話してるか?」
(半々)
「半々か……」
どうにも意思の疎通が音声に頼らないので、相手も相手で言語の間を行ったり来たりしてしまう、らしい。
母国から無償提供されたところが発端だから、己も己で二つの言語をあちらこちら、言葉の選びに迷ってしまう。
「具体的に、どう攫うんだ」
(……ん、と)
こう、と言うが早いか柔らかく手首を掴む。
昔は二本まとめて片手に収まりそうだったのに、今では親指と中指が一周して触れるかも怪しいほどに逞しく、筋張っている。
(………)
「うん、それで」
(……あの辺の、芝生で、座る)
「うん?……うん、まあ、いいが」
こっち、とふんわり踵を返して手を引くというにはあまりに力の入らない手首の保持を続けながら、そよそよと風の吹くコンクリートを歩く。
さすがに土足で(しかも己は踵が高い靴だ)柔らかい芝生を踏むのは遠慮したいから、空いた手で縁石を指してここ、と視線を投げかける。
(だめ?)
「駄目じゃあないが……俺がいるから、外も行けるぞ」
(そと)
外。
元来、陸自とそれに類するいわゆる陸軍は、その場その場に長く居ることを前提に行動する。
ゆえに「駐屯地」と呼び習わすのだけれど、だからこそ、その場から外に出ることにはあまり意識が向かない。その領域に、揃っているから。
このこはどこにも、いないのだけれど。
(………さんぽ)
「うん。そうするか」
(いいの)
「ああ、この後はそこまで予定もない。なに、空が基地から戻る前に帰れば見つかることもないだろ」
空、と呼ぶ、ひとのかたちの組織。
己と後輩の所属を争ったらしい、二つの組織。
「時間を考えると…この辺一周くらいか。なんなら市ヶ谷ツアーでもするか?」
(……君が居たらいい)
ふるふると、首を振る。その瞼の裏で、仮にも誘拐犯に今後の行動を提案するひとがどこにいますか、と海担当の彼がものすごい剣幕で迫ってくるのが目に浮かぶ。
多分、同じ予想がこのこの中にも浮かんではもうすでに消えて、それを踏まえた上での提案なのだとよくわかる。
「なんだって攫いにきたんだ」
(………)
そ、れはね、とありもしない心に反して意志が表に出そうになる。
君とどうしたって離れたくはなかったのに、今はもうどうしたって離れているしかないから、どうしたらいいかと思っていて、それは日々の中に細かな砂塵が溢れるように薄れて薄れていくものだと、思っていたのに。
「何でもいいがな。さて、ペトリやら海やら、見つかるとうるさいのに見つかる前に行こう」
(………うん)
ぺとり、と呼んだ。
後輩の名前だ。後輩を通してすら、こんなにも遠い。
(会いたいだけじゃ、だめですか)
つかんだ手首に目を落とす。
人の集合体たる組織の具現は規則正しく脈を打つ。
会えて嬉しい、元気そうで、楽しそうだ、瞳が濁ってなくて、声に芯があって、体幹はすらりと伸びて、まっすぐに、愛おしい。
この「好き」という形容ひとつに落とせる余波が、どの属性かは決めかねていて、おそらく全部が含まれていて、だから伝えずにいようと思って。
「エイジャックス」
名前を、呼んで欲しかった。
攫おうとなんて、しなくてよかった。
(なまえ、)
「うん?」
を、
「エイジャックス?」
飽きるほど呼んで。飽きたりはしないで。
ずっと呼んでいて。焼き付けてしまって。

きみがおれのなまえをよぶのがすきだった。畳む

擬人化,一次創作

擬人化:なんだかんだわいわいしてたらいいなという話。
陸自駐屯地・装備品擬人化小話。下志津駐屯地の駐屯地記念行事には空自の装備も来ますという話。
登場人物:下志津駐屯地、習志野駐屯地、習志野分屯基地、ペトリオット #GAS

​緩やかな風に香りは流されて、視界いっぱいにはむせ返るような物量のつつじの色とりどり。
広い芝生の上に賑やかな露店、走り回る子供達、人目につかないところできびきびと動く部隊をよそに、訪れた人々が和やかに開始を待っている。晴天、眩しいほどの美しい朝。
「わあ……のどか……」
迷彩のもさもさしたものに覆われた己の一部の足元で、三角座りのまま思わず素直な感想が声に出た。
隣で同じように最終調節を行いながら開始を待つ習志野分屯基地が少しだけ己に視線をやって、またすぐに真正面に広がる演習場に目を戻す。
広さで言えば狭い方、少し走れば端から端までたどり着く敷地にこれでもかと言わんばかりに装備品が仕込まれて、さらにこのあと増えるのだから見ものである。己も参加するのだけれど。
式辞やなんかは自分たちのためにはないから、ただただお行儀良くしていることが今の仕事だ。
「ペト、緊張感」
「はい」
三角座りでいる時点で、威厳も何もないように思うが全く意識を持たないのとでもまた違う。少しだけ姿勢を正す。
このひとが、己の運用者であるこのひとが、ぺと、と名前を呼ぶのが好きだ。名前自体も略称で、世間一般と発音から違うのだけれど。
場内に向けて涼やかな声が開催を告げ、慣れ親しんだ物々しさで部隊の入場が始まり、きびきびと次第が進行していく。
芝生と違った緑に赤の差し色が眩しい制服、煌めく楽器を整然と奏でた音楽隊が退場し、にわかに観客席の緊張感も高まったような気がした。
「ペト」
「はい」
ここからは己も参加する展示訓練、淡々とアナウンス。状況開始の号令。
すらりと立ち上がり、事前に知らされたタイミングを待つ。海の向こうでやるような実弾を打つことはないけれど、それでも訓練とは言え己の本領発揮が想定されている以上、どこにあるのかもわからない心と呼ばれるだろうものが興奮で沸き立つのは変わらない。
飛翔体、敵の飛翔体。俺が落とすもの、ぶつけて殺すもの。愛をもって丁寧に、最後まで殺しきるもの。殺しきらねばならないもの。
もちろん見えてはいるのだが、周囲から見ると閉じているように見えるらしい目を、最大限に見開く。よく見える。空が、よく見える。
あの中にもし飛ぶものがあれば、脅威をもって飛んでくるものがあれば、己の出番だ。本当は。訓練、構えるだけ、飛ばす振り、想定と仮想のみ。
惜しい、と思う。いいな、とも思う。たとえ空砲であれどあの装備品たちは実際に打ち出す挙動まで行えて、いいなと思う。空を飛ぶ同僚たちは、この思いを抱くのだろうか、例えば富士の山麓で。
己のシステムが脅威など何もないと伝えてくる。目で見るよりも明らかで、詳しくて、信頼できる己のシステム。
状況終わりのラッパが鳴り響く。観客席も動き出す。己はこれから、展示品。
「ふにゃふにゃしない、動的展示もあるんだからね」
「ひゃい」
気を抜いているわけではないが、噛んだ。
再び己の一部の足元で三角座り。少し動かす展示はあるが、あとはほぼほぼ動きもしない。迅速に広報用の展示準備がなされていく。
広場の向こうのほうに、敷地を同じくする部隊のブースが展開されていく。
「習志野さん、風でしたね」
「……なんかあのひとが風邪引いたみたいに聞こえるからやめて」
「風邪引くんですか習志野さん」
「いや……引いても気づかなさそうというか、自覚の前に体内で殺菌されてそう」
「あっ、ちょっとわかる」
習志野駐屯地、と言えばわかる人間にはわかる。第一空挺団、と言えばなおさらのことだ。精鋭無比の、とんでも集団。
「おう、習志野ちょっといいか」
「はいよ、何?」
「動的展示の時間だけどよー」
下志津駐屯地そのひとがバインダー片手にやってきて、なにやら時間の話をしている。
先程までの緊張感は何処へやら、場内は完全にお祭りの和やかさと賑やかさを取り戻して、吹く風に満開のつつじが香る。
多少の波はあれ、人が途切れることもなく写真写りを気にして姿勢を正し続けていると、見知った顔が増えた。
「あれ、習志野さん、帰ったんじゃ」
「運動不足でよ」
天候次第とは言え、降下直前まで準備していた習志野駐屯地そのひとである。
「えっ、あんたなんでいるの。降下中止で帰ったんでしょ」
「徒歩十五分だろ、ここ」
「なんで徒歩が車で来るより早いの、おかしいでしょ」
同じ千葉県内、距離にして約十三キロ。常人の足で約三時間、車で四十分を徒歩十五分と言い切る豪傑である。
「あたまがおかしい、って習志野さんが言ってました」
「ぺと!お口チャック!」
「ぬん」
「最近褒め言葉じゃねえかなって思ってきた」
「えっそれはちょっと待って普通に褒めてないから」
己の所属地でよく見るやりとりだ。そもそもこの駐屯地と分屯基地という所属が違えど所在地は同じ、という成り立ちから複雑で、かつそこには現在地であるこの下志津駐屯地も大きく関わってくる。
所属組織の、手の届かないところの話だ。本国で己の先達として開発運用されたものたちの話でもある。
「……のどか」
「ぺと、そればっかだね。気に入った?」
「秘密です」
「なにそれ」
んぬふふ、と閉じた口から笑いを漏らす。
「お?習志野、来てたのかよ」
「おう。邪魔するぜ」
駐屯地同士の端的な会話だ。
ぺと、と己の運用者たるひとが呼ぶのが好きだった。ペト、とその隣のひとが己を呼ぶのも好きだった、受け入れられている気がして。
ぺと、と、もしかしたら己を運用するかもしれなかったひとが己を呼ぶのが好きだった、その名前の中にあらゆる先達の面影が含まれていて。

いつもこの門をくぐるとき、思うことがある。声には出さない。どこにあるのかもわからない心とかいう中でだけ。
──ただいま。畳む

擬人化,一次創作

二次創作:結局、我々は敵の言葉ではなく友人の沈黙を覚えているものなのだ。
タイトルはキング牧師のことばから。
実際にあの規模で一般人たちに宝探しのことがバレてたら、それすら織り込み済みの任務だったんじゃないかなというロゼッタ協会に対する不信が根底にある話。歩けば治る特異体質継続、戦闘はターン制ではないいいとこ取り世界観。探索パートの場所とバディはご想像にお任せできるふんわり仕様です。
生きているのが楽しいから、積極的に死にに行く葉佩九龍の話。#九龍妖魔學園紀
主人公:葉佩九龍(デフォルトネーム)/出身地:北海道/身長:165cm/体重:52kg


実際のところ、要は相棒探しでもあるのだろう。
高校生、しかも卒業間近とあれば今後の進路などいくらでも作ることができるから、上手いことやるにはちょうど良い最後の年齢ということだろう。
それだけが全てではないが、確かにその目的もないわけではない。季節外れの転校生、夜な夜な続く墓場の探索、バレないようにやるのは無理だ。
何人かは止むを得ず巻き込もうと思ってはいたが、ここまで人数が増えてくるとは思わなかった。その上、恐らく生徒会の人員が遺跡に関わることなど基本情報として把握はされていたはずだ。それが共有されるかは別で。
ただでさえ前の任務では一人で勝手に窮地に陥り散々な目にあったのだ。(あの老人はいつか車椅子ごと殺す)
「やることがさぁ……コスいんだよな」
呟いたところで現状は変わらない。ひたすら毎日教室へ行って勉学に励み、部活はないが適当に交流を持ち、日が暮れれば墓の中。毎日が産まれ直しみたいだ。
姿見に映る体は若者特有の細さで、しなやかな筋肉がうっすらとわかる。首元に冷たく光る二枚の鉄板さえなければ、どこをどう見ても健康な男子高校生。
「人間ドックタグ……ってか」
鼻で笑う。笑わざるを得ない。これだけの規模に膨れ上がった探索が意味するものの中に、ずっと付きまとう戦死の二文字。殉職扱いになるかは不明だが(契約書読んどこ)そも死んだあとなら何にもならない。
死んだ事実を何処かへ持って帰るためのもの。必要な情報として処理を望むところへ知らせることができるもの。簡単な金属板はもちろん自分で走らないから、自分で走る人間が一人は求められる。理想の形として。
伝えて欲しい人なんかいないが、組織の中とはそういうものだ。自分の意思とは別で必要として扱われることがある。
相棒、バディ、ツーマンセル──少なくとも、”友人”ではない。
「まー、何でも良いんだけどね」
着替えを済ませて伸びをする。昨日、盛大に折れた肋骨は歩いているうちにくっついてずいぶん綺麗に治ってくれた。口の中に広がる血の味と込み上げた胃酸の味が蘇って、鳩尾あたりが変に力む。
「うぇ…今日は折れないと良いな」
火傷も痛いし跡が残りがちになる。毒やらなんやらも食らった直後はとんでもないからやめて欲しい。失明なんざ言うまでもなく遠慮したいし凍傷だって指が落ちそうだからやめてほしい。
五体満足は保障された福利厚生だ。仕組みは何にも判りはしないが、ともあれ享受できる恩恵は受けておくに越したことはない。
着替え──と言っても肌着とシャツを替えて必要な分を洗濯に出すくらいだが──を終えて着込んだアサルトベストを大まかに確認する。
持ち物良し、装備よし、食べ物よし、気分よし。
窓の外は夕暮れを越え、沈むのだけは早い太陽があっという間に夜を連れてくる。部活動も終わり校舎から生徒が消え、寮の門限が迫る。
暗視ゴーグルを首にかけ、窓から外に滑りでる。静かに窓を閉めたあとは一足跳びに地面へ降りて敷地の中を墓地へ急ぐ。
昼間話をつけておいた人影が二つ、大人しく待っていてくれる。
「お待たせ。じゃ、行こうか」
空は月夜、細い月だけが照らす背中を地下遺跡へ滑り込ませばもう慣れきった埃っぽさが鼻をくすぐる。
ロープ伝いに降りてきた二人にそれぞれ手を貸してやりながら、ふとこの手を取って連れていくには何をどれだけ捨てさせるのかと考える。
今までの人生を、これからの全てを捨ててくれと言うだけの価値が己にあるのか。
「まずそこからだよなぁ」
不思議そうな顔をする今夜の相棒たちに、なんでもないよと一つ手を振って肩を回す。
未知の領域に向き合った興奮がじわじわと押し寄せる。手足の先が痺れるような、へそのあたりがぞわぞわするような、心拍数と血圧が上がり瞳孔が開くのがわかって、自然と口の端が吊る。
こればっかりはやめらんないよね、と口の中だけで呟いて今夜の進む方向を示す。土と埃と湿気と死の匂い。もはやこれを毎夜摂取できているだけでこの世の宝をほぼ全て手にしているに等しい幸せなのに、これ以上が求められるのもたまらない。
端末がふいに無機質な声で敵影を告げる。にんまりと顔が笑うのはそのままに、ホルスターから銃を抜き片手で鯉口を切っておく。逆手持ちなのは許されたい。
「そんじゃまあ、楽しんでいこうか」
先手必勝、ピンを抜いた手榴弾が宙を舞い動きを察知した敵影が移動するまでのわずかな間目掛けて引き金を引く。
土と埃と湿気と死の匂いに硝煙と体液の粘着が混じる。
あまりの楽しさに瞬きを忘れそうになりながらありったけの弾丸を打ち込んで笑う。
「生きてるって楽しいねぇ!」

骨折も裂傷も、何もかも受け止めて葉佩九龍は今日も笑う。地下で笑う。
踊りながら、死と笑う。畳む

二次創作

日記:いよいよタイトルわからん
相変わらずタイトルセンスが行方不明で来世への期待が高まる昨今、急に寒いですね。
毎回、個人サイト的なところを作ろうとするとまず概要(いわゆるABOUTページ)を作るところから始めるんですが、そもそもこんな長いこと書いてる文章、冒頭以外読む人いるんだろうか…という疑念が常に付きまといます。まあ大事なことは全部書いてあるから読んでなかったですは通用しないからな、という強い気持ちの表明には良いので良いか。

なんでこのサイト(てがろぐ)のドメインがいつものじゃないのかと言うと、レンタルサーバーで取得できるドメインの上限に達していてそのうちテストで作ったやつを消そうとしたら消すまでにも時間がかかるタイプだったから新規取得ができないと言うどうしようもない理由からです。
いまのところ、こことくるっぷとMisskey(デザインとにじみす)とで分散もいいところなので、いずれ各投稿場所へのリンクをまとめた場所も作りたいな。おそらく使っているスキンとの兼ね合いなのか、てがろぐ上では先頭固定が何個でもできるはずなのに一個しか設定できない(設定上は複数記事が先頭にはなっているが実際には投稿順に下がっていく)ので、この辺もなにやら内側をいじる必要がありそうで休日を待っています。

つらつら

日記:電話来ない
この世で一番苦手なもののたぐいのひとつ、電話を待っている時間がいまそれです。出勤前にばたばたしているけど今を逃すと出られないので待っている。けども。という感じです。

本当は一昨日(4月19日)にロイヤルウィングに初乗船したのでそのときの感想なんかを書けば良いのでしょうけど、それはまたきちんと文章にまとめたいという欲求がありつつこのまま見逃し続けてしまうのではという気持ちもありつつ、まだ自分の中でじっくりと噛み締めていたいというきもちもありつつ、複雑な中を漂わせています。
ちなみに昨日の日記は映画感想がそれです。ちょっとズルしました。

つらつら

感想:「ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り」

観たよ!という感想です。角の先から足の爪の先まで全部ネタバレだよ。俺はアウトローなのでそういうことをする。

もともとは確か3月に「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」を観に行った時だったか、その後に観に行った「トップガン マーヴェリック」(こいつまだ本編観て…いや劇場でやってるのがおかし…いやこの話はあとです)だったか、とにかく何かを観にいったときに吹替版の予告が流れていて知りました。
映画、特に国外作品は基本的に原語で楽しみたい派閥なので字幕優先なんですが、吹替予告珍しいな〜と思っていたらなんだかんだそのあとチャンネル登録はしていないけど文化面の参照としておすすめに出てきたら見るという頻度で並走しているYouTuber三人組が吹替に抜擢されたとかやっていて、思わぬところからも目に入ってきたタイトルです。前説全部要らんなこれ。

そもそものゲーム自体を知らないにせよ、こちとら魂の住民票はずっと中つ国にある生粋ファンタジー国の住人なので魔法とか人間以外の種族とか鳥人間とか(ジャーナサンさん…………)特に違和感なく受け止められるタイプ、RPGはゲームで少しドラクエを嗜むタイプ。
この異世界、少なくとも現存地球世界との乖離をファンタジーだからという前提で受け入れられる人なら全員楽しめるんじゃないかな!という王道の話でとてもよかったです。
俺のようにひねくれて「王道ファンタジーでもたとえば主人公サイドの人間がこじらせるとか、もっと世界が一回滅ぶとかしないかな………」みたいなフィクションへの期待値最悪人間性を持っている個体に対しても「そもうちはこういうスタンスでやらせてもらってるんで」という提示が早々になされるから「アッハイ」で受け入れられます。

いろいろTLに流れてくる不可避の情報で「スーパーセクシーパラディン」という存在は存じていたんですが、思ったより出番が少なくて「えっっっっ?!」になりますし、そうなった上で「スーパーセクシーパラディン……………」になるのでそれも今までにない体験でめちゃくちゃになりました。俺が。
地下世界でのあのかつての仲間っぽい人たち(無差別に人を襲う化物みたいな描写の後にめちゃくちゃ意思疎通ができる個体たちが出てきてやや混乱した。時間が経つと冷静になってああなれるんだろうか)との一人大乱闘はなんだったんですか!?最初から死んでるから死ねないのにもちもちまるまるおでぶドラゴンちゃんさんのお腹におさまったら永久に消化されて復活してを繰り返すんですか!?肉体がなくても「死」の概念から外れているってことですか?!とか最悪人間性好奇心がめちゃくちゃ刺激されてそれどころじゃなかったですけど、あそこのシーンだけ完全に主人公たちが置き去りなので俺も置き去りにされました。あの体験おもしろかったな………。

これはツイートもしたんですけど、ゼンクがエドガンを助けようとした理由は間違いなく提示された通りなんですが、そこにほんの少しでいいからかつて「自我をなくし化け物になった親に襲われる子」だったゼンクが「自分がどうなろうと(少なくとも自我を失った不死の化け物ではないが)子を助けようとする親」のエドガンに個人的に思うところが一瞬でもいいからあって欲しいな、と思いました。
他のサーイ人がどうあれ(ソフィーナも意外と根に持っていたので)、わりと主人公たちも過去のことにとらわれがち(エドガンは奥さんのこと、ホルガは元夫のこと、サイモンは言わずもがな。ドリックは捨てられた過去のことは割り切ってそうだけどそこに端を欲する現状を守りたい、守り切れていないことについて)だからゼンクにもその辺少し合って欲しいなあ、という願望です。

個人的に魔法という人智を越えた力を期待される法則性のひとつが「解決できない事象もある」と明確に描写されるの好きなのでところどころにある「なんでもできるわけじゃない」に満面の笑みでした。
「できないところをどう工夫するか」が全体に一貫したテーマでもあると感じたので、本当に最初から最後まで作品に一貫したルールとテーマがあってそこからブレることがない作品でよかったです。

エドガンと奥さんの爽やかなイチャコラもめっっっっっっっっっっちゃくちゃ好きで好きで………ちょくちょく登場する青いトンボは奥さんの魂の比喩なのかなあとずっと思っていたんですが、そうでしたねあれね。手を離すんだよ………たとえそれがどんなに大事なものでも、手放して、見送って、自分を自由にしてあげる必要があるんだよ…というのをあの明るい本編を変にしっとりさせたりせずに描くのすごくよかったです。全推しカプにあのシーツの中でくすくすしてるシーンやってほしい。
たまたまなんですけど「トップガン マーヴェリック」も大事にしすぎてほとんど修復不可能なまでに壊したものを手放すことで壊れきらない話(でもある)なので、二連続そんな感じのものを観たな………と思いましたが、断捨離とかが定期的に流行る現存世界において自分が納得した上でなら今までずっと手を離さずに握り締めたものを、ふとその手を緩めてしまっても現状は失われるけどあなた自身は失われないよ、というのを伝えるの大事なのかもしれない。ゼンクも「死んだ人間を生き返らせたら新しい人生(死んだまま継続される時間軸)が消える」って言ってたしな。

ところでジャーナサンさんが何をしたっていうんだ。畳む
#映画感想

つらつら

OFFLINE情報
イベント参加予定とイベント参加履歴の一覧、参加したアンソロジーなどの情報です。
【イベント参加予定】
2024年08月24日(土):ジュヴナイル伝奇シリーズオンラインイベント ジュヴFES:く5「裏を持て。」
2024年11月17日(日):COMITIA150


【イベント参加履歴】
2024/08/18:COMITIA149(東京ビッグサイト)
2024/05/26:COMITIA148(東京ビッグサイト)
2024/02/25:COMITIA147(東京ビッグサイト)
2023/12/03:COMITIA146(東京ビッグサイト)
2023/11/5:海外俳優オンラインイベント(オンラインイベント)
2023/10/21:海外作品オフラインイベント(東京都立多摩産業交流センター)
2023/09/03:COMITIA145(東京ビッグサイト)
2023/08/27:擬人化王国28(東京ビッグサイト)
2023/08/13:C102(東京ビッグサイト)
2023/05/05:COMITIA144(東京ビッグサイト)
2023/05/03:さわやかMDRマルシェ2_2305(オンラインイベント)
2023/04/14:いきなりあぶないスカイゾーン(オンラインイベント)
2023/04/09:映画作品二次創作イベント(大田区産業プラザPiO)
2023/03/19:HARU COMIC CITY 31(売り子)
2023/02/19:COMITIA143(東京ビッグサイト)
2023/02/12:擬人化王国27(東京ビッグサイト)
2023/01/22:いきなり!レッドカーペット3(オンラインイベント)
2022/12/10:そこそこあぶないスカイゾーン(オンラインイベント)
2022/11/27:COMITIA142(東京ビッグサイト)
2022/10/01:さわやかMDRマルシェ2210(オンラインイベント)
2022/09/18:擬人化王国26(東京ビッグサイト)
2022/09/04:COMITIA141(東京ビッグサイト)
2022/08/27:ちょっとあぶないスカイゾーン(オンラインイベント)
2022/08/13:コミックマーケット100(東京ビッグサイト)
2022/05/05:コミティア140(東京ビッグサイト)
2022/02/20:擬人化王国25(オンラインのみ)
2021/09/19:GOOD COMIC CITY 27(エアブーのみ)
2021/04/11:擬人化王国23(東京ビッグサイト)
2020/11/29:擬人化王国22(東京ビッグサイト)
2020/02/16:擬人化王国21(東京ビッグサイト)
2019/10/20:擬人化王国20(インテックス大阪)
2019/08/12:コミックマーケット96(東京ビッグサイト)
2019/06/23:擬人化王国19(東京ビッグサイト)
2019/01/27:UNLIMITED EX 2(東京ビッグサイト)
2018/12/31:コミックマーケット95(東京ビッグサイト)
2018/11/24:擬人化王国18(東京ビッグサイト)
2018/07/01:擬人化王国17(東京ビッグサイト)
2018/02/25:擬人化王国16(東京ビッグサイト)
2017/11/23:COMITIA122(東京ビッグサイト)
2017/07/02:擬人化王国15(東京ビッグサイト)
2017/02/12:擬人化王国14(東京ビッグサイト)
2016/06/19:擬人化王国13(東京ビッグサイト)
2016/01/24:擬人化王国12(東京ビッグサイト)
2015/10/11:擬人化王国11(インテックス大阪)
2015/07/05:擬人化王国10(東京ビッグサイト)
2014/10/05:擬人化王国9(インテックス大阪)
2014/06/22:擬人化王国8(東京ビッグサイト)
2013/06/23:擬人化王国7(インテックス大阪)
2013/01/27:擬人化王国6(東京ビッグサイト)

【参加/主催アンソロジー・合同誌】
2013年6月感染擬人化プチオンリーおふね会定例会議(擬人化王国7内プチオンリー)
2017年2月某巨大不明生物映画を観た登場諸機関擬人化が(以下中略)するアンソロ(ジー)(主催)
2017年7月その日を越えていけ(砕氷艦船アンソロジー/主催)
2018年2月発行「擬人化四季報」参加(横浜船渠、日本郵船擬人化)
2018年7月成田空港40周年記念合同誌「Per aspera, ad astra!」参加(NRT、NCA擬人化)
2019年6月モキュメンタリ風合同誌「unsung report」(主催)
2021年9月九龍妖魔學園紀媚薬アンソロジー「over flow」参加
2022年6月九龍妖魔學園紀二次創作皆主アンソロジー「おまえと朝ごはん」参加
2022年8月オンラインイベント会場背景制作
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OFFLINE情報

日記:てがろぐって……べんり!
急にてがろぐの存在を思い出し、いい感じのテンプレートを配布サイトさんで見つけていたことを思い出し、すべてが思い出されたので急ですが移転しました。移転、というかここをメインにするかどうかはまだ未定なんですがこのシンプルさはWordPressでやっているものよりもさらに自分に合っている気がします。

さて、日記もちまちま投稿日時などコピペで移動させました。それほど数がなくて助かりました。
畳む機能もあるので長文書いたり情報を整えたりしやすいですね。けっきょく俺にはそこまでの機能は必要なかったんだな。知っていた。
画像も付けられるので、せっかく眠らせていた有料サーバーなので(眠らせていたんかい)のちのちはこのあたりを耕していきたいですね。ドメイン名をずっと「chirumichi」で取っていたんですが、諸事情で眠っていたのを掘り起こしたのでNNTR(No need to reply.の頭文字省略系)です。

つらつら

ABOUT
【このサイトについて】
裏参道が管理する、擬人化表現を含む一次創作・二次創作混同サイトです。
擬人化表現されるあらゆる対象に無関係。擬人化創作は「Gijinka All Stars!!」(擬人化オールスターズ、略してGAS!!)という名前があります。
少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。以下は創作や連絡先情報です。

【擬人化を含む創作について】
主として海上保安庁所属の船艇・航空機を擬人化しています。
その他、関連組織や自衛隊関連(装備品含)、造船所、航空会社、海運会社等を必要に応じて出現させています。キャラクタの数を増やしたいわけではなく、必要に応じて増えていくタイプの創作。
漫画、小説、短歌を詠みます。それ以外にもやりたい表現があればやっていこうの気持ち。
他者による転載は一切を受け付けておりません。また掲載されている画像・文章に関わらずすべてはAI学習禁止となります。

[擬人化を含む創作への二次創作について]
基本的には歓迎の姿勢です。
善意でできていたい人間なので、以下のような極端なことがなければ喜びます。
・対象そのものや所属者、関係者を貶める、侮辱する、誹謗中傷などの表現
・個人や個人の特性について、尊厳を毀損する様な表現
・擬人化を含む創作内で言及されている関係性を無視、湾曲するような表現(すでに関係性が成立しているキャラクタに対して、同等の"うちよそ"関係は成立しません)
※同等の=恋愛関係が成立しているキャラクタがいわゆる"うちよそ"関係として恋愛関係を結ぶ
・表現や設定の自作発言、無断での商用利用、参道自身が掲載した以外のメディアなどへの転載
・政治や宗教などについて言及する際に巻き込むこと(ご自分の言葉で語ってください)
・現実、SNSなどのオンライン上を問わず、実在する擬人化対象すべてへ迷惑がかかるような振る舞い

また、SNSや同人誌などに掲載の際はお手数ですが創作元の情報として裏参道(表参道)のTwitterアカウントなど大元がわかる情報の明記をお願いします。
ご不明点があればお気軽にご連絡ください。

【このサイトへのリンクおよび管理人連絡先】
サイト名:散る散る満ちる。
サイトアドレス:http://nntr.xxxx.jp/murmur/
管理人:裏参道(二次創作名義:表参道)
メールアドレス:ura.omote.310◆gmail.com(◆を@に変更してください)
Wavebox:いわゆるWeb拍手みたいなもの
Twtter:裏参道 (@ura_310)/表参道 (@omote_310)
misskey.design:裏参道 / にじみす:表参道
Pixiv:裏参道 / BOOTH(既刊・グッズ通販):散る道。
感想フォーム:感想が送れる。
タイッツー:裏参道
ほしいものリスト:いのち /本など

++更新履歴++
2023/04/19 … てがろぐに移行開始
2022/05/04 … 移転開始(OFFLINE情報)
2022/06/01 … WordPressに移転後稼働開始
2013/02/05 … 改装、稼働開始
2013/01/29 … 個人サイト仮開設
2009/01/25 … 手書きブログにてオンライン上の擬人化活動開始
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ABOUT

日記:わすれ
今日も日記書いている時間を失ったので自戒です。これこの記事作る意味ありました!?

つらつら

日記:不可避
昨日恐る恐る発送した荷物たちのいくつかが、今日の9時36分時点でいくつか配達完了になっていて恐ろしさに震えていてにわかに信じられていない状態で日記を書いています。どういう精神状態?たぶん一生で今回限りの混乱だろうからそういう状態であったことは記しておきます。

人生のジンクス、もしくは人間にあまねく存在するやりがちなことの一つかもしれないんですが、同じ手続きの二回目に必ず何か失敗するという事実を抱えて生きています。

これはもう言うまでもなく当たり前のことで、最初は緊張もしているし手順や方法が正しいかをものすごく確認しながら慎重に進めていく、二回目はそういう注意喚起に対しての感覚がほぼ鈍っている、という単純な仕組みなのですけれど、こうまで人生の中で続くと二回目に失敗しなくても「本当か?」と疑いが発生します。違う、正しいんだ、間違いを探すな。

まあ初回でやらかすことも多いので最近の、偏見で主語をくくりますが日本は本当にそのへんの手続きまわりの一種過剰な説明がこの微妙な不安を多々抱える人間に優しいな……と思います。

つらつら

日記:みちみち
相変わらず寝起きから偏頭痛で、昨日はコーヒーを飲んだら落ち着いたので今日もいけるかと思ったら全然効かなくて殺意と共に許されている容量全力の処方薬を投入してことなきを得ました。ちょっと寝たけど。

昔は頭が痛くなるとすべてが絶望……もうだめだ……と思って泣いていたのですが、最近はその前に殺意が来るようになりました。怒りを持って痛みに対処するとわりとちゃんと効く気がしています。気のせいかもしれないが、プラセボというものもあるし、いいんじゃないでしょうか。

話は変わってオンラインイベントの発送作業をしてきました。

オフライン情報見ていただくとわかるんですけど(見なくていいです)ここ最近二週間おきくらいにオフライン・オンライン問わずイベントに参加していて、今回はなんといつも無配ばっかりの我がサークルもついに物理的な本を通頒することとなり、その作業でした。

匿名配送とかいう文明の恩恵を受けに受けた手続きなんですが、発送時に人間と接することなく作業を終えることもできて気楽な反面、本当にこの手続きで正しいのかが全然わからなくてそういうところ気にしいな自分には誰か隣にいて欲しいなという手を握っていてくれる存在が必要でした。うまくいっていて欲しい。

未経験のことへの未知への恐怖、昔はずっと怯えているだけで踏み出しもしなかったけれど、最近は「いうて死にはしない」という大雑把な建前を建てて生き延びていっている気がします。いいぞ、生きていこうな。

つらつら

日記:あめ
カレンダーに付属しているグラフから拝借した数字である。

こうして明確にパーセントで表示されると「なにもしないまま一年の三割が終わる………」としみじみするし、なんもしないままと言っている人間がオンオフ含めてあれだけイベントに出ていると言うのは、「なんしてない」には絶対に当てはまらないな、とも思う。

昨日一昨日あたりの体調とメンタル面が最悪だったのでノートアプリ内でも新しいノートを作ってこれを書いています。どうでもいい情報、何日分か書き溜めてコピペで投稿していると言う事実。

今日は天気予報通り朝から雨降りで、予想されていた体調の具合だったのですべてがオッケーという謎の気持ちです。この特有の良いとは言えないがすべてを悪いと言うにはポジティブが多すぎる、という体調はいまだに明確な言語化はできないし、しなくてもいいと思っている部類の感覚。

仕事なのでオンラインイベント(実は昨日から開催されている)にほぼ一切顔を出せないのが悲しくて、反応が必要なアクションがあった時だけログインしています。悲しいから。どういう紛らわせ方だろうか。意地の張り合いとも言う。

「いう」を開くか「言う」と変換するかの基準がブレブレの文章ですね。

つらつら

日記:すべてのこと
昨日、今日の己にぶん投げたのをすでに目覚めた瞬間から後悔しているしいままで書くのを忘れていました。本気で興味がなさすぎる………長文の出力練習だからとはいえ…そして一ヶ月限定なので特に改善に取り組む気力もなく…………すべてがだめであり……………………

惨憺たる様相を呈してきたので軌道修正したいんですが、そもそも修正後の軌道がいましっちゃかめっちゃかなので「なにが〜〜〜?????」というすべてがわからない体勢になっています。もう全然。

服薬で周期の安定をはかり、運動で周期前の余計な心労を回避しているとはいえ一回始まっちゃうともう全部一気にドン底みたいになるのなんなんですかね。普通にこれが社会を生きる人体に搭載されているのシンプルにおかしい。生きていかせる気があるのか?みたいになる。

まあ勤め先な福利厚生が全盛期の電話帳か?ってくらいに手厚いのでいいっちゃいいんですが、今しんどい思いをしているのは俺なので俺を誰か救えよ、という無責任で傲慢な暴れ回りをしたくなるわけです。人間性が最悪。

明日くらいまでこの調子なので、明後日以降はまともなことを書けたらいいですね。まともなこと、書いたことない気がする。

つらつら

日記:したむき
また日記書いてないな、とすんでで思い出しましたが特に書くことがないのがいつもです。

朝からまあ体調は予定されていた通りに悪くて、あ〜………………………という気分でいます。それ以外に何を言えと言うんだ。

ぐったりしていると本当に良くない。

明日以降の己に全てをぶん投げて今日の日記とします。

つらつら

日記:とをあまりふたつ
日記です。いま15時ですが、つまり今まで忘れてた。ついでに昨日はメモアプリを経由せずに直接投稿画面から書いたのでメモにも残っていなくて少し混乱した。

すべての創作活動においてそうなんですけど、宣伝とか下手すぎるなあという悩みがあって。

もともと自分の創作については「まあ通りがかりに見てってもらえればそれで……」のスタンスなのはいいのだけど、それにするならするで「ちゃんと目に止まる」工夫というかやり方は必要なのにそこが全然できていなくて、だから目にも止められず自分からも発信しないので虚無だけが延々と続いていく、みたいなことが多いなあと思っている。

きちんと作品をこまめに作って発信している人、ものすごいことをやっているなあと思うし昔はそっちのタイプであったはずなんだけれどいつからか全然そんなことがなくなっていって、情報を受け取るばかりになっていって、興味のある方へ動き出すこともしなくなっているなあという、心の鈍り方だけを自覚している。

たぶんこれ月の廻りの必然的な体調に引っ張られるタイプの精神低迷なので放っておきます。週が開けたらこの辺はカタがつくはずなので。

今日も短い日記だな。

つらつら

日記:とうに一抜け
本気で日記のことを毎日忘れます。朝に何か書き始めるとそのまま行けるんですがそれをしないで別のことしているとあっという間に忘れます。本当に誰ですか、週間のことを三日続ければとか言った人は。

本当に特に書くことがなくて、いまスマホから投稿画面にいるんですけどものすごくやりにくいということくらいしかわかりません。

明日は時間があるはずなのでまともに書きます。今日はもうだめだ。

つらつら

日記:とことこ鎌倉
なにやら父が急な連休を手に入れたとのことで、両親が横浜に遊びに来ていたので一緒に鎌倉観光へ行きました、という話です。珍しくちゃんとした、この場合のちゃんとしたと言うのは世間一般で言うところのその日あったできごとを記すと言う意味での日記を書ける気がする。

最近はもうずっと職場と家の往復、行ってみなとみらいか「宗谷」か、「宗谷」もだいぶ行っていないし防基も全然行っていないし、改装工事が終わった横浜みなと博物館だってなんとなくぼんやり行かないままでいて、あのへんになんだか忌避感があって、それは間違いなく己だけが抱えている何がしかの罪悪感とかそういうものに根差しているのだけはうっすらと知っていて、でも見ないふりをしていた。

疲れていないし、疲れたら休んでいるし、休みの日は一日家にいて自分を労っているし、仕事でむしゃくしゃしたり嫌なことがあってもTwitterや最近ではMisskeyにいけば誰かしらが楽しかったり嬉しかったりしていて、好きなものについて話していて、あいかわらず政治には怒りがあって、正しいことを心掛けている人たちが可視化されているから、勝手に受け取って自分でいいように解釈して都合の良い世界にたゆたっていると思っていた。

でもそれはもう今までのルーティンからはみ出すのがただ怖くて、駅から自宅までの道を変えるのが怖いのと一緒で、目的地には着くのにその道中になにがあるかわからないからという未知への恐怖だけでできていて、見て見ぬふりというのが一番正しい、そういう日常を続けていくことでしか安心していなかった。

神社仏閣はずっと好きで、なんでか理由はあったりなかったりするけれど、基本的にはあの境内という結界の中の空気や雰囲気が好きで、他者への敬意とか万物への敬意とか、そういう善たろうとする部分が好きなのもあれば、とにかくちっぽけで醜くて浅ましくて不安定な己でいることを許されているから好きだ、という一面もあるんだなと気づいた。

祈りとは救いを求めることでもあって、救いを求める根底には欲があって、仏はそういうしがらみから救ってくれる存在で、信仰そのものに良いも悪いもないけれど例えば少し良いことがあったときに感謝できる理由になる、悪いことがあったとき冷静になれるきっかけになるかもしれない、そういう「こう在っていい」(在ることができたひとたちがいる)という絶対の安心感、指標でもある。

昔の人はいまと違ってそれはもう限られた技術の中で知恵と工夫で乗り切って生き延びて、というのは想像に難くないけれどその中で仏像や寺の建立や天井画や装飾、名前が残ったり残らなかったり歴史に残ったり残らなかったりする、そういうところを全部「残ろうとして」やっていないところがすごく良くて、ただ祈りのためにやっていること、その真っ直ぐさが溢れているからきっと好きなんだろうな。

そこにもう仏という指標が確固としてあるから、いま己はここでただちっぽけで迷っていて不安定で不安で臆病で震えていて泣いてもいい、無関心にも見えるほど大きい許しの中に確かにいるのだとわかること。これも祈りと救いの一端なんだろうな、というのが珍しくわかった日でした。救われたいという欲から逃げられないから、俺たちは仏じゃないんだなという納得感を今までで一番得た。

視野が広がる、とか視野が狭まっていたな、というのがよくわかりました。やはりスマホやらパソコンやらの画面だけ見ていてはいけないなあ。

天気も良くて風が心地良くて想像していたより人間がいなかったのも個人的には助かっていた。鎌倉駅周辺や鶴岡八幡宮などの大御所も大御所を避けていたのもあるかもしれない。

こういう己の何か魂に近い部分の息抜きができる場所、見つけて大事にしていきたい。

つらつら

日記:くるくるといく
ついにイベント当日、行って帰ってきました。

いつも行っているような企業が主催の大きめなイベントとは違って、いわゆる小・中規模にあたるイベントだったので会場も初めてのところであればサークル参加手続きも初めての手法であったりとなかなか楽しく緊張して帰ってきて疲れています。部屋が寒い。

どうしてもイベント振り返りになると思うので積極的に振り返っていきます。まず荷物。

ポスタースタンドや本を立てる木製の組み立てスタンド、いつもの一次創作だと本の種類が多いのでそれぞれ二つずつ用意しておくんですが、今回は本・ペーパー・お配りする無配のグッズすべてが一種類ずつだったので圧倒的に持て余しました。

ペーパーのように最悪、余った分を会場で破棄できるものならともかく、今回はゴミ持ち帰りだったこともあって持って行った本が半分減って、買った本がそれ以上増えたという実質荷物増で帰ってきたのでおつらかったですわ。急なお嬢様ログイン。

あと二次創作ジャンルだったのでひとさまにはちょっとやそっとじゃ聞かせられない個人の信条の話とかあるんですけどそれはそれで見えないところでやりますわ〜!!!!!!急なお嬢様ログインは書いている途中でMisskeyを見に行ったからです。

ごめんあそばせ。

つらつら

日記:やうやうやっている
シンプルに習慣化されていないので平気で日記を忘れます。誰だ、三日続ければ習慣になるとか言っていたひとたち。主語が全人類の全個体じゃないから許されている感じがある。これは単に難癖つけているさまです。

難癖をつけつつ、なんとなく「そういえば書かないとな」と意識する風にはなってきているし、少しずつであれタイピングしているときの指の軽さが戻ってきているので効果はあるのだと思います。

明日はここ一ヶ月以上ずっと取り組んでいた二位創作イベントの本番で、もう携帯だけ持って出れば問題ないように荷造りも済んでいるんですが、TLを眺めていると前夜祭の雰囲気でどうにも取り残されているような、自分の足元は大丈夫だという確信のような、なんともいえない感情がぼんやりとあります。

なんとも言えない感情といえば昨日、頭痛のなりかけの気配とよく呼んでいるあの痛みの前駆症状(と、おそらく医学ではいうはずだ)はどうにも誰にも説明できる気がしないなあ、と思ったのでした。今日の日記ですますだな?語尾も統一する気がない、気まぐれで人生をやらせていただいております。

頭痛と一口に言ってもその痛みの種類と感じ方と表現は千差万別もいいところだろうし、己の場合は脳全体がじんわりと薄く(痛みにも薄さや深さがある)痛みの一歩前、ストレッチとか運動のときに「これ以上やったらだめだ」と感じるあの感覚で察することができるタイプのなにかを抱えるのだけど、これも全然他者に伝わる気がしない。

こういうとき、感情や感覚をそのまま相手の脳みそに転送できたらいいのだろうなと思うけれどたぶんそれをやると大変なことになるのできっとならないんだろうな。

細かすぎてどうでもいいところ、サイトデザインをちょっといじりました。

つらつら

日記:なかなかならない
相変わらず気圧に負けて頭が痛いながらイベントの差し入れの買い出しとか行っていました。けっこう負けがちでした。

それはそれとして(話の転換に”それはそれとして”を使いすぎ問題)日曜日にあるイベントに持っていく本が届いたので「やっぱり本を作るの良いな……」と思いました。今回の場合は全部Web再録を物理的に本にするという作業工程の少なさお気楽本なのであの原稿の苦しみはそんなにないのだけど、楽して本を出したいなら日常的に創作をしているのが一番、という身も蓋もない結論が見えてきており………はい。

いよいよTwitterの綻びが目につく回数が段階的に増えてきて包み隠さないと真剣に「やべ〜んだろうな」と思っているし、中の人たちが一番割りを食ってるんだろうな…となり、できるだけたくさんのお給料をもらって欲しいこのごろです。

とはいえ最近は「前のTwitterにもどって!」みたいな子供じみたわがままから「おっ、いいぞいいぞ、どこまでも一緒にいてやるぞ。地獄に行こうな」と前向きに一緒に沈む気持ちでいます。やめろ。沈むな。

フォロワーさんと以前からたびたび「ふねの擬人化をやっているし創作をやっているが、ふね沈みがち問題がある。沈むな」という話をしているのを思い出す。沈むな。

ふねもそうだけれど飛行機とかすべての目的があって造られた無機物たちはその役目を全うしてから真っ当に解体されて欲しい。ふねの解体も全然環境や人員に配慮されていないまま適当に解体されてはい終わり、になることが多いのも勝手に悲しいし、今後も生きていくこの天体のことを考えたときにコストばかり気にかけてそれ以外に目を向けない人間は愚か……と短絡的に断じてしまうね。仮想敵を作るな。

この「仮想敵を作るな」は己のメンタル指標のひとつであるので、気が向いたらこれも語る要素の一つにしておきます。

つらつら

日記:ろくろく寝ていない
朝から偏頭痛がすごくて倒れながら生きていたので時間がないまま書いている。パソコンに限らず文章を書けてアップロードできるというのは文明の利器なのでありがたいことだ。

昨日も本当のことを言うと大半が寝不足と偏頭痛に倒れ伏していたので書くことがほとんどなくて、日常の行動を書くつもりがそこまでないから早くもネタ切れの様相。選手権の開催は最後まで取っておきたい。

出来事としては髪を切って期日前投票に行った。投票会場がなんだか赤子たちの四ヶ月検診の会場と近くて、やたらとふわふわしたいのちたちがたくさんいた。みんなこんな薄暗い建物の中で平気なのだなぁ、と見当違いの感心をする。四ヶ月ともなるとある程度は度胸がつくのか、それとも親がいるから安心なのか、みんな落ち着いたところを見計らってきているのか、そのいくらかをすべてなのか。

結構すぐに頭が痛いことをTwitterなりに投稿してしまうのは単に頭痛記録のためであってあれをやれているときはわりかし元気なのだけど、症状があるのは事実なので他人からしたら心配だけどさせるよな…とはわかっていてやっています。気にしないでください。

つらつら

日記:ごろごろの
日記を書いているのに更新を自動的にTwitterに投稿してくれるプラグインが働いているんだかいないんだか、まで書いて、そうだったわそれをやってる連携先のSocialDogさんがAPI関連のアレでそれしてたんだわ、まで思い出しました。

昨日はほぼずっと一日中頭痛と戦ってやや負けていたので、負けていた。

偏頭痛は物心ついた時からずっと一緒にいる、できれば一緒にいたくはないやつなのだけれど、まあ生まれ持ってしまったものだから対処療法で対処対処としていこう、という諦めがよくないのかもしれない。とはいえ一朝一夕に同行できるものでないなら一旦は対処にとどまるのは確かな一歩。

とはいえ日中ほぼずっと眠っていたからか、夜間の就寝が全然できなくて睡眠時間五時間とかである。眠い。ひたすら。非常に。数字で見たら絶対意識してしまうからApple Watchの睡眠アプリ見ないようにしていたんだけど、どうしても気になったから見てしまったら五時間とか出てきた。思わず笑った。

期日前投票してきたので全部がいいことにする。

話と関係ないようなことを言うと、母方の祖母が「ねむる」と書くとき「眠むる」と書くの、結構好き。

つらつら

日記:うろうろの
すでにタイトルをどうしようかの悩みが尽きないこのごろです。四日目。

居住環境についてたびたび悩むことが多いのですけれど、このへんの衣食住でいう「住」の部分はもうお金に物を言わせて頬を札束叩くが結論として出続けているので、非課税の三億円がとりいそぎ合法的に手に入る必要があるなあと毎度寒くて薄暗い部屋で結論を出します。

なにも広大な敷地にあえて小さい家を建ててそこに暮らしたいとか言っているわけではなくて、ただ満足のできる本棚(蔵書のすべてが収納でき、また日当たりなども考慮された静かで適度に乾燥した空間)と、自宅に引きこもっていても健康が損なわれないような運動ができるだけの設備と、自炊と呼べる範囲ではないにせよ少しばかりいまより動きやすい水回りがあればいい、と謙虚に見せかけてものすごく高い要求を己の願望として記しておきます。

本来の意味での日記、その日あったことを振り返る意味での記録に向いていない自覚はずっとあって、用事がないとどんなに親しい間柄どうしでも連絡を一切しないという生粋の性質に基づいているというのは自覚している。

だからいつも思いついたことについて書く、という行動の振り返りじゃないやつになるんだよな………類語辞典はまだ引いてません。

つらつら

日記:三日坊主は阻止
三日目にしてすでに極大まで振り切ったネガティブが言い換えるすべてのポジティブ言い方選手権の発動の必要性を感じていますが、まあ何か別のことを書きます。

そもそも日記を朝に書いているので必然的に昨日あったことの振り返りか、前々から「これを書こう」と思っていたことについて書くのどちらかになる。この試みの根底は「定期的に自分の中のなんでもいいからなにかをある程度まとまった文章として出力する」の反復練習なので、題材はなんでもいいし、誰に読ませているつもりもないので適当に(これは本当に力を入れないという意味で)適当にやっていけばいいんだけれどもな。

いつだか読んだ梶井基次郎の文庫サイズの全集に納められていた「新しいノートをおろして書き始めたとき、一文字でも書き損じるともうそのノート一冊分を捨てたくなる。全部をだめにした気分になる」(要約)という一文がものすごく「ああ〜!!!!!」と膝を叩いた覚えがあって、その時からずっとこの何かをする前に感じている分厚いくせに定形ではなくて、もやもやとしているくせにやたらと強固な感覚、いわゆるハードルと呼ばれるような心理的な障壁を「それだなあ」と思って生きている。たぶんちくま文庫から出版されているやつだったと思う、というかそれしか持っていない記憶がある。

この一つでも仕損じたらもう全部がダメ、とその時点で放り出したくなる衝動は一種の完璧主義や潔癖からくるのだろうか。水回りに対してのあれと同じで。二日前の伏線を図らずも回収した。伏線だったのか………。

今週末の日曜日、全然いままで遠巻きに見ているしかなかったジャンルの二次創作イベントに行く予定なので、それへの緊張がじわじわ高まっているという仮説もある。基本的には臆病で、過剰反応気味に生きています。

楽しんでいこう。

つらつら

日記:困りのこと
昨日の日記を読み返して思ったことなのだけれど、文章の一言目の後に必ず読点(「、」)が入るのはたぶん文章の癖なんだな……。この癖が良い方向にいくのか悪い方向に行くのかは己の捉え方次第なので現状は一旦放置。

Misskey.designというSNSにアカウントを登録だけはした。ほんの少し呟いてはみた。リアクション、いいなと思った。

本来は己も己のペースでのんびりと発信を行ったり、通りすがりにリアクションしたりと楽しむものなのだろうけれども、個人的な使い方は作業用BGM。もっと正確に言えば「誰か人間の存在気配は感じたいけれど決して会話したり何かを眺めたりするのではなく己の作業に没頭したい時の気配だけが得られる」である。

図書館のように静謐が厳に求められたりせず、自分は自分のやりたいように音楽を聞いたり叫んだり(間違って下書きレイヤーにペン入れしていた時など)しつつ、全然無関係かつベクトルは同じ人間たちの気配だけがある状態、現時点最高。ただしときおり、これを書いている今現在がちょっと境界線上だけど、人間の気配すら近寄りたくない時というものがあるので、やや様子見。

日記を書くときいつも題材に困る。困り続けることがアンテナの感度チューニングなので、困ればいいと思う。生活に支障の出ない範囲で。どうしようもなくなったら書かなくなるか、極大まで振り切ったネガティブが言い換えるすべてのポジティブ言い方選手権とかをやります。

つらつら

日記
以前、フォロワーさんとイベントで「日記を書くか」という話をした。答えは「書かない」だった。

この魂を生きて数十年、自分の継続のできなさについては一家言持ちである。とはいえ最近、いわゆる長文にあたる量の文章を出力していないこと、伴って言葉の扱いがたいへん粗雑になってきている自覚もあるため一応、のんびりとやることを前提に日記を書くことにする。

一ヶ月毎日noteを更新していた時もあるので、まあなんとかなるやろ……の気持ちです。ほらまた文章と言葉が雑になる。よくない。

いっときから、意識して「めちゃくちゃ」という単語を乱用している自覚がある。なぜ意識しているかと言うと、「ちゃ」という音が水音っぽくて苦手だからだ。苦手を克服しよう、と言う誰にもわからない試みの一つである。

個人的すぎるうえに感覚の説明がしづらいものの一つに、水回りへの謎の潔癖がある。小学校低学年時にスイミングスクールへ通っていたことがあるが、プールサイドのタイルがどうしてもどうしても素足で踏めず、毎回毛がふわふわ生えてうぞうぞと動く毛虫の背中を踏む、みたいな感覚で絶望しながら腰を下ろしていた。あの感覚、いま文にしたらまざまざと蘇ったので本当に無理なのであろう。文字通り虫唾が走るってあれかもしれない。

「ちゃ」の音とそれが、シナプスのご近所なのだ。ちょっとだけうぞ、とする。「ぺちゃくちゃ」とかもやや苦手。どうして言語の音と水回りへの謎の潔癖が繋がるのかわからないけれど、比較的長い間あえて使ってみて「やっぱり苦手だ」という結論に達したので、そろそろ類語辞典を引いて類語を当てていこうと思う。辛い。

日記を書く、に代表される「なにかを文章として出力する」行為、確実に自分のアンテナが無意識化で広がるのでたまのメンテナンスとしてやってみる必要があるなあとは思います。

つらつら